結婚式の挨拶やスピーチにおけるマナーやコツを徹底まとめ

結婚式は、新郎新婦が主役となる場。自慢話や説教のようなスピーチをせず、新郎新婦のために場を盛り上げることが大切です。新郎新婦の心に残る挨拶やスピーチをするために、守るべきマナーを知っておきましょう。結婚式の挨拶やスピーチを任されたご友人の方や上司の方は、ぜひ参考にしてくださいね!

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結婚式の挨拶やスピーチの種類

結婚式の挨拶やスピーチの種類は、式の進行内容によって異なります。一般的には新郎のウェルカムスピーチから始まり、主賓の挨拶、乾杯挨拶、友人代表スピーチ、親族謝辞、新郎謝辞の順で進んでいきます。

式によってはあえて主賓を立てないケースもありますが、ここではスピーチを任される立場である「主賓の挨拶」「乾杯の挨拶」「友人代表スピーチ」について詳しく見ていきましょう。

1.主賓の挨拶

主賓の挨拶では、新郎新婦がお世話になった方が祝辞を述べる場合が多くなっています。一般的には、会社関係者の一番偉い人や学生時代の恩師が選ばれます。親族中心の結婚式ならば、両家の年長者が祝辞を述べることもあります。

新郎新婦に共通の知人がいない場合は両家1名ずつ、計2名が主賓の挨拶を行うこともあるでしょう。他のスピーチよりも、厳かなスピーチが行われやすいのが特徴です。

2.乾杯の挨拶

「結婚式の始まりの合図」ともいわれる、乾杯の挨拶。ここでは、新郎新婦の先輩にあたる人が担当します。また、乾杯の挨拶に関しては「全てのゲストの中から1名」から選ばれます。「乾杯の発声を、ご家族のお子様にお願いして場を和ませる」など、挨拶にも一工夫が必要です。

3.友人代表のスピーチ

余興のひとつとして挙げられ、エピソードを交えながら話すのがポイントとなるスピーチです。新郎側と新婦側でそれぞれ1名ずつの計2名、もしくは新郎側と新婦側の友人どちらか1名が選ばれます。また、友人複数でスピーチリレーを行うこともあります。

友人代表のスピーチにはさまざまな形式があり、手紙を朗読したり、司会からのインタビュー形式で答えたりするのが特徴です。

結婚式の挨拶やスピーチにおけるマナー

主賓の挨拶は5分、乾杯の挨拶や友人のスピーチは3分

結婚式では、限られた時間の中でスピーチを行う必要があります。そのため、あまりにも長い挨拶をすると、その後の進行を大きく妨げてしまいます。挨拶の際のマナーとして、主賓の挨拶は5分、乾杯の挨拶や友人のスピーチは3分を目安にしましょう。

挨拶を始める前にもマナーがある

また、挨拶を始める前にもマナーがあります。司会者に名前を呼ばれたら、「着席したまま軽く一礼」をしてください。実際の結婚式では、司会者がスピーチする方の名前を呼んだ後に、スピーチをする方の紹介を始めます。

名前を呼ばれたらいきなり起立するのではなく、着席した姿勢のままゆっくりと周囲を見て、一礼をしましょう。こうすることで、「自分がスピーチをするゲストだ」ということを周囲に伝えられます。

司会者に紹介をされたら席を立つ

司会者からの紹介が済んだら、ようやくそこで席を立ち上がります。再度その場でゲストに一礼をして、マイクの前まで歩きましょう。このとき、歩いている姿が周囲に見られているため、堂々と自信を持って歩いてください。

マイクの前に立ったら、スタッフがマイクの高さを調節してくれる場合があります。いきなり話し始めず、にこやかな表情をしながら待機しましょう。準備が整って場内が静かになったら、新郎新婦のほうを見て「おめでとうございます」と述べて一礼します。

ここでは会釈ではなく、背筋を伸ばしたまま上体をゆっくり倒し、約2秒数えて静止します。お辞儀する際に、マイクを頭にぶつけてしまう方も中には見られるので注意しておきましょう。また、新郎新婦と両家の両親が起立して待ってくれているため、スピーチを始める前に「お座りください」と伝えます。

以上が「スピーチを任された側」の挨拶のマナーです。一連の流れに沿ってスピーチを始めるだけで、落ち着いて話すことができます。それでは、それぞれの挨拶の内容について以下でもう少し詳しく見ていきましょう。

結婚式のマナーやコツ1.主賓の挨拶

良い結婚式になるかどうかは、主賓の挨拶がどれだけしっかりとしているかが重要になります。主賓の挨拶を「つまらない」と思わせないために、次の6つのポイントを押さえておきましょう。

●堅い話ではなく、好感が持てる内容
●無難な話ではなく、メッセージ性のある内容
●スピーチの時間は約5分
●会社の宣伝や紹介、自慢話を入れない
●部下への説教のようなスピーチをしない
●褒める際には具体的なエピソードを入れる

これらのポイントを踏まえた上で、主賓の挨拶の内容を考えていきます。

まずは、自己紹介。自分の名前だけではなく、新郎新婦との間柄について話します。どのスピーチにもいえることですが、「話し手がどんな人物なのか?」をすぐに伝えておくと、話の内容がゲストの頭にすんなり入っていきます。

次に、お祝いの言葉を述べます。これは新郎新婦、両家の親族へお祝いの気持ちを伝える場面です。ありきたりの言葉ではなく、自分の言葉で伝えるようにしましょう。

そして、新郎新婦とのエピソードを伝えます。注意しなければいけないのが、あれもこれも話し過ぎない点です。気持ちが高ぶって長々と話すと、「この人、話が長いな」という印象を与えてしまいます。ひとつのエピソードをいかに深掘りするかが大切です。

最後に、2人へのメッセージを伝えて話を締めます。これから新しい生活を始める新郎新婦に、素敵なメッセージを贈りましょう。

【主賓】挨拶やスピーチの例文

次に紹介するのは、主賓挨拶のスピーチ例文の1つです。ポイントを押さえながら、参考にしてみてください。

・冒頭の挨拶
ただいまご紹介にあずかりました、新郎の勤務先の上司にあたります◯◯と申します。△△、◇◇ご両家の皆さま、心よりお祝い申し上げます。

・新郎または新婦との関係
新郎の△△君とは、彼が当社に入社して以来のお付き合いとなります。彼は入社して以来~(エピソードを交える)。

・新郎新婦がどんな人物なのか?
△△君は、どのような仕事にも全力で取り組む部下でございます。周りの同僚や後輩からも信頼が厚く、上司にあたる私も安心して仕事を任せられます。(褒める際には、具体的なエピソードを入れる)。

・新郎新婦への、お祝いの言葉
△△君、◇◇さん、本日は本当におめでとうございます。お二人の末永いお幸せと、ご両家のご多幸をお祈り申し上げます。少々長くなってしまいましたが、以上で私の挨拶とさせていただきます。

エピソードで「今日の主役がどんな2人なのか?」をゲストに分かりやすく伝えることが、主賓の挨拶の役割です。

結婚式のマナーやコツ2.乾杯の挨拶

乾杯の挨拶も、主賓挨拶と同様です。まず、話し手である自分が新郎新婦とどのような関係なのかを伝えます。その後、新郎新婦や両家の親族へのお祝いの言葉を述べて、新郎新婦とのエピソードを話します。そして未来の2人へメッセージを贈り、乾杯の音頭をとります。

主賓挨拶と異なるポイントとしては、以下の3つが挙げられます。

●主賓挨拶よりも明るい雰囲気で話す
●乾杯のタイミングを分かりやすくする
●スピーチの時間は約3分

【乾杯】挨拶やスピーチの流れ

乾杯の挨拶は、例えば次のような話の流れになります。

ただいまご紹介にあずかりました、新郎の△△君の同僚の〇〇でございます。僭越ではございますが、ご指名がございましたので乾杯の音頭を取らせていただきます。

△△君、◇◇さん、並びにご両家のご親族の皆様おめでとうございます。私が~(新郎新婦とのエピソード)。

それでは、お二人の末長いお幸せと、ご両家並びにご列席の皆さまのご発展をお祈りいたしまして、乾杯!

主賓挨拶よりもスピーチの時間が短く、なおかつ楽しいムードを演出することが求められます。また、全員に飲み物が行き渡ってからスピーチを始めます。周囲に配慮する必要もあるため、柔軟な対応を心掛けましょう。

乾杯の挨拶の注意点

乾杯の挨拶特有のマナーもいくつかあるので覚えておきましょう。まず、司会者が乾杯の挨拶をする人を紹介します。そして乾杯の挨拶をする人がマイクのある位置まで移動する間に、ゲスト全員が起立をして、飲み物のグラスを手にとります。

挨拶の間は全員がグラスを持ったまま耳を傾けて、乾杯の挨拶をする人が「乾杯」 と発声すると、全員がグラスを目の高さまでかかげます。そして全員が一斉に「乾杯!」と声に出し、近くの人とグラスを軽く合わせカチンと音を出すのが一連の流れです。

乾杯後、可能であればグラスの飲み物を飲み干します。お酒が苦手であれば一口だけ飲むか、口につけるだけでも構いません。 また、飲み干す際に長い時間がかかりそうな場合は、無理に飲み干さないのもマナーです。

乾杯が済んだらグラスを置き、新郎新婦のほうを向いて全員で拍手をします。その後、司会者がお礼を述べて、司会者の案内で「乾杯の挨拶をした人」は席に戻ります。最後に司会者の案内で一同着席して、食事が始まります。

結婚式のマナーやコツ3.友人代表のスピーチ

友人代表のスピーチも、基本的には主賓の挨拶や乾杯の挨拶と同様です。しかし、友人の祝辞でなければ伝えられないことも多く、友人の代表としてきちんとしたスピーチを行いたいものです。友人代表のスピーチで押さえておきたいポイントは、以下の3つです。

●あまり堅くなりすぎないようにリラックスする
●自分にしか言えないエピソードを話す
●スピーチの時間は約3分

【友人代表】挨拶のスピーチの流れ

スピーチの流れは、まず自分の名前と新郎新婦の間柄について話します。その後、新郎新婦、両家の親族へのお祝いの言葉を述べて、新郎新婦との思い出を語ります。最後に、これから新しい未来へ向かう2人へメッセージを贈りましょう。友人代表のスピーチの例としては、次のようなスピーチが挙げられます。

ただいまご紹介いただきました、新郎の同級生である〇〇でございます。△△君、◇◇さん、ご結婚おめでとうございます。ご両家のご親族の皆さまにも、心よりお祝いを申し上げます。僭越ではございますが、友人を代表して挨拶をさせていただきます。

高校時代では~(新郎との思い出を語る)。長くなりまして大変恐縮ですが、これをもちまして私の挨拶とさせていただきます。新郎新婦、ならびにご両家のご家族の皆さま本当におめでとうございます。これからのお二人の幸せを、心より願っております。

スピーチでは「友達」よりも「友人」という言葉を使うのが、一般的なマナーです。また、感動するエピソードも必要ですが、会場を盛り上げる面白ネタを披露することも求められます。友人代表スピーチの担当者が集まり、それぞれ役割分担を考えておくことも時には必要です。

ちなみに、友人代表のスピーチネタで多いのが、クラスや部活動の思い出です。勤務先に関係するネタも盛り上がりやすいでしょう。

替え歌などの余興も盛り上がりやすい

歌や替え歌で盛り上げる方法も、友人らしくて好印象を与えやすいです。友人代表スピーチは余興のひとつであり、「堅苦しい祝辞が続く」と予想されるときには「歌ネタ」が最適です。ただし、いきなり曲に入るのではなく、お祝いの言葉を必ず述べてから歌いましょう。

感動的な話をしたい方やスピーチが苦手な方であれば、手紙がおすすめです。BGMを入れればさらに感動的な演出になりますが、事前に会場側との打ち合わせが必要になります。

どのようなスピーチ内容であっても、堅くならずにリラックスして臨みましょう。

結婚式の挨拶やスピーチでうまく話すコツ

スピーチのときは、アイコンタクトを大切にしましょう。緊張して目が泳いでいると、スピーチの説得力はどうしても薄れてしまいます。視線を一点に集中させず、ゲスト全体を見わたせるのが理想です。

緊張しやすい方は最初は1カ所だけを見て話し、徐々に落ち着いたらゲスト1人1人とアイコンタクトを取るようにしましょう。このような心構えをするだけで、堂々としたスピーチができます。

また、スピーチ本番では焦らずゆっくりと話しましょう。一生懸命考えたスピーチを伝えるためには、一言一言に思いを込めることが大切です。緊張で早口になる方は、特にゆっくりと話すことを心がけましょう。

スピーチを聞いている側は、話し手が早口であるほど内容が頭に入ってこなくなります。また、落ち着きのなさがうかがえて、心配になってしまうでしょう。

しかし、ゆっくりと話す声に対して、聞いている方は意外と気にならないものです。「ちょっと遅いかな?」くらいの速さでスピーチをしても、全く問題ありません。

そのほか、明るい声ではっきりと発音することも大切です。話の途中で「えーっと」「あー」など歯切れが悪いと、感動的な内容もいまいち伝わらないので注意しましょう。

メモやカンペは持ち込んでもいいOK! でも事前練習は必須

ちなみに、メモやカンペの持ち込みは可能ですが、きちんと事前練習をしておきましょう。メモやカンペを使うのは「次に話す内容を確認する程度」に留めておき、顔を上げて話せるようになるまでしっかりと練習することが望ましいです。

最近では「スピーチを手紙形式にして、本番で読み上げたあと新郎新婦にお渡しする」ケースも増えています。手紙ならば「朗読」という形のため、覚える必要がありません。状況によっては、手紙のスピーチも取り入れてみてください。

結婚式の披露宴で絶対に避けたい3つのこと

結婚式の披露宴では、絶対に避けるべき言動がいくつかあります。そのようなNG行動をすると、せっかくのおめでたい場が台無しになってしまうので、NG行動についても事前にしっかりと確認しておきましょう。

1.自分が目立つこと

披露宴の主役は、あくまでも新郎新婦と両家のご両親です。そのため、スピーチを任されたからと言ってむやみに目立つべきではありません。目立つことを意識するとどうしても話が長引いたり、ほかの方に気を遣わせてしまったりします。

結婚式は新郎新婦をお祝いする場なので、引き立て役に徹するようにしましょう。新郎新婦が登場人物の中心となるエピソードを意識することが大切です。もちろん、結婚式にそぐわない下品な話、新郎新婦を困らせる話なども控えるべきでしょう。

2.慌ただしい印象を与えること

スピーチでは、慌ただしい印象を与えないように気を付けてましょう。マイクまで歩み出る際に急ぎ足で向かうと、会場の雰囲気まで慌ただしくなってしまいます。話すときの速さだけではなく、立ち居振る舞いにも注意しましょう。

3.縁起の悪い言葉は使わないこと

結婚式のようなおめでたい場では、縁起の悪い言葉を使うべきではありません。特に「忌み言葉」は無意識のうちに話してしまいがちなので、十分に注意をしてからスピーチに臨みましょう。結婚式において特に注意をするべき忌み言葉としては、以下の言葉が挙げられます。

●離れる
●別れる
●出る
●切れる
●飽きる
●分かれる
●去る
●帰る
●終わる

万が一忌み言葉を使用してしまった場合は、「失礼いたしました」と一言伝えてスピーチを進めてください。可能であれば、忌み言葉を含まないように原稿を書き出し、当日までに何回も練習しておくことが望ましいでしょう。

マナーを守って結婚式の挨拶やスピーチを成功させましょう!

結婚式のスピーチでは焦らず自信を持ち、思いを伝えることが大切です。「忌み言葉」などの使ってはいけない言葉も存在しますが、誠意を伝える気持ちがあればスピーチもきっと成功します。

スピーチの流れやマナーを頭に入れて、堂々とした気持ちで臨みましょう。そうすれば、新郎新婦に素敵なメッセージを送れるはずです。

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