自家製ハーブをスパイスや虫除けに!お世話が簡単なローズマリーの育て方

料理のスパイスとしておなじみのローズマリー。お世話が比較的簡単で、植木鉢やプランターでも手軽に育てられるハーブのひとつです。ローズマリーを自分で育てて、料理の香りづけに使ったり、ポプリを作ったり、バスタブに浮かべたりと、色々楽しんでみませんか?

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ローズマリーってどんなハーブ?

ローズマリーは地中海沿岸が原産のシソ科の多年草です。海辺に自生して、露と海風をたっぷり受けて育つことから、ラテン語の露(rosロス)と海(marinusマリヌス)を合わせた「Rosmarinusロス・マリヌス」と言う名前がつけられました。それが転じて、ローズマリーになったのです。花言葉には「追憶」「変わらぬ愛」「誠実」「記憶」などがあります。

ローズマリーは暑さにも寒さにも強く、少々霜がかかっても耐えられるくらい丈夫な植物です。日本中どこでも育てられますが、湿気に弱いため、水やりは控えて乾燥気味に育てるのが基本です。注意するのは水やりくらいで、あとは放っておいても元気に育ってくれるおすすめのハーブです。

ローズマリーというネーミングから、ローズの甘い香りを想像するかもしれませんが、実際には樟脳のようなツンとした香りがします。ヨーロッパでは古くから、肉などの臭み消しとして料理に使われたり、メディカルハーブとして病気のケアに使われたりしてきました。

丈夫ですくすく!ローズマリーの育て方

ローズマリーは暑さにも寒さにも強く、育てやすいのが特徴です。基本的なことだけしっかり押さえて、あとは細かなことは気にしないで育ててみましょう。以下に、ローズマリーの育て方をまとめてみます。

➢ 水はけの良い用土で
ローズマリーは湿気が苦手なため、用土は水はけが良いことが肝心です。地植えするなら、赤玉土、苦土石灰、腐葉土、パーライトを混ぜて、土壌作りをしましょう。簡単に準備したいなら、市販のハーブ用の土を使っても大丈夫です。

➢ 日当たりが良く乾燥した場所で管理
ローズマリーは半日蔭のような場所でも育てられますが、本来日光が大好きな植物のため、日当たりと風通しの良い場所がおすすめです。

➢ 暑さにも寒さにも強い!

ローズマリーは暑さにも寒さにも耐えられる植物。冬でも0度以上ある地域なら、地植えもできます。霜にあたらないように気を付けてあげれば、冬越しも可能です。寒い地方では鉢植えで育てて、冬は室内で管理してあげましょう。

➢ 水やりには注意を
ローズマリーを育てる際に、一番気を付けなければならないのは水の管理です。土の表面がしっかり乾いたら水やりをします。直射日光が当たる真夏でない限り、乾いた状態で数日放置していても問題ありません。水やりを忘れると、葉がしわしわに細くなっていることがありますが、水をあげればすぐに元に戻るので大丈夫ですよ。
むしろ、ローズマリーは湿気に弱いため、常に用土が湿っていると根腐れを起こすことがあります。梅雨の時は軒下に移動させてあげると安心です。なお、地植えした場合は、真夏以外はあえて水やりをしなくても育ちます。

➢ 肥料は少しで大丈夫
植え付けの際に少量の肥料を与えるくらいで十分に育ちます。室内で育てている場合など、大きくなりすぎて困るなら与えなくても大丈夫です。

➢ 害虫がつくことはまれ
ローズマリーは、その独特の香りに防虫効果があるため、虫は発生しにくいと言われています。しかし、高温多湿の夏は虫にとって好条件であり、剪定が不十分で風通しが悪いとハダニやカイガラムシがつくことがあります。

ハダニを見つけたら、ガムテープなどにくっつけて駆除する、または水と牛乳を同じ割合で混ぜたものを葉に吹きかけ、窒息するのを待ってから、水で流すなどの方法があります。ハダニは水に弱いので、普段から葉水をかけると、発生を予防することができます。

カイガラムシの場合、幼虫は薬で駆除できますが、卵や硬い殻をかぶった成虫には薬が効きません。古い歯ブラシや筆の先を切ったものなどを使って、こすり落とすようにするといいでしょう。

➢ 花のシーズンはとても長い!

種類にもよりますが、ローズマリーは10月~5月頃に花を咲かせます。色はブルーや紫のものが多いですが、白いものも見られます。花の形も種類によって若干違いますが、枝の先に小さな花をたくさんつけます。

ローズマリーの種類と特徴

ローズマリーには上に伸びる「立木性」、横に広がり垂れ下がる「ほふく性」、そして上にも横にも伸びる「半ほふく性」があります。購入する際は、狭い場所に植えるなら立木性、高さのある花壇に植えたり、植木鉢をハンギングするならほふく性というように、置く場所や管理のしやすさで選ぶとよいでしょう。

大きくなったら剪定や植え替えを

ローズマリーの場合、挿し木をしたてのものや、購入したばかりの小さな苗は成長が遅く、なかなか大きくなりません。育て方や環境が悪いのかと心配になりますが、ローズマリーは2年目からぐんぐん成長するので大丈夫です。

枝を伸び放題にしておくと風通しが悪くなり、ローズマリーにとって苦手な環境になってしまうので、定期的に剪定をしましょう。また、株が大きく育ってきたら、大きさに合った鉢に植え替えることが必要です。

➢ 枝葉を切って風通しを良く
ローズマリーは乾燥した環境を好みます。風通しを良くするためには、剪定が欠かせません。剪定というと難しそうに聞こえますが、詰まっている枝葉を切っていくだけのことです。よほどのことがない限り、剪定して枯れるようなことはないため、思い切ってやってみましょう。枝の先端で切ると、切った横から小さな脇芽が出てきて、その後もたくさん収穫できます。一方で、枝の元の方から切ると、出てくる脇芽の数が減り、全体がすっきりしてコンパクトになります。

一気に剪定しようとせず、ローズマリーを料理に使う度に全体のバランスを見ながら枝を切っておくと、剪定と収穫が一度に出来て、一石二鳥ですね。枝先ばかりを切って脇芽が増えすぎると、上部が重く不安定になります。脇芽が出てきたら、どんどん収穫してあげましょう。

➢ そろそろ植え替えかも?
鉢植えの場合、2年以上植え替えをしていないなら、そろそろ根詰まりを起こしているかもしれません。鉢の底から根が出てきていないか、水はけが悪くなっていないかをチェックしてみてください。

また、鉢に対して、株のサイズが大きすぎる時も、植え替えをしてあげましょう。植え替えには春と秋が適しています。ローズマリーが苦手な梅雨時期は避けてあげましょう。

植え替え方法は、まず古い鉢からローズマリーをやさしく引き抜きます。抜いたら根の状態をよく見て、枯れた根や古い土を取り除きます。次に、一回り大きな鉢を用意して、鉢底にネットと鉢底用の土を入れてから、ハーブ用の土を2~3cm敷き詰めます。その上に、ローズマリーを置き、さらにハーブ用の土を隙間なく入れていきます。鉢を揺らしたり、叩いたりして、土が奥までしっかり入るようにしましょう。土が入ったら、しっかり水やりをして、植え替えの完成です。

挿し木で簡単に増やせる!

ローズマリーが順調に大きく成長してきたら、今度は増やしてみませんか? ローズマリーは簡単に増やせるハーブです。剪定をした枝を挿し木にすることも可能です。

➢ ローズマリーの挿し木の方法
挿し木に必要なのは、挿し木用の枝と水あげ用のコップ、新しい土を入れた鉢だけです。まず、挿し木にする枝の下の方の葉を取り除きます。次に、コップに水を入れて挿し木用の枝を挿し、水あげをします。1時間くらいしたら、新しい土を入れた鉢に挿します。

挿し木の切り口から雑菌が入らないように、挿し木には新しい土を使いましょう。赤玉土や鹿沼土、バーミキュライトなどの他、市販の挿し木用の土を購入してもいいでしょう。肥料の中には雑菌が入っているので、挿し木の際には肥料は使わないようにしましょう。

挿し木をした後は、直射日光に当てるなど過酷な環境に置かないようにして、土の表面が乾いたら水やりをします。ひと月ほどして、枝の先に新しい葉が伸び、元気に育ってきたら、挿し木の成功です。

➢ ローズマリーは種からも育てられる
ローズマリーの種を園芸店やホームセンターなどで見かけたことはありませんか? 普通は苗や挿し木から育てることが多いようですが、種からも育てることができます。小さな種が発芽して、だんだんと成長する姿を観察するのも面白いかもしれませんね。

ローズマリーの種は春先に撒きます。たくさん発芽したら、間引きして元気な芽を残します。本葉がある程度出てきたところで移植します。ローズマリーは移植を嫌う植物なので、なるべく移植の回数を減らして負担をかけないのが、種から丈夫に育てるコツです。

料理をワンランクおいしくするローズマリーのレシピ

ローズマリーを育てたら、料理にたくさん活用してレパートリーを増やしてみましょう。ローズマリーは肉料理やジャガイモ料理と相性がいいようです。ただし、ローズマリーの香りは強いので、使い過ぎにはご注意を。摘みたてのフレッシュハーブを使うと特に香りが良いですが、ドライハーブでも代用することができます。

➢ グリルチキン

材料:鶏肉(ムネ)400g ジャガイモ4個 ローズマリー4枝 にんにく2片 オリーブオイル大さじ3 塩適量 ブラックペッパー適量 野菜のピクルス30g

1. 鶏肉をひと口大に切っておく
2. ジャガイモを1㎝位の幅で切って、水にさらしておく
3. ローズマリー3枝の葉を枝から取り、おろしにんにく、オリーブオイル、塩、ブラックペッパーと合わせておく
4. 3に鶏肉とジャガイモを入れて、15分ほど置いておく
5. 200度に余熱したオーブンに4を入れて、15分ほど焼く。鶏の皮を上にしておくとこんがりカリカリになる
6. 仕上げに、残りのローズマリー1枝を飾り、野菜のピクルスを添えて出来上がり

切って焼くだけの簡単レシピですが、ローズマリーとにんにくの風味が利いて、ごはんやお酒にも合う一品です。また、飾りにローズマリーやピクルスを添えることで、見た目も本格的になります。

➢ ローズマリーティー


1. ローズマリーの枝数本をティーポットに入れる
2. 熱湯をそそいで、好みの濃さになるまで待つ

摘みたてのローズマリーで淹れるお茶は香りが格別です。ローズマリーの香りは脳を活性化させて、集中力を高めるとも言われています。また、気持ちをリラックスさせたり、消化を助けてくれる作用もあるそうです。

なお、ローズマリーには子宮を収縮する作用があるので、妊娠中は控えた方が良いとされています。念のため主治医に相談しておくと安心ですね。

虫除けや防虫剤にもなる!

ローズマリーの香りには、樟脳の香りと同様に、虫が嫌うカンファーやカンフェンなどの成分が含まれています。この香りを上手に使って、ローズマリーを防虫剤として活用することができます。庭やベランダに植えたり、乾燥させたハーブをクローゼットに入れたりすると、虫が寄り付きにくくなります。化学物質や薬剤のような強い効き目はありませんが、自然素材なので安心して使える防虫剤になります。

➢ クローゼットに最適!手作り防虫剤
しっかり乾燥させたローズマリーの葉を用意します。乾燥が足りないようなら、電子レンジで加熱して、枝から葉が簡単にとれるくらいにします。このローズマリーの葉を目の細かい布で作った袋に入れれば、手作りの防虫剤になります。時折、手で揉んで香りを強めると効果が高まります。

➢ 夏のバーベキューにローズマリー料理を
夏のバーベキューでは虫除け対策が欠かせませんよね。ローズマリーの香りには虫除け効果があるため、バーベキューでは、ローズマリーを使った料理をするのがおすすめです。ポイントは、ローズマリーを加熱して香りを強めること。ローズマリーが料理のスパイスとしても、虫除け対策としても大活躍してくれます。

いろいろ使えるローズマリーを育ててみよう

ローズマリーは植木鉢やプランターで手軽に育てられるハーブです。丈夫でお世話も簡単なうえに、花も長く楽しめることから、インテリアやガーデニングにぴったり。ハーブを育てるのは初めてという人にもおすすめです。また、収穫したハーブは料理や虫除けなど生活のあらゆるところで活用できるのもうれしいですね。摘みたてのハーブの香りは格別です。いろいろ使えてお得なローズマリーを育てて、ハーブのある暮らしを始めてみませんか?

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