【観葉植物】多彩なフィカス(イチジク属)に注目!種類と育て方を紹介

「フィカス」とは植物名ではなく、複数の植物が所属する属を示す名前であることをご存知ですか? 「イチジク」や「ゴムノキ」など人気な観葉植物の多くがフィカス属に分類されます。今回は個性豊かなフィカス属の種類と育て方を紹介。多彩なフィカス属はおうちのインテリアにもおすすめですよ♪

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【目次】
・ゴムノキを中心に、多彩な植物があるフィカス(イチジク)属
・フィカス属で人気の観葉植物の種類は?
・これもフィカス属!ゴムノキ以外の人気観葉植物
・意外に簡単!?フィカス属の育て方
・まとめ

ゴムノキを中心に、多彩な植物があるフィカス(イチジク)属

フィカスとはゴムノキのことを指すと思っている方も多いようですが、必ずしもフィカス=ゴムノキではありません。フィカスとは、単体の植物を指す名前ではなく、複数の植物が所属する属の名前。一般にゴムノキとして流通しているのはインドゴムノキやベンガルゴムノキなどを中心とする植物です。これらの正式名称はフィカス・エラスティカ、フィカス・ベンガレンシスなどであり、れっきとしたフィカス属の一種なのです。

➢ 熱帯から温帯に800種が分布するフィカス属

フィカス属では熱帯から温帯にかけての地域に、およそ800種もの植物が分布しています。フィカス属という名は聞き慣れなくても、和名であるイチジク属と聞けば、なんとなくここに分類される植物をイメージできるという人も多いのではないでしょうか?

➢ フィカス属の特徴は種によって多岐にわたる
フィカス属のなかにはつる状の茎を這わせて生育するプミラ種や、卵型の葉をたくさんつけるベンジャミナ種など、さまざまな種類の植物が存在します。同じ仲間であると判定することが難しいほどにかけ離れた見た目の植物もあり、属全体に共通する特徴を挙げるのは大変難しいことです。

あえていうなら、フィカス属の植物の幹を傷つけるとゴムを含む乳液状の白い液体が生じるという特徴があり、これがゴムノキと呼ばれる所以でもあります。また、複数の花を茎の部分が広がって包んだような独特の花のつき方(イチジク型花序)もフィカス属の特徴であるといえます。

➢ かつては天然ゴムの材料となったフィカス属

フィカス属の幹からはゴムを含む樹液が取れますが、かつてはインドゴムノキの樹液から天然ゴムの材料を採取していました。その名の通り、インドゴムノキからゴムが作られていたのです。しかし、現在ではクワ科、フィカス属の仲間ではないトウダイグサ科、パラゴムノキ属のパラゴムノキから採取した原料で天然ゴムが作られています。

フィカス属で人気の観葉植物の種類は?


➢ 人気の観葉植物が多数あるフィカス属

フィカス属には個性豊かな植物が多数所属しており、観葉植物として人気を集める観賞用の品種も多数有ります。先にあげたインドゴムノキ(フィカス・エラスティカ)からは多種の園芸品種が改良されていますし、ベンガルゴムノキ(フィカス・ベンガレンシス)やカシワバゴムノキなどゴムノキと名がつくものだけでも、多数の品種が人々に親しまれています。

さらに、フィカス属にはベンジャミン(フィカス・ベンジャミナ)、ウンベラータ(フィカス・ウンベラータ)、ガジュマル(フィカス・ミクロカルパ、フィカス・レトゥーサ)、プミラ(フィカス・プミラ)なども所属しています。一般にフィカス属の仲間とは知られていなくとも、定番として人気を集める観葉植物がずらりと並んでいるのです。果実を楽しむイチジク(無花果)や、中華料理店でよく見かける愛玉子(オーギョーチ、カイテンイタビ)もフィカス属の仲間です。

以下では、特に人気が高いフィカス属の観葉植物とその特徴をご紹介しましょう。

➢ デコラゴム(フィカス・エラスティカ・デコラ)
インドゴムノキ(フィカス・エラスティカ)の枝変わりによって生まれた園芸品種で、観賞用のゴムノキとして最も広く流通しているものです。肉厚で大きな葉は濃い緑色。大変丈夫で繁殖力も強いため、育てやすく増やしやすいゴムノキです。

➢ クロゴム(フィカス・エラスティカ・バーガンディ)

黒味を帯びた大きな葉がシックなクロゴム(フィカス・エラスティカ・バーガンディ)は、バーガンディ、アビジャンなどとも呼ばれる品種で、インドゴムノキの派生種です。その名の通り、ブルゴーニュ産の赤ワイン(バーガンディ)のように赤黒いつややかな葉の美しさが、空間をスタイリッシュに引き締めてくれます。

➢ アカゴム(フィカス・エラスティカ・ベリーズ)
大きな赤い葉が目に鮮やかなアカゴム(フィカス・エラスティカ・ベリーズ)も、インドゴムノキの改良品種。単にベリーズとも呼ばれ、その印象的な姿から人気を集めています。日光に当てるとより鮮やかな赤色に発色します。

➢ アポロゴム(フィカス・エラスティカ・アポロ)
インドゴムノキの派生種としては、少し小ぶりな葉が特徴的なアポロゴム(フィカス・エラスティカ・アポロ)。ねじれたり、でこぼこしたり、立体的な葉の表情が独特の存在感を出します。時には幹が完全に隠れてしまうほど、とにかくたくさんの葉をつけるのも特徴です。

➢ フランスゴム(フィカス・ルビギノーサ)
丸っこく小ぶりの葉がコケティッシュな印象のフランスゴム(フィカス・ルビギノーサ)。インテリアプラントとして人気が高く、雑誌などで取り上げられることも多いゴムノキです。特に幹が曲がった曲がりと呼ばれる個体は、幹の描くシルエットが美しいと高い人気を誇ります。


➢ カシワバゴム(フィカス・リラータ)
大きく波打つ濃緑色の葉が特徴的なカシワバゴム(フィカス・リラータ)は、カシワの葉に似た葉をつけることからこの名がつきました。大ぶりの葉が波打つダイナミックな姿は、国内よりむしろ海外での人気が高く、インテリアプランツの定番として親しまれています。

➢ ベンガルゴム(フィカス・ベンガレンシス)
楕円形の葉に白い葉脈が描く曲線が美しいベンガルゴム(フィカス・ベンガレンシス)は、観賞用として人気の高いゴムノキです。幹から太い気根を出すベンガルゴムは、ベンガルボダイジュ、ベンガレンシスなどとも呼ばれて市場に出まわっています。

➢ ショウナンゴム(フィカス・ビンネンディキー)
細長く、柔らかな葉が他の「ゴムノキ」とは一線を画すショウナンゴム(フィカス・ビンネンディキー)も、れっきとしたゴムノキ、フィカス属の仲間です。印象的な姿で洋風はもちろん和風のインテリアにもフィットし、さまざまなシーンで人気を集めています。多少暗いところでもよく育ち、丈夫で落葉しづらいことから、観葉植物初心者にもおすすめです。

これもフィカス属!ゴムノキ以外の人気観葉植物


➢ ウンベラータ(フィカス・ウンベラータ)

ハート形をした緑色の葉っぱと、ラテン語の日傘に由来した名を持つウンベラータ(フィカス・ウンベラータ)。寒さには弱いものの日本の気候にもなじみやすいことから、観葉植物としても定番人気を誇り、近年市場を席巻しています。枝分かれしたり曲がったりと個性的な樹形も魅力的で、インテリアショップや雑貨店、美容院などのスタイリッシュな空間を飾る姿がよく見受けられます。

➢ ベンジャミン(フィカス・ベンジャミナ)
密集して茂った葉が垂れ下がるベンジャミン(フィカス・ベンジャミナ)は、インテリアグリーンとして定番中の定番。他の植物ではなかなか難しい、幹を三つ編みに編んだ三つ編み仕立てやリング仕立ても可能で、楽しみ方も広がります。インドやネパールなどの原生地では聖木としても信仰を集める、縁起のよい木でもあります。やや寒さに弱く、10度以上で越冬させる必要があります。

➢ ガジュマル(フィカス・ミクロカルパ、フィカス・レトゥーサ)

幹の途中から気根と呼ばれる根を出す独特の姿が愛らしいと人気のガジュマル(フィカス・ミクロカルパ、フィカス・レトゥーサ)。沖縄ではキジムナーという精霊が宿る木とされ、また多幸の木として親しまれています。とても生命力が強いことから、その花言葉は健康。日当たりと水を好む木です。

➢ アルテシーマ(フィカス・アルテシーマ・バリエガタ)

どっしりと重量感を感じるゴムノキの印象を軽やかに変えたアルテシーマ(フィカス・アルテシーマ・バリエガタ)。大ぶりの葉を彩るライトグリーンの斑が最大の特徴で、日光をよく浴びさせることで葉色の美しさはさらに際立ちます。

バリエガタは本来斑入りという意味ですが、斑入りでないアルテシーマの原種が市場に出回ることはほとんどないため、斑入りのものが単にアルテシーマと呼ばれているようです。テーブルサイズのコンパクトな仕立てから、大鉢のものまで、さまざまな楽しみ方ができ、観葉植物として人気を集めています。

➢ プミラ(フィカス・プミラ)

一見してゴムノキと同じ分類とは思えないプミラ(フィカス・プミラ)ですが、これもフィカス属に属するゴムノキの仲間。つる性の茎を伸ばして丸い小さな葉をつける、かわいらしい観葉植物です。葉に斑が入ったプミラ サニーホワイトやプミラ ミニマ、プミラ ムーンライトなど品種改良によってさまざまな種類が存在していて、園芸店でもよく見かける身近な観葉植物となっています。

➢ トライアンギュラリス(フィカス・トライアンギュラリス)

三角形の小さな葉をつけ、ハートの木とも呼ばれるトライアンギュラリス(フィカス・トライアンギュラリス)も、れっきとしたフィカス属の植物です。ゴムノキの仲間の中でも、トライアンギュラリスは特に乾燥に強い種類とされ、若木のころから小さな丸い実をつけます。緑色から赤色へと熟す実には、釈迦が好みで数珠を作ったとのいわれも。まだまだ流通量は多くありませんが、密かに人気を集める観葉植物です。

➢ イチジク
季節の味として果実を楽しむことができるイチジクですが、鉢植えで観葉植物として育てることも可能です。収穫時期によって夏果、秋果、夏秋果専用種の3つの品種があり、成熟期に梅雨が重ならない秋果専用種の蓬莱柿(ほうらいし)やビオレーリキソスといった品種がおすすめです。

意外に簡単!?フィカス属の育て方

熱帯アジアなど暖かい地域で生まれたフィカス属の植物は、丈夫で育てやすいものが多く、観葉植物初心者でも十分に栽培可能です。種類によって耐寒性、耐陰性や水を好む度合いは変わってきますが、平均して寒さに弱く、日光と水を好む性質ものもが多くなっているようです。

夏の強烈な直射日光に当てると葉焼けしてしまう恐れもありますが、ほどよく日光浴をさせながら、たっぷりと水を与えて育てるのが、元気に美しく育てるポイントです。肥料については必須というわけではない種類も多く、あまり気にせず育ててよいでしょう。

大小の鉢植えのほか、プミラやトライアンギュラリスなどではハイドロカルチャーで栽培することも可能。暖かい地域ではガーデンに路地植えで楽しめる種類もあります。幅広い楽しみ方ができる、多様性がフィカス属の最大の魅力なのです。

まとめ

和名でイチジク属とも呼ばれるフィカス属にはゴムノキを中心に個性豊かな植物が属しています。多様性が魅力のフィカス属の観葉植物でお部屋を彩ってみてはいかがでしょうか。

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