観葉植物の植え替えのコツ|正しい方法やタイミングを徹底解説!

観葉植物が育ちやすい環境を作るために大切なのが「植え替え」。そこで、今回は植え替えの方法を徹底解説します。適切なタイミングや土の配合を知れば、元気な植物を育てることができますよ! 鹿沼土や赤玉土など、用土の特徴も紹介するので参考にしてくださいね♪

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植え替えの目的は?

なぜ、鉢植えの植物は植え替えねばならないのでしょうか? 植え替えの目的は2つ、「土を新しくして養分を補給すること」と「根の生長スペースをつくること」です。
植物が順調に育っているのならば、いずれ鉢の土の養分は乏しくなってきてしまいます。肥料などで養分を補ってやっても、土の劣化は避けられません。

また、根が鉢のなかでいっぱいになると、「根詰まり」と呼ばれる状態になります。根詰まりをおこしてしまうと、鉢の土がなかなか水を吸わなくなり、しかし、いったん水が入ると、今度はなかなか水を排出しないような状態になります。水切れがおこりやすく、同時に根腐れもまたおこりやすくなってしまうのです。

そこで、定期的に植え替えをおこないます。土を新しくすることで、鉢内を植物が育ちやすい環境に戻し、根が生長するスペースを確保することで、植物が元気に育つようにするのです。

植え替えが必要なサインは?

植え替えが必要になってきたことを示すサインはいくつかあります。もっともわかりやすいサインは、鉢の底から根が出てくることです。植物と鉢のバランスが悪く、鉢が倒れやすくなったり、鉢が割れたりした場合も、植え替えが必要です。水がなかなか土にしみこんでいかない状態も、植え替えを必要としているサインです。

そのほか、前の植え替えから2~3年経っている場合も、土がやせていることが考えられるので植え替えがすすめられます。葉の色が悪くなったり、新芽が小さくなったり、下の葉が枯れてきたりという状態も、植え替えが必要なサインであることがあります。

植え替えに適した時期は?

一般的に観葉植物の植え替えは5~9月、最低気温が15度以上あるときが推奨されています。植え替えにもっともよい時期は、これから夏に向かうという5~6月です。暑さが苦手な植物の場合には、真夏の植え替えは避けたほうがよいでしょう。秋に植え替える場合には、冬に寒くなる前に根をしっかり張らせる必要があります。したがって、根の生育が遅い植物は秋の植え替えを避けましょう。

植え替えるための新しい土は?

市販されている観葉植物用の土を利用すると便利です。特に、独特の用土を好むような植物、サンスベリアやアロエ、セントポーリア、蘭などは専用の土を購入するとよいでしょう。自分で調整する場合には、以下の配合を目安にしてみてください。

▹一般的な観葉植物:赤玉土(小粒)と腐葉土の割合が6:4
▹水切れに弱い植物:赤玉土(小粒)とピートモスとバーミキュライトが5:4:1
▹水はけのよい土を好む植物:赤玉土(小粒)と腐葉土とパーライトが6:3:1
▹サボテンなどの多肉植物:赤玉土(小粒)と腐葉土とパーライトが5:1:4

特徴をつかんで自分で用土づくり

用土に使われる成分の特徴を知っておくと、観葉植物にあわせた用土づくりに役立てることができます。いくつかご紹介しましょう。

赤玉土

赤玉土は、関東ローム層の土を指し、褐色の粒状の土です。肥料成分を含まないという特徴があり、そのおかげで土が清潔なので、園芸によく使われています。排水性、保水性ともに優れています。土の粒の大きさと硬さで分類されて売られています。土の粒は、大きければ大きいほど保水性が低く、排水性が高くなります。ただし、時間とともに土の粒は崩れていき、土質が変化することになりますので、土の入れ替えが必要になります。

また、赤玉土には、高温で焼き固めて硬度を高くしたものもあります。「焼き赤玉土」「硬質赤玉土」「上質赤玉土」などと呼ばれています。粒の大きさに経時変化が少ないのが特徴です。
良質の赤玉土は、コップなどに水と赤玉土を入れてかき混ぜたときに、土の粒の崩れが少ないといいます。試してみると面白いでしょう。

鹿沼土

栃木県鹿沼地方でとれる鹿沼土も、赤玉土と並ぶ園芸用の基本用土です。小さな孔がたくさん開いているため、軽石とする人もいます。通気性、保水性が高く、ほとんど肥料分はなく、酸性度が強いという特徴があります。

サツキや東洋ランなどの、水はけがよく酸性土を好む植物には、鹿沼土単独で栽培することもあります。一般的な観葉植物に鹿沼土を用いる場合は、鹿沼土と赤玉土と腐葉土を3:4:3に配合するとよいでしょう。
鹿沼土は水分を含むと、白っぽい色から鮮やかな黄色になるので、水やりのタイミングがわかりやすいともいわれています。

バーミキュライト

バーミキュライトは鉱物であり、酸化ケイ素や酸化アルミニウム、酸化マグネシウムを主成分としています。層状構造をしているので、空気や水を通しやすく、保水性と排水性を兼ね備えています。水に溶けた肥料を保持する保肥性も高いという特徴もあります。通常の土に比べて大変に軽いので、吊り鉢の土などに利用されています。

ピートモス

ピートモスはもともとコケ類だったものです。ピートモスも保水性が高いという特徴があります。水切れを嫌う植物には多めに使うとよいでしょう。また、軽いので吊り鉢にも使われます。

ただし、強酸性の物質なので、通常はpH調整済みのピートモスを使用します。自分で中和する場合には、ピートモス1リットルに対して、苦土石灰を1.5g混ぜるとよいでしょう。もちろん、酸性度を好む植物にはpHの調整はいりません。

パーライト

鉱物を高温で焼成、発泡させたもので、白色の軽石状のものです。真珠岩パーライトと黒曜石パーライトがあります。黒曜石パーライトは、通気性、保水性、排水性のバランスを整える効果があり、根の発育が悪いときに使われます。真珠岩パーライトは保水性が高いので、水はけが良すぎるときに使われます。ただし、パーライトはかなり軽いので、土に混ぜ込む場合には1~2割程度にしておくとよいでしょう。

腐葉土

腐葉土は、樹木の葉や枝が土壌生物の働きによって土状になったものであり、痩せた土を蘇らせてくれる堆肥です。腐葉土を混ぜると土がふっくらとなり、保水性、保肥性、通気性が高まります。腐葉土は市販されていますが、庭にスペースがあれば、自分でも作ることができます。

腐葉土の作り方

庭に穴を掘り、落ち葉を埋めて土をかぶせ、ビニールシートで穴を覆います。ビニールシートが風で飛ばないように重しをして、そのままおいておきます。そして、2~3か月ごとに、落ち葉を掘り返して混ぜます。通常は、半年から1年くらいで出来上がります。落ち葉を入れる際に、土と米ぬかを落ち葉に挟み込むようにして加え、月に1度かき混ぜていると3か月くらいで出来上がるようです。

植え替えるための新しい鉢は?

基本的には、一回り大きな鉢に植え替えます。何度も植え替えるのは面倒なので、いっそのこともっと大きな鉢に植えようと考える人がいるかもしれませんが、大きすぎる鉢は植物にとってあまりよくありません。

根に対して鉢土が多すぎると、土がなかなか乾かないので根腐れをおこしやすくなります。また、根が枝分かれしにくくなるので、株が弱々しくなってしまうのです。

植え替えの手順

それでは、具体的な植え替え手順を見てみましょう。

1.植え替え前の水やりは控え、鉢土を乾かしておきます。

2.鉢から植物を抜き取ります。抜き取りにくい場合には、鉢の周りを叩いたり、へらのようなものを縁から差し込んだりしてみてください。

3.土を落とします。
「太い根が1本」の植物の場合には、植え替えで根が傷ついてしまうと枯れることがあります。そのような植物の場合には、古い土はあまり落とさず植え替えたほうがよいでしょう。
一方、「細い根がたくさん」の植物の場合には、古い土はもみほぐすようにして落とし、痛んで黒くなったような根は切りましょう。特に、簡単にとれる土は落としてしまいましょう。ただし、古い土を完全に除いてしまうと植物にストレスがかかりますので、古い土を除くのは1/3から半分程度にとどめておいたほうが無難です。

4.鉢の底に鉢底ネットを敷き、軽石やボラ土など大きな塊の土を入れます。その上に用土を入れ、植物を中央に置きます。

5.植物の周りに土をいれていきます。鉢の8割くらいが埋まるまで土を入れましょう。土が入りにくい場合には、鉢の周りを叩いたり、鉢をゆすったり、あるいは棒や指などを使って入れていきます。ただし、土も詰めれば詰めるほどよいというわけではなく、詰めすぎないようにしなければなりません。

最後に、たっぷり水やりをします。水が引けば、植え替え終了です。もし、水がなかなか引かなければ、植え替えをやり直す必要があります。用土の水はけが悪すぎる、鉢に土を詰めすぎた、鉢の底が詰まって水が抜けないなどが原因として考えられます。植え替えをし直す際に、水に濡れている土は使えませんので注意してください。

植え替え直後の注意点

直射日光を避け、風が直接あたらないような場所に置いておきます。頻繁に動かすことなく、1~2週間の間はそっとしておきましょう。土が乾いたら水やりしてください。葉がしおれてくるようならば、葉の枚数を減らしたり、霧吹きで葉水をあげたりするとよいでしょう。

肥料は、植え替え直後はもちろんのこと、2~4週間はあげないようにしてください。
新芽が出てきたら、徐々に通常の管理に戻していきましょう。

鉢を大きくしたくない場合の植え替えの仕方

鉢の大きさを変えたくない場合には、古い土を1/3くらい落とし、痛んだ根や長く伸びすぎた根を切って根を整理します。鉢に対して株が大きくなりすぎている場合には株分けも必要です。枝や幹などの剪定も必要な場合があります。同じ鉢を使用するのであっても、土は新しくしましょう。

植え替えた後の古い用土は使える?

植え替えの後に残された古い土、もう一度使えないのかなと考える人は少なくないでしょう。鉢から取り出したそのままでは、養分も乏しく水はけが悪い土なので用いることはできません。しかし、土を再生させれば、また使えます。再生の手順は以下の通りです。

1.古い土をよく乾燥させ、ふるいにかけて鉢底石や根などをのぞきます。

2.腐葉土や堆肥、燻炭、バーミキュライト、パーライトなどを混ぜ合わせ、黒いビニール袋に入れます。2週間以上、直射日光にあてたら出来上がりです。

まとめ

植え替えは手間がかかるので、できればやりたくないという人が多いようです。しかし、植え替えが必要になるということは、きちんと植物を育ててきた証でもあります。そう考えると、植え替える意欲が湧いてきませんか?

趣の異なった鉢に植え替えることで部屋の雰囲気を変えたり、植え替えの機会に株を増やしたりなど、何か動機づけになるものを見つけると、植え替えの作業にとりかかりやすくなるでしょう。時期がきたら植え替えてあげて、ますます元気な植物を育ててください。

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