【専門家監修】6畳和室を【洋間・和モダン】にリノベーション!費用・工期についてご紹介

持て余している和室はありませんか? 和室をリノベーションするなら、洋間にかえるか、和モダンの部屋にかえるかの選択肢があります。それぞれどういった工事が必要なのか、費用や工期についてもご紹介します。

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和室をリノベーション。どんな間取りにしますか?

和室を洋室にリノベーションするケースは大変ポピュラーな工事ですね。とくに高齢の祖父母が亡くなったために、普段暮らしていた和室、もしくは寝室にしていた和室が空いてしまうケースです。

今回は、和室をリノベーションする場合の2つの事例をご紹介します。

パターン1. 和室→洋室にリノベーション

工事内容

和室を洋室にリノベーションする際に必ずする工事は、畳からフローリングの変更です。材質や色目をイメージに合わせて選択します。

次に来るのはクロスの張替えでしょう。祖父母が居室にしていた和室ということを想定すると、一般的なビニールクロスだった可能性は低いと思います。つまり、爪で軽く引っ掻くと土がボロボロと剥がれてくるような壁かもしれませんし、ひょっとしたら板張りかもしれませんので洋室のイメージに合わせてクロスを替える必要がでてきます。

あとは照明とカーテン。照明だけ和風ではおかしなことになりますので、洋風の照明を選ぶことになるでしょうし、カーテンに関してもカーテンボックスも考慮しながらまったく新しいものに変えることがメインとなります。また、押入れがあると思うので、これを洋風のクローゼットに変える工事が必要になります。

費用

畳をフローリングに変える工事だけなら15〜20万円程度で済むはずですが、ここでは完全な模様替えを念頭に置いていますので、60万円~90万円ほどかかるとみてください。

あとはフローリングの素材選択が比重を占めます。特殊な素材などを使ったり、場合によっては思い切って床暖房にしてしまおうとなると費用は当然変わってきます。

とくに床暖房を設置する場合は、それに適した床材の選択が必要となってしまいます。

工期

工期はずばり1週間以上。どんなに小さな工事でも、和室から洋室へのリノベーションでは1週間をみてください。そのうえで凝ったカーテンボックスを付けたり、間接照明を駆使したようなリノベーションでは、配線工事などが複雑になるので2週間程度を要することもあるでしょう。

before/after

和室から洋室へリフォームするのですから、雰囲気はもちろん一新されますし、クロスなども新品ですから気分もいいでしょう。

また、多くのお宅がそうなのですが、使い手のいなくなった和室はそのまま放置されるケースがほとんどです。同じ家なのに和室の中にここ2〜3日入っていないなどということさえ起こります。

洋室にして変わるのは、その部屋の中に入る頻度が圧倒的に変化すること。もちろん、リフォームした後の洋室をどんな目的で使用するかにもよりますが、和室だったときよりは間違いなく出入りする頻度が増えます。

和室は座って使うことを前提にした居室になります。たとえば和室で庭を見るときは座って見ていたはず。ところが洋室にリフォームすると、その視点の高さも変わるので、これまでとは異なった景色が広がることとなり、気分一新にはもってこいですね。

パターン2. 和室→モダン和室にリノベーション

工事内容

和モダンは私も大好きなデザイン。インバウンド需要を見越した外国人富裕層向けホテルでも、この和モダンを取り入れる傾向が顕著です。

これを一般家庭の和室に取り入れるとどうなるのか?

まずは畳。モダンと言っても和室ですから畳は必須。でも、よく見かける一般的な縁がある畳ではなく、縁がない野郎畳や琉球畳などを使うことが多いようです。縁がないだけでも随分と斬新な感じがしますからね。

そして次は壁紙。一般的な和室は茶系統か白色のクロスなどを使用しています。ところが、和モダンテイストの高級ホテルの部屋に見られるような、鮮やかかつ艶やかな朱色を大胆に使ってもよいでしょう。

また、照明も必須アイテム。費用は掛かりますが、天井に完全埋め込み式の照明はとてもおしゃれでおすすめです。

また、私の個人的な感想では、障子は絶対に欲しいところ。ヒルトンホテルに泊まった経験のある方は思い出してほしいのですが、あのホテルは室内窓の内枠に障子が使ってあります。部屋自体は洋室設定なのですが、障子の存在感が独特でまさに和モダンの雰囲気をかもしだしています。

費用

大まかな費用目安ですが、50万円~150万円としておきます、少し幅を持たせて書きましたが、照明一つとってもあまりに金額の幅があるので、このようにさせていただきました。

ただ、大掛かりな工事をしなくても、畳を半畳の琉球畳に変え、壁紙を紫、朱、藍などでまとめればそれなりに和モダン感は出ますし、旧来からある床の間をモダンな造りにすれば、大きな金額を出さずにリフォームができるのではないでしょうか。

工期

洋室へのリフォームと同じですが、和室から和モダンへのリフォームも最低1週間はみた方が無難です。とくに、複雑で凝った和モダンにする場合は2週間程度を見るべきです。

before/after

従前の和室が物凄く本格的な和室であれば話は違いますが、和室をリノベーションして和モダンに変える計画をされている方がいうところの和室は、おそらくそんな本格的なものではないはずです。

それどころか和室ではなく、ただ単に畳が敷いてある部屋ということで和室と称しているケースも多いようです。

建築当初は新しいのでそれなりに機能していたかもしれませんが、その部屋を愛着を持って使っていたご両親が亡くなった後は、下手をすると開かずの間になりかねません。

そのうえ自然光も入らないような部屋だと、そこでくつろごうという気さえ起こりませんよね。

そんな和室を和モダンにすればイメージは一新。

ほとんどの人が人生の中で和モダンという部屋がある住宅に住んだことがないはずです。ホテルでの経験はあるかもしれませんが実際の暮らしとなるとそうなるでしょう。

つまり、和モダンの和室を作っての生活は、他の部屋をリフォームするのと比べてはるかに新鮮な気持ちになれるでしょう。この効用が和モダン和室にすることで得られる最大の効果ではないでしょうか。

持て余している和室をそのままにするのはもったいない

両親の他界によって和室が余り、うまく使いこなせずに困っているケースは非常に多く、私が現場で見聞きすることが多い事象の一つです。しかし、余った和室を放置しておいても、実生活ですぐに困ることはありません。それが仇となって、何時までも手つかずの部屋として放置されてしまうのです。

もし、皆さんの中で同じ境遇の方がいれば、是非とも和室のリフォームをご検討ください。

和室のリフォームはここまで書いてきたように、【和室⇒洋室】にするか【和室⇒モダン和室】にする選択肢がほとんどになります。一般的には洋室に変えてしまい、家族の居室にするか納戸として収納スペースを増やす場合が多いようです。

しかし、そこに和モダンという選択肢もあることを思い出してください。和室でもなく洋室でもない異次元の空間。こういった空間が自宅にあるのは素晴らしいことです。

このアイデアの監修者

森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹

名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。

森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/

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