子供達もお気に入り! 家族向け絶妙インダストリアルリノベ

空間にこだわるリノベ世代に大人気の「インダストリアル」テイスト。特に中古マンションでのリノベーションをお考えの方々は、必ず選択肢の一つに上げているのではないでしょうか? 今回ご紹介するhowzlifeのインダストリアルリノベーションは、小さいお子さんがいらっしゃるファミリーならではの絶妙なバランスが特徴。さてその「バランス」とは一体どういう事なのでしょう? 早速紐解きながら見ていきましょう。

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お子さんが居るファミリー必見! インダストリアルの上手な取り入れ方とは?

”インダストリアル”とは、元は”工業デザイン”を意味する言葉で、道具や機械、建物などに、遊びを排し実用に即した工業的意匠を施したモノの総称。そこから転じてインテリアの世界では、一般的には工場や機械、倉庫などをイメージした、過度な装飾を取り払ったスタイルの事を意味します。剥き出しのモルタルや配管、ビンテージ感溢れるシャビーなウッド使い、金属素材の使い方など、カッコいいクールな居住空間を演出するのには最適なのですが、さてインダストリアルも突き詰めるとドライで無機質過ぎる印象が勝ってしまう事もしばしば。例えば独身の方や、まだお子さんの居ない若いご夫婦であればそんな空気感に合わせてライフスタイルを楽しめる余裕もあるでしょう。

しかし、これがお子さんがいらっしゃるご家族、という事になると話は少し違ってきます。例えばお子さんの行動範囲に剥き出しの配管があったら少し心配になりますよね。子供部屋のフロアがモルタルだったらちょっと危険かな、と感じるのも当然ですよね。なにより独身時代は全体の雰囲気に合わせて家具などのインテリアにこだわれたのが、お子さんが生まれたのであれば、使い勝手や安全面、お子さんが好きなテイスト優先で、調度品や設備にもあまりこだわれなくなるものなのではないでしょうかーーーー。


渋谷に程近い世田谷に居を構えていたMさん夫妻は7歳と2歳のお子さんを持つご家庭。2人の子供が大きくなった時の事を考えて、当時住んでいた2LDKよりも広い物件への転居を決意しました。奥様がデザイン関連のお仕事をしている関係で、リノベーションへの理解が深く、転居に当たって自分の好きなテイストへのリノベも視野に入れて、ワンストップリノベーションの得意なhowzlifeに物件探しから依頼。条件はエリアは変えずに3LDKの広さを持つ物件。加えて奥様の好きな「インダストリアル」スタイルをベースとしたフルリノベーションでした。

施主の奥様、Mさん(左)とhowzlifeメインデザイナーの黒田さん。黒田さんは約1年前に始めた物件探しから、不動産担当の田中さんと共にMさんをずっとご担当されているとのことで、仲の良い友人同士のような空気感を醸し出していました。施主さんの個性をカタチにする「リノベーション」だからこそ、ビジネスライクではなく施主さんとより身近な関係性を紡いでいくスタイルはhowzlifeならではといえるのではないでしょうか。

さて、紆余曲折ありながらM夫妻の熱意とhowzlife不動産担当の田中さんの粘りの末に物件も決まり、フルリノベの設計に入ります。それぞれのベッドルームは多少犠牲にしてもLDKを広くとり、皆が自然と集まってくるような良い雰囲気のスペースにしたい、との意向でデザイナー黒田さんの打ち出してきたプランは「玄関からLDK部分に掛けてのみインダストリアル調を強めに取り入れる」というものでした。つまり子供の成長に合わせて部屋の使い方も変化するであろう個々のベッドルームは白とウッドを基調とした比較的プレーンなデザインにし、LDK部分では好きなインダストリアルを楽しめる、いわば良いトコ取りのミックス案だったのです。

インダストリアルなキッチン&暖かみのあるリビングの組み合わせが絶妙

手前側がリビング、奥側がキッチンエリア。元はキッチンとリビングが分割されていて、なおかつキッチン部分は狭く仕切られていたので、キッチン部分の壁を取り去り、加えてキッチン向かいの子供部屋を狭くすることでスペースに余裕を持たせています。拡げた動線部分にはhowzlifeが得意とするモルタルフロアを施工。その横にあるカウンター部分も土台部分はモルタルで合わせ、天板はキッチンシンクと同様のステンレスで制作することでインダストリアル感を強くアピールする作りとなっています。

M夫妻、特に奥様の好きなテイストが最大限反映されたというLDK空間は、モルタルに金属の質感を加えたインダストリアルなテイストでまとめたキッチンエリアと、白壁とウッド使いを効果的に織り交ぜた暖かみのある団らん空間を目指したリビングエリアとをミックスした絶妙なバランス配分を実現しています。インダストリアルな風味はキッチンエリアに集中していますが、プレーンに見えるリビングエリアも天井部分は剥き出しのモルタルにオシャレなグラス照明を採用。ウッドにブラックフレームの家具の数々はドライなキッチンエリアにもホッとするリビングエリアどちらにもフィットする絶妙のチョイスですし、ビンテージ感満載のドアなども効果的に使われています。

なんといってもクールでシャビーなインダストリアルなキッチンから家族団らんの為のリビング空間に至るまでのイメージがちぐはぐにならず、しっかりレイヤーで繋がっているバランスの良い設計がお見事。最近インダストリアルが話題だしやってみたいけど、ウチは子供もいるし…なんてご家族には是非参考にして欲しいお手本のような設計といえますね。

奥様がお気に入りだという3層構造のシンクを取り入れ、howzlifeで制作したシステムキッチン。壁付けにし背面にカウンターを置いて使い勝手を重視した設計を取り入れています。
デザイナー黒田さんがこだわったというウッドのドアは「隠れトピックその1」。ビンテージなテイストが魅力ですが、実はタモの付き板を使用してイチから制作したモノだそうです。その風合いを出す為にドアノブにはビンテージの真鍮製をわざわざ探し出して取り付けたとのこと。昔ながらのカギ穴がレトロでいい味を出しているのです。
天井部分のみ、キッチンからリビングまで一貫してモルタル剥き出しのインダストリアルな仕様となっています。天井だけでもモルタルで統一することで、LDKとしての一体感が演出できているのです。この辺りのさじ加減のバランスが絶妙ですね。
このLDKエリアの「隠れトピックその2」がこちらのロフト。キッチン反対側の動線壁側に突然現れる梯子と奥行きにビックリしますが、壁側の向こうにあるクローゼットの背の高いスペースをデッドスペースにしない工夫なのです。なのですが、今では物置ではなく、お子さんのよい遊び場となっている模様(笑)
リビング部分はモルタルフロアとは対照的に暖かみのある無垢材のフローリングを贅沢に使用。このコントラストも特徴なのです。

玄関その他もインダストリアルと使い勝手の良さが同居

広々とした玄関は、元の玄関スペースに比べ倍近くの広さにまで拡張したもの。2人分のお子さん+ご夫婦の大量の靴の置き場として可動式の棚がセットされているのも参考にしたいポイントです。

玄関エリアはリノベ前よりスペースを拡大し、モルタルフロアに変更。加えて玄関からの動線も玄関との段差はあるものの、モルタルの廊下とすることでインダストリアル感を演出しています。特に拡張した玄関エリアはドライなイメージの見た目と使い勝手の良さを両立させたデザインが秀逸です。更に脱衣場+お風呂部分もリノベ前に比べ拡張させています。使い易さとデザインの良さのメリハリが効いた設計となっています。

玄関を上がってすぐの動線となるモルタルの廊下。向かって右がLDK。左が脱衣場&風呂となります。
洗濯をしやすいように、加えてお子さん2人ということで脱衣場を広く使えるように拡張させています。使い易さや安全性を考慮してここはあえて既存の設備を使ったプレーンなデザインとなっています。

間取り数は変えずにLDKや玄関を拡張

Before

以前の間取りは玄関からの廊下部分とキッチン部分が仕切られていたため、実際の面積よりもそれぞれの部屋が狭く、圧迫感を感じる印象だったようです。加えてトイレが2つの洋間の間にあるという少し変わった間取りでした。

After

リノベ後は、まず玄関部分を拡張。そしてトイレを風呂側に移設し、動線となる廊下部分をオフセット。加えてキッチンを仕切っていた壁とリビングに向かう廊下部分を全てつぶして一つのLDK空間に。更に2間ある洋間(子供部屋)もスペースを削ってよりシンプルで使い易く、広く感じられる間取りに変更しています。

LDK空間演出を重視したメリハリのあるインダストリアルがファミリーにピッタリ!

さて、お子さんが2人いるご家庭という条件で「インダストリアル」を上手に取り入れた施工例、いかがでした? 同じような環境でリノベーションをお考えの方々には大変に参考になる作例だったのではないでしょうか? 

インテリアや空間演出というものは、徹頭徹尾こだわり出すとどうしても個人の趣味趣向が強くなり過ぎてしまうもの。それは独身の方や子供の居ない若い夫婦ならばライフスタイルとして楽しめるかもしれません。逆にお子さんができたら、どうしてもライフスタイルというよりも「生活」という部分が中心になってしまうのも否めません。でも、その両方を上手に楽しめるとしたらこんなに幸せな事はありませんよね。

子供を育てる「生活」にも潤いができるし、独身時代同様、スタイルにもこだわれる。そんな理想的な「家族」のあり方を実現してくれる家作りが沢山詰まったMさん宅でした。それはもちろん「人」に密接してその人の個性を「生活」としてデザインするhowzlifeの信念が表現されたお宅でもあるのでしょうね。

◆所在地:東京都世田谷区
◆構造:マンション
◆築年数:1994年(築22年)
◆占有面積:74.5㎡
◆リノベーション工事面積:74.5㎡
◆リノベーション価格:880万円
◆間取り:施工前=3LDK 施工後=3LDK


Text:藤川経雄
Photo:塩谷佳史
Movie:小久保直宣(LIMIA編集部)

設計・施工:howzlife(株式会社ハウズライフ)

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☆howzlifeのリノベーション☆

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