6年間キレイに使うには?土屋鞄製造所に聞く、ランドセルのお手入れ方法
1年生で入学したころは、誰もがピカピカのランドセル。でも、学年が上がるごとに、あれ? くたびれているランドセルとピカピカのランドセルの差が少しずつはっきり……。せっかく6年間使うランドセルだからこそ、折に触れて手入れをし、大切に使えたら素敵ですよね。では、長くキレイに使うために、知っておきたいお手入れ方法とはなんでしょうか。ランドセルで人気の〔土屋鞄製造所〕さんにお話を聞いてみました。
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職人さんが丁寧につくる〔土屋鞄製造所〕のランドセル
「職人さんがひとつひとつ丁寧につくるランドセル」として知られる、〔土屋鞄製造所〕のランドセル。飽きのこないシンプルなデザインに自然界をモチーフにしたナチュラルで深みのあるカラーは、長く使えるランドセルとして高い人気を誇ります。今回は、そんな〔土屋鞄製造所〕の伊藤さんに「ランドセルのお手入れ」についてお話を伺いました。
ランドセルの置き場は? 日常的なお手入れは? 普段から知っておきたいこと
まずお聞きしたのは、普段から心がけておきたい、きれいに使うためのコツ。ランドセルの置き場所、普段のお手入れ方法、クリームなどは塗ったほうがいいのか……気になることがいっぱいですが、意外にもほとんどのランドセルには「特別なお手入れは必要ない」のだそう。
「保管は特別な場所を用意する必要はなく『湿気がありすぎない場所』くらいの感覚で考えてもらうと良いかと思います。お子さんのお部屋や棚の上などでしょうか。フックなどに掛けていただくか、背に当たる部分を下にして、置いて収納するのでもいいです。また、ランドセルは基本的に防水加工もされていますので、特別にお手入れをしてもらう必要はないんですよ」(伊藤さん)
〔土屋鞄製造所〕に限らず、多くのランドセルはしっかりと防水加工されていて、ランドセルの一般的な素材である人工皮革では、クリームを塗るなどの特別なお手入れは必要ないのだそうです。むしろ、防水加工のためクリームをはじくのだとか。ちょっとした汚れも、軽く水拭きをしたり乾いた布でから拭きをするだけで取れることが多いそう。
ただ、ヌメ革ランドセルなど特別な素材のランドセルは特別なお手入れが必要となるので、販売店で詳細を確認してみてくださいね。
気になる! ランドセルカバーは必要なの?
そしてもうひとつの気になるところ「ランドセルカバーはかけるべきなのか?」についてもお聞きしてみました。
「カバーをかけておくと汚れが防げたり、角が擦れるのを防げたりというメリットはありますが、ずっとかけっぱなしというのも、実は湿気がこもってしまって革にとってはよくないんですよ。汚れが気になる場合『普段はカバーをかけておいて長期休みのときだけは外す』など時々お休みさせてあげるといいと思います。また、防水加工されていますが、強い雨の日はカバーをかけて使うことをおすすめします」(伊藤さん)
傷や汚れがつくことを避けてずっとカバーをつけっぱなし……というご家庭も実は多いのでは? ちなみに、雨の日カバーについては「水が吹き込んで教科書が濡れることがあるので、使ったほうがいい」とのこと。そして、濡れてしまったときはそのままにせず、早めに水分を拭き取ってあげるといいそうですよ。
汚れてしまったとき、壊れてしまったときはどうすればいいの?
さて、ここまでで日常のお手入れはほとんど必要ない……ということが分かりましたが、では、大きな傷や汚れがついてしまったときや、故障してしまったときはどうしたらいいのでしょうか?
まず、ついたばかりの汚れなら、水拭き→から拭きという順番でお手入れするだけで取れることが多いそう(これも防水加工のたまものだそうです)。そして、油性ペンや絵の具など落ちにくい汚れがついてしまったときには、こんな革用のクリーナーを使うと落ちやすいとのこと。
使い方は、まずはやわらかい乾いた布で表面を拭き、その後、クリーナーを布にとって、優しく拭くだけ。クリーナーが自宅に一本あると汚れてしまっても安心なので、ランドセルと一緒に買っておいてもいいですね。
「もし、なかなか落ちなさそうな汚れがついてしまったら、店舗に持ち込んでいただくことをおすすめします。無理に落とそうとして広がってしまうこともあります。また、金具が歪んだり手縫いの箇所がほつれてきたり……という理由で修理に出される方もいますので、もし何かあれば気軽にお問い合わせください。修理中には別のランドセルも貸出可能です」(伊藤さん)
まとめとして――「大切に使う心」を育もう
以上、ランドセルをきれいに使う方法についてご紹介しました。結論としては、特別なお手入れをするというよりは普段から大事に扱う、やんちゃな子はランドセルカバーを使ってキズ予防する、大きなキズや汚れがついてしまったら早めに対処する……といった付き合い方をするのが、きれいに使うためには良さそうです。
また、普段のお手入れと同時に、子供に「ものを大切に使う」習慣を教えることも大切。遊ぶ前にはきちんとランドセルを置く、濡れたら拭く、丁寧に扱う。普段からそんな習慣が身につくよう、声かけしたいですね。
●写真、文 下川尚子
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