
【専門家監修】火災保険の一部保険ってどんな契約?超過保険とどう違う?
火災保険は災害で大きな損害が生じた場合に頼りになるものですから、いざという時に希望する補償が受けられるように契約しておきたいものですね。火災保険の契約では、「一部保険」や「超過保険」といった言葉を聞くこともあります。火災保険では契約状況によっては思っていたよりも少ない額の補償しか受けられないこともありますから、火災保険契約の「一部保険」、「超過保険」の意味を知り、適切な補償が受けられる火災保険の契約を行えるようにしておきましょう。
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火災保険の一部保険とはどんな契約?
火災保険の一部保険とは、保険金額を建物の新価よりも低い価格に設定する契約です。
●新価とは?
新価とは、同等の建物を新たに建築または購入するために必要な金額のことです。例えば、新価が3,000万円の住宅に1,500万円の保険金額を設定するような契約を一部保険と呼びます。
一部保険のメリットは?
一部保険のメリットは、保険料の支払いが安くなることです。損害が起こった場合に補償される保険金額を建物の価値よりも低い額に設定しているため、その分、支払うべき保険料も安く済みます。デメリットとしては、補償額が住宅を再建するほど十分な額が支払われないことが挙げられます。一部保険には、保険料が安く抑えることができるけれども、損害に対する補償額もそこそこといった特徴があります。
注意したいのは、知らないうちに一部保険になってしまっている場合
一部保険は損害の全額を補償されない契約であるため推奨される契約ではありませんが、一部保険のメリットとデメリットを知ったうえで一部保険を選ぶなら問題はありません。しかし、なかには損害が起こった場合に十分に補償される保険金額をかけているつもりなのに一部保険になってしまっていることもあります。
例えば、「家を購入した際の住宅ローンの借り入れ時に火災保険に加入した場合」です。この時、「借り入れ額=保険金額」で火災保険に加入した時、建物の新価よりもその額が低い場合には一部保険になってしまうことも考えられます。また、この他にも増改築で建物価値が上がった場合にも一部保険になってしまうことがあります。
火災保険の超過保険とはどんな契約?一部保険とどう違う?
火災保険の超過保険とは、建物の新価以上の保険金額を設定する契約です。例えば、新価が3,000万円の建物に3,500万円の保険金額を設定するような契約になります。火災保険で支払われる補償は建物の新価が限度ですから、新価以上の金額部分は設定していたとしても補償されません。
上の例の場合だと、3,500万円の保険金額を設定していたとしても、支払われる保険金の限度額は3,000万円です。一般的に保険料は保険金額が高額なほど高くなります。超過保険の契約の場合には支払われもしない補償にまで保険料を払い込むことになり、お金を無駄にしてしまう契約だと言えるでしょう。
こんな契約の場合には、超過保険になっているかもしれません
新たに火災保険契約をする場合には、保険会社の人がアドバイスしてくれるため超過保険になる可能性は少ないです。しかし、加入している火災保険が古いもので、建物の評価が「時価評価」になっている場合には超過保険になっていることもあります。
例えば、加入時に時価で3,000万円と評価された建物に同額の3,000万円の保険金額を設定する火災保険契約をした場合などです。建物に時価評価で3,000万円の価値があるうちは、建物の価値と保険金額が同額ですから問題はありません。
しかし、建物は年数を重ねれば重ねるほど経年劣化で建物の時価は下がります。やがて建物の価値である時価と保険金額との間に差額が生じる事態が起こります。この時、建物の価値よりも保険金額が高くなる超過保険の状態となってしまうのです。
自宅の火災保険が一部保険・超過保険になっていないかを確認するには
自宅の火災保険の契約が一部保険や超過保険になっていないかを確認する最も良い方法は、直接契約している保険会社に問い合わせてみることです。
火災保険の契約は契約書を見てみても、どのような契約になっているのかがわかりにくいことも多いです。また、建物の評価方法が新価ではなく時価評価になっている場合には、超過保険になっているのかもわかりにくかったりもします。
直接契約している保険会社に問い合わせてみれば契約の状態を早く確認できますし、万一、一部保険や超過保険の状態になっていたとしてもその場で契約内容の変更の相談もできます。時間の節約にもなりますから、ぜひ、直接保険会社に問い合わせてみてくださいね。
自宅に合った火災保険を探すには、一部保険?
今現在加入している火災保険に不満があったり、新たに別の火災保険に加入しようかと思案していたりするなら、さまざまな保険会社の保険を取り扱っている保険の相談ができるお店を活用してみると良いでしょう。
これら各社の保険を取り扱っているお店なら、自宅の状況に合った保険を紹介してもらえます。また、そのお店のなかで他の保険会社の保険に関しても、一度に比較検討することもできるので便利です。
保険の相談ができるお店には、保険会社が自社の保険商品を紹介するために開いているところもあります。しかし、こういったお店の場合には、当然ですがその保険会社で扱っている保険商品だけを紹介するのです。
保険を契約する立場としては、できるだけたくさんの保険を比較したうえで最適なものを選びたいところです。保険の相談というと敷居が高く感じられることもありますが、相談したら必ず契約しなくてはならないといったことはありません。まずは保険の相談に行ってみるのをお勧めします。
自宅に最適な補償を選んで、無駄のない火災保険を
火災保険には、一部契約や超過契約といった状態になっているものもあります。一部契約で良いと納得して一部契約にしているのであれば問題はありませんが、そうではないなら早急に契約の変更をしておきましょう。
また、超過保険については契約者にとっては何の得もありません。超過保険であることに気づいたら、適正なものに変更するようにしましょう。
火災保険は、住宅を購入したら加入しておきたい保険のひとつです。保険料もそれなりにかかる保険ですから、自宅に最適な補償を選び契約しておきましょう。
このアイデアの監修者
清水みちよ
学生時代にアジア滞在中、現地で感染症を患い生死をさまよう。奇跡的に生還するも保険の大切さを痛感し、卒業後は保険の代理店窓口等で働く。趣味は懲りずにアジアの発展途上国を訪れて刺激をもらうこと。犬好きのアラフォー女子。
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