京都の一棟貸しの宿に泊まりたい! 町家リノベの宿、その魅力。
国内外を問わず、観光客から絶大な人気を誇る京都。歴史ある街を堪能したいのなら、日本的な宿に泊まりたい。デザイン事務所のインフィクスによる、町家をリノベーションした一棟貸しの宿「つき草庵」の魅力に迫ります。
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京町家をリノベーションした、一棟貸しの宿
ここ数年、京都で劇的に増えている、町家をリノベーションした宿。外国人観光客の増加に伴い、行政側でも町家を活用しようと規制緩和を進めているという背景も関係しているそう。宿泊先にも日本情緒を求める観光客で、連日のように町家の宿は賑わっている。
2015年9月15日、一棟貸しの宿「つき草庵」がオープンした。ターゲットにしているのは、主に外国人旅行者。ベッドルームやダイニング、簡易キッチンが備えられており、京都に暮らすように泊まることができる。
町家のリノベーションを手がけたのは、大阪を拠点に空間デザインを手がけるインフィクス(infix)。インフィクスのデザインコンセプトは、「その場所にしかしない空気感を表現し、『場』のもつ力を発揮させる」こと。「つき草庵」でもその精神が発揮されている。
花街らしい艶っぽさの漂う町家に泊まる
「つき草庵」があるのは、宮川町というエリア。現在、京都にある、祇園甲部、宮川町、先斗町、上七軒、祇園東の5つの花街の中のひとつで、建仁寺や八坂神社にもほど近い利便性の高いロケーションだ。かつて芸者が住まいとしていた町家をリノベーション。花街文化特有の”艶っぽさ”のある空気感を目指した。
宿泊施設運営を手がけるAJ INTERBRIDGE(http://aj-itb.com/)が町家の宿が増えている中で差別化を図るためにも「クオリティの高い町家リノベーションにしたい」とインフィクスにリノベーション設計を依頼した。
単純に内装をきれいにするのではなく、伝統的な町家の意匠や風情を残した上で快適さをプラス。床暖房を入れたり、構造を一部補強するなど、心地よく過ごすための機能が新たにもたらされている。
町家の魅力を素直に引き出す空間デザイン
インフィクスとして重視したのは、新旧の調和。たとえば、ダイニングの床。新しいフローリングに張り替えているが、塗装はせずにあえて白木のままにした。よくある町家リノベでは、木材に古く見えるような塗装を施したり、わざと古びた仕上げをすることが多いそう。でも、どうしてもニセモノの雰囲気が出てしまう。余分なことはせず、新しいものと古いものが馴染むように全体のバランスをとりながらデザインを行った。
光を取り入れ、1日の移り変わりを感じさせる
リノベーションするにあたりインフィクスが特に気を配ったのが、光の取り入れ方だという。1日の時間の移ろいを光で演出するため、階段の上部に明かり取りの開口部を設置。加えて、ベッドルームや和室などの各部屋は天井の照明は外して、スタンド照明や間接照明を用いることで、情緒あふれるライティングを実現した。
京都の風情に合う家具や照明をレイアウト
リビング・ダイニングでは、町家のしっとりとした雰囲気に合う家具をセレクト。外国から来た観光客が1週間、心地よく過ごせるよう、ダイニングテーブルやベッドをあえて取り入れている。その分、京都らしい建物や設えと家具がマッチするように色合いや素材感を整えた。
町家の魅力でもある古さはできるだけ残し、快適に過ごすための新しい機能をデザインの力で馴染ませる。新旧が違和感なく混ざり合っているからこそ、心地よく過ごせる空間が生まれた。
「つき草庵」は長期滞在を踏まえた宿。1週間、京都の町家に住み、京都の魅力を味わい尽くす。京暮らしへの憧れを「つき草庵」で叶えてみては?
【施設概要】
『 つき草庵 』
京都市東山区宮川町西御門町440-8
http://www.booking.com/hotel/jp/tsukikusa-an.ja.htm
l◆最大宿泊者数/6名1F:39.14㎡ 2F:30.38㎡ 計69.52㎡(庭8.46㎡除く)
◆平均価格/一泊 ¥27,000〜(2名様料金)
※時期により価格に変動がございます。
◆運営/株式会社エイジェーインターブリッジ
http://aj-itb.com/
◆撮影/下村康典◆取材・文/山本奈奈(LIMIA編集部)
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