地震保険の請求期限、確認していますか? 請求漏れで注意したいこと
地震保険は地震や地震による火災・津波などの被害を補償してくれます。以前から加入している人が多い火災保険に比べ、東日本大震災の前は地震保険への加入率は低かったです。しかし震災以降、地震保険に関心を持つ人が徐々に増えました。ですが、地震保険について正確に認識している人はまだまだ少ないのではないでしょうか。いざ地震が起きて、建物や家財が被害を受けたとき、保険金がどのように支払われるのか、またいくら支払われるのか把握していますか?保険金を受け取るにはご自身で請求しなければいけませんが、これには請求期限があります。この期限を過ぎてしまうと、保険金を受け取れなくなる恐れがあります。そのような事態を避けるために、今回は地震保険の請求期限についてご説明します。
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地震保険に加入しているのか確認しよう! 地震保険と請求期限
地震保険の保険金をもらうにはご自分で請求しなければいけません。ですがそもそも、自分が地震保険に加入しているのかどうか、もしくは加入しているけど加入先がわからない、という場合があるかもしれません。
加入先がわかっている方は、加入している損害保険会社に問い合わせれば確認することができます。加入先自体がわからない方は、日本損害保険協会の「地震保険契約会社照会センター」に問い合わせることで確認できます。
加入状況や加入先だけでなく、保険証券を紛失してしまった場合でも確認できますので、わからなくて困った場合は、まずこちらに問い合わせましょう。
ただし、問い合わせができるのは契約者か親族のみなので注意が必要です。
身分を証明する書類がないとき
地震による被害で身分証明書などをなくしてしまうこともあるかもしれません。身分証がなければ、保険金の請求ができないのでは……と思ってしまうかもしれませんが、焦る必要はありません。
この場合、契約者本人だということが確認できれば、保険金を請求することができます。身分を証明する書類を紛失した場合は、すぐに加入先の保険会社に連絡しましょう。
地震保険の保険金をチェック! 請求期限についても後述
続いて、地震保険の保険金はいくら支払われるのかご紹介します。地震保険は4つの認定区分に分かれていて、その基準によって支払われる保険金の割合が異なるので、その損害状況の基準についても触れていきます。
【全損】
[支払われる保険金]
地震保険金額の100%(ただし、※時価が限度)
[損害の状況]
建物:基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の50%以上
焼失・流失した部分の床面積が建物の延床面積の70%以上
家財:家財の損害額が家財の時価の80%以上
【大半損】
[支払われる保険金]
地震保険金額の60%(ただし、時価の60%が限度)
[損害の状況]
建物:基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の40%以上50%未満
焼失・流失した部分の床面積が建物の延床面積の50%以上70%未満
家財:家財の損害額が家財の時価の50%以上70%未満
【小半損】
[支払われる保険金]
地震保険金額の30%(ただし、時価の30%が限度)
[損害の状況]
建物:基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の20%以上40%未満
焼失・流失した部分の床面積が建物の延床面積の20%以上50%未満
家財:家財の損害額が家財の時価の30%以上60%未満
【一部損】
[支払われる保険金]
地震保険金額の5%(ただし、時価の5%が限度)
[損害状況]
建物:基礎・柱・屋根などの損害額が建物の時価の3%以上20%未満
全損・大半損・小半損に至らない建物が床上浸水(または地盤面から45センチを超える浸水)
家財:家財の損害額が家財の時価の10%以上30%未満
※時価とは、再調達するのに必要な金額から、使用や経過年数によって消耗した分を差し引いたものです。
地震保険の保険金の請求期限はいつまで?
地震保険の保険金の請求には期限があります。この請求期限は保険法で3年と定められており、3年を過ぎると時効となります。
ただし、これはあくまでも保険法によって定められている期間です。保険会社によっては、この期間よりも短く設定されている場合があるので注意が必要です。自分が加入している保険会社に確認するか、約款をしっかり読んで把握しておきましょう。地震による被害などがあった場合は、すぐに保険会社に連絡しておくことをおすすめします。
目に見えない被害もあるかもしれない
地震による液状化現象の被害で建物が微妙に傾いてしまったが、自分では気付かなかったということもあるかもしれません。ほかにもぱっと見ただけではわかりませんが、微妙に外壁に亀裂が入っていた、などの損害もあります。こういった被害は、保険金の申請をしたときに一部損として見なされるかもしれません。
地震保険の損害は72時間以内であれば1回とカウントされますし、一度請求したからといって次に二度と請求できないわけではありません。
ただし、むやみに請求するのは控えたほうがいいでしょう。被災したときには建物に損傷がないか、一度プロの業者さんに見てもらってから請求することをおすすめします。
請求期限切れ以外で地震保険を受け取れないケース
そのほかにも保険金を受け取れないケースがいくつか存在しますので、ご紹介します。
●故意や重大な過失、法令違反による損害
●地震等の際の紛失または盗難
●戦争や外国の武力行使、革命などの事変または暴動による損害
●核燃料物質もしくは核燃料物質によって汚染された物の放射性、爆発性などの特性による事故
●地震が発生した日の翌日から10日経った後に生じた損害
また、次のような事例も考えられます。
【建物も庭にも損害を受けた】
地震によって建物だけでなく、庭が地割れしてしまったり、ブロック塀が壊れてしまったりすることもあります。
この場合、建物は地震保険の対象ですが、庭は建物や家財に該当しないので補償されません。
【地震によって車が損傷した】
地震による被害であっても、車は補償の対象外です。火災保険でも補償されませんので注意してください。
【有価証券が津波で流されてしまった】
こちらも保険の対象外です。そのほか、1個または1組の価格が30万円を超える貴金属や宝石なども地震保険の補償の対象外です。
地震保険の請求期限に注意して、地震保険をフル活用しよう
地震保険の請求期限についてご説明しました。もしかするとご自分も請求漏れがあったことに気づいた、なんてこともあるかもしれませんね。せっかく保険料を支払って加入している地震保険ですから、万が一のときこそしっかり保険金を受け取りたいものです。
何かあったときのためにとりあえず加入しているという方は、被災したときにいつ保険金の請求をしなければいけないのか、いくら受け取れるのかあまり把握していないのではないでしょうか。
請求期限が切れてしまっては保険金を請求できなくなってしまうので、必ず加入先の保険会社に確認したり、契約時の約款をよく読んだりして確認しておきましょう。
地震保険は被災後、残っている住宅ローンの返済や仮住まい費用などの生活資金をカバーしてくれるものです。地震保険をうまく活用するために、今いちど地震保険の仕組みについて確認しておくことをおすすめします。
■プロフィール
川添典子
元ハウスメーカーの営業職として、5年間勤務。前職の経験を生かして、暮らしやお金、不動産に関するライターとして役立つ知識をお届けしています。
得意分野は、不動産・住宅ローン・税金・住宅に関することです。
ファイナンシャルプランナー2級と住宅ローンアドバイザーの資格を保有。
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