【専門家監修】火災保険に免責金額を設定して保険料を安くする方法!免責金額の決め方は?

火災保険にも免責金額が設定できることをご存じでしょうか。火災保険では、保険金がおりる損害について自己負担分をあらかじめ設定しておくことで保険料を節約することが可能です。しかし、万が一のときに十分に必要な補償が受けられなければ意味がありませんので、よく考えて免責の金額や対象を決めていくことが大切です。今回は、免責金額の決め方やメリット、免責以外の方法で保険料を安くする方法について解説していきます。

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この記事の監修者

清水みちよ
学生時代にアジア滞在中、現地で感染症を患い生死をさまよう。奇跡的に生還するも保険の大切さを痛感し、卒業後は保険の代理店窓口等で働く。趣味は懲りずにアジアの発展途上国を訪れて刺激をもらうこと。犬好きのアラフォー女子。

火災保険の免責金額とは?

火災保険の免責金額とは、災害や事故などで保険がおりるときに自己負担する金額のことです。一般的に、火災保険の免責金額は免責なし〜10万円、場合によっては20万円程度までで設定することができます。

免責金額を設定すると、

●受け取れる保険金の金額=損害の額ー免責金額

となり1回の災害や事故ごとに適用されます。

例えば免責金額を3万円に設定したとしましょう。このとき、保険金がおりるような災害などで10万円の損害が発生したとすると、自己負担の3万円を引いた7万円の保険金が保険会社からもらえます。もし損害額が100万円ならもらえる保険料は97万円です。

小さい額の損害については自分で支払い、自分自身で払いきれない大きな額の損害については保険会社にカバーしてもらうので、本来の保険の意味合いとしても理にかなった仕組みです。

火災保険での免責の対象

一般的に、火災保険で免責金額を設定できるのは、風災、雹災、雪災などです。これらは「免責なし、3千円、5千円、1万円、3万円、5万円、10万円」といったように、設定できる免責金額が数千円から数万円単位で決められていることが多いです。

他にも、基本補償に免責がつけられる保険や、すべてに一括で免責金額を設定したりそれぞれの補償によって個別に設定したりと色々な商品があります。全焼などのときには免責金額に関係なく保険金額をそのまま支払われることも多いです。

また、近年では、自分の好きにカスタマイズできる保険も増えてきており、災害リスクによって免責対象を細かく決めていけるのが良いですね。

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火災保険に免責金額を設定するメリット

免責金額を設定すると、自己負担の分だけもらえる保険金の額が少なくなるので損するのではないかと思いますよね。しかし、免責金額をあらかじめ設定しておくと、支払う保険料を安く抑えることができるというメリットがあります。

保険会社としては免責金額を設定してもらうことで支払う保険金の額が減ります。また自己負担内の損害については請求されないため、その分の手間や人件費を抑えることができるので、保険料が安くなるのです。

どのくらい保険料を抑えることができる?

保険会社によって免責金額をつけることで抑えられる保険料の額は変わってきますが、基本補償に免責金額を10万円つけると年間5千円できるといったような感覚です。

もし1年間に5000円の保険料を抑えられるとして、それを10年続ければ5万円です。

その10年間で保険請求することがあれば、10万円までは自己負担ではありますが、10年間で1度も保険請求するような災害や事故などがなければ5万円節約することができますよね。保険請求するリスクが低い災害や、万が一のときに自分で払える額によって免責金額を設定しましょう。

免責金額を設定するときに気をつけること

免責金額の設定では保険料を抑えられますが、設定するときにはよく考えて決めましょう。気をつけておきたいのは、

・自分が支払い可能な額で免責金額を設定すること
・災害リスクをよく考えて免責金額を設定すること

の2点です。

火災保険で補償される災害や事故は頻繁に起きることではないとは思いますが、いつ起きるか分からないものです。運が悪ければ何度も身に降りかかることもあります。

例えば、自己負担分を支払えるような十分な貯金がなければいざというときに困ってしまいますよね。場合によっては年に数回保険請求するような災害や事故に遭うといったことも考えられます。

災害リスクと自己資金から、よく考えて無理のない範囲で免責金額を設定しましょう。

免責金額の設定以外で火災保険料を安くする方法

免責金額を設定することで保険料を抑えられますが、何でも免責金額を設定すれば良いというものではありません。火災保険料は他にも色々と安くする方法がありますので、うまく使って保険料を節約していきましょう。

各社見積もりをとって比較する

火災保険には相場というものが存在せず、細かな条件や保険会社によって大きく保険料が異なってきます。色々な保険会社で見積もりをとって比較してみることがまず大切です。

このとき、1社1社個別に見積もりを請求するのは大変なので、ぜひインターネットなどの火災保険一括見積もり請求サービスを利用してみましょう。

自分の家の構造や補償や特約を入力することで、最短即日〜数日程度で数社〜十数社の見積もりをとることができます。各社の補償内容や保険料を比べることで安い保険を選ぶことが可能です。

不要な補償を外す

必要のない補償や特約を外すことで保険料を削減できます。

例えば、マンションの上層階や高台であれば床上浸水などのリスクは低いですし、豪雨や豪雪のリスクも住んでいる地域によってまったく異なってきます。自分の加入している保険、これから加入しようとしている保険について無駄な補償はないかチェックしておきましょう。

また、火災保険の対象となっている災害に関するリスクは年々変わっていくものです。
火災保険は長期にわたって契約していることが多いので、加入から時間が経っている場合は特に加入当初とは災害リスクが変化していることがあります。国や地方自治体などによる災害対策は年々進んでいます。ハザードマップなどで定期的にお住まいの地域の災害リスクを確認し、補償内容を考えてみてください。

長期契約にする

火災保険では、最長10年までの長期契約が可能です。保険期間を長くすればするほど保険料は安くなるので、1年契約にして毎年更新するよりも10年契約にした方がトータルで支払う保険料は抑えられます。

しかし、長期契約にしたからといって満期まで放っておくのはおすすめできません。家の状況によって保険金額も変わってきますし、必要な補償内容も変わってきます。また、他の保険会社から新たに良い火災保険がでてくることも考えられます。長期契約にしても定期的に保険の見直しは行いましょう。

長期契約にしたからといって途中解約できないわけではありません。いつでも解約できますし、一括で保険料を支払っていても、残りの契約期間の分は解約返戻金としてちゃんと計算されて戻ってきます。

免責金額の設定は災害リスクや自己資金との兼ね合いが大事!

火災保険は免責金額を設定することで保険料を抑えることができます。メリットも大きい免責金額の設定ですが、災害リスクや自己資金とのバランスをよく考えて決めていきましょう。

火災保険料はいったん加入すると放置しがちですが、色々な視点から見直すことで保険料を節約することが可能です。ぜひ、定期的に見直しを行ってみてください。

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