太陽光発電の発電量は地域によって変化するって本当?実際にどれくらい異なるの?

太陽光発電の導入を検討している方なら、1度は「この地域は太陽光発電に適しているのだろうか」という疑問を持つかもしれません。確かに日本は南北に長く地形も複雑なため、発電量に地域差が生じるのではないかと思うことも不思議ではないでしょう。そこで今回は、国内各地における実際の発電量について見ていきましょう。ご自宅のある地域が太陽光発電に向いているか知りたい方は、ぜひご参考にしてください。

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太陽光発電の地域による発電量の違い

日本国内で太陽光発電を行う場合、設置する地域によって発電量に違いはあるのでしょうか。これについては「違いは確かにある」と明言できます。そう聞くと、「ウチは冬には寒くなって雪も降るから、太陽光発電には向いていないのか……」と思ってしまう方もいるかもしれません。

しかし、各地の発電量には気温や日射量だけでなく、さまざまな多くの条件が影響していますから「寒いから多くの発電量は見込めない」「雪が降るから太陽光発電をするには不利」とは言い切れないのです。

また、季節ごとの気候特性によっても発電状況は変わります。冬にあまり発電量が多くならない地域でも夏場に好条件が整うことで、年間発電量で考えるとかなり満足の行く数値が得られる場合もあるでしょう。次の項目では、太陽光発電における国内の地域別発電量に関する、意外なデータについてもう少し詳しくご紹介します。

南にある温暖な地域ほど発電量が多いとは限らない

「寒い地域や日差しの弱い地域は太陽光発電に向いていない」とは一概に言い切れない事情があることは、前の項目で少しご紹介しました。意外ですが同様の理由で、「南に位置する温暖な地域ほど太陽光発電に適している」とも言えないのです。

たとえば、温暖な気候で知られ太陽光発電でも有利に思える九州の宮崎県における1kWあたりの平均年間発電量は1,337kWhとなっています。しかし、年間を通して寒暖差が大きく冬は特に寒いイメージの強い長野県で同様に1kWあたりの平均年間発電量を測定した結果、1,427kWhと宮崎県よりも多くの発電量が得られることがわかっているのです。

この事例からは、各地の発電量は日射量や平均気温などの条件だけで決まってくるわけではないことがわかります。晴れの日数による日照時間の違いや標高の違い、あるいはソーラーパネルが高温になりにくいことによる発電ロスの少なさなど、さまざまな地域特性が関係して発電量に違いが生じているわけですね。

また、都道府県別の発電量があらかたわかったからと言って、各ご家庭でもそれと変わらない数値の発電量が確保できるとは限りません。ソーラーパネルを設置できる方角や角度、障害物の有無などの特定条件も発電量に影響することがあるからです。また、事業用などで大規模な太陽光発電を検討している方なら、発電量以前に広大な土地を比較的容易に手に入れられる地域でなければならないという事情もあるかもしれませんね。

結論として「日本中どこでも発電は可能」!

太陽光発電に最適なのでは? と思っていた地域も実際の発電量は想像より少なかったり、漠然と太陽光発電に不利なイメージを持っていた地域がトップクラスの発電量を計測していたりする事例があるとわかりました。実際のところ、日本国内には太陽光発電にまったく適さない地域はあまりないようです。

たとえば、雪が多く降る北海道では冬の間こそ発電量を増やすことが難しいのですが、梅雨がないため夏至前後の最も日照時間の長い時期に潤沢な発電量を確保できます。そのため、年間の発電量を考えるとかなり太陽光発電向きの地域であることがわかるのです。

また、暖かく安定した発電量が見込めそうな長崎県ですが、梅雨から夏にかけての時期に長雨が続きがちになる特徴があります。そのため、年間の発電量は特別多いとは言えなくなってしまうものの、それでも標準よりは少し上のレベルに落ち着いています。

このように、日本には四季があり季節ごとに発電条件も異なってくるため、長期的な視点で見ればどんな地域でも比較的安定した発電量の確保が可能と考えて良いでしょう。むしろ地域的な条件よりも、設置する場所の日照条件や設置角度・方位などによって発電効率が変化することへの配慮が、各ご家庭での発電量に大きくかかわると言えそうです。

まとめ

こちらの記事では、太陽光発電における地域別の発電量の違いについてご紹介しました。地域別の発電量のデータはあくまで目安であり、実際にはソーラーパネルを設置する場所の立地条件やパネルのメーカーや性能などにも発電量は影響を受けます。

基本的には、国内どこでも採算が取れるレベルで発電量の確保が可能と考えられていますから、これから太陽光発電の導入を検討しているなら、設置場所や設置可能なパネルの発電容量、あるいは設置方法などで発電量の確保を考えていくと良いでしょう。

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