マンションの売却価格の内訳を知りたい。土地と建物の割合はどうなっているの?

マンションを売却する際、販売広告上に販売価格は記載されますが、土地と建物がそれぞれどのくらいの割合で価格が設定されているのかに関する記載はありません。土地の割合が高い方が、売却する方は結果的に得をします。なぜなら土地は非課税なので、納める消費税の金額を低くできるためです。今回は、マンションを売却したときの価格で土地と建物が占める、それぞれの割合についてご説明します。

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マンションにも土地の持ち分がある

そもそも、マンションに土地の持ち分があることをご存じでしょうか?一戸建て住宅では、建物が古くなって価値がなくなっても土地は残ります。ですから更地になっても、土地だけを売ることができます。

それに対しマンションの場合は土地の持ち分がまったくないと思っている人も意外に多いのですが、実はマンションの価格にも土地の持ち分はあります。マンションの所有者は、土地に対する権利も有しています。それは「敷地権」と呼ばれ、法律において「建物と土地は一体のもの」とみなす考え方に基づいています。

しかし、あくまで持ち分としての価格が付帯してくるだけですから「ここからここまでは私の土地です」といった具体的な線引きはできません。土地全体をマンション所有者全員で共有するという扱いになるため、土地を建物から離して売却することも当然できません。その点は、やはり一戸建て住宅の土地とは考え方が異なります。

マンションの売却価格の内訳とは

では、マンション売却のときに決まる売却価格はどのような内訳になっているのでしょうか。マンションごとに違いはありますが、マンションの売却価格には以下の費用が含まれています。

・土地代
・建物代
・消費税

このうち、土地には消費税がかかりません。この消費税は、建物の価格にのみ計上される金額となります。これは、一戸建て住宅もマンションも同じ条件です。

建物は使用し続けることで消費されるものと考えられ減価償却期間が設定されますが、土地は消費されるものではありません。そのため、非課税対象とされています。つまり、消費税から逆算することによって建物の価格が算出できるようになっています。計算式は以下のものを用いてください。

・消費税額÷(税率)8%=建物価格

非課税対象である土地は、既に税抜き価格が算出されていますから計算する必要はありません。たとえば、マンションの売却価格が4,000万円、消費税額が200万円の場合、先ほどの式に当てはめると

2,000,000円÷8%=25,000,000円

となりますから、建物代は2,500万円ということになります。

いっぽう土地代は売却価格から建物代と消費税額を引くことで出せますので、

(売却価格)40,000,000円-(建物代)25,000,000円-(消費税額)2,000,000円
=(土地代)13,000,000円

土地代は1,300万円であることがわかりました。この場合の売却価格の内訳は、以下の通りです。

・土地代:13,000,000円
・建物代:25,000,000円
・消費税:2,000,000円

売買契約書に消費税が記載されている場合は、この計算方法が主に用いられます。

マンション売却で発生する仲介手数料を計算する方法は?

マンションを売却するとき、不動産業者に仲介を依頼した場合には仲介手数料がかかります。仲介手数料は不動産業者によって設定が異なりますが、その上限額は法律で明確に定められています。基準となる価格は、マンションの成約価格(実際に売れた価格)です。

たとえば、売り出し価格を4,000万円にしていたのに、成約価格が3,500万円となった場合には、3,500万円を基準として仲介手数料が算出されます。

・税抜きの売却価格が2,000万円以下の場合:仲介手数料は5%+消費税となり、上限は5.4%以内
・税抜きの売却価格が2,000万円超で4,000万円以下の場合:仲介手数料は4%+消費税となり、上限は4.32%以内
・税抜きの売却価格が4,000万円超の場合:仲介手数料は3%+消費税となり、上限は3.24%以内

この3つの価格帯に基づき、仲介手数料の利率も「3つに分けて計算する」という方法がありますが、以下の簡単な計算式で仲介手数料を求める方法もあります。

・マンションの売却価格×3%+60,000円=仲介手数料

マンションの売却価格が4,000万円以下の場合には主に「3つの価格帯から計算する」方法で算出されます。しかし、4,000万円以下で売却される物件はかなり少ないのではないでしょうか。

ここでは、マンションの成約価格が4,000万円を超える場合にのみ当てはめることができる簡単な計算方法について詳しく説明しましょう。

マンション売却価格×3%+60,000円の「+60,000円」とは、以下の計算で求められる金額となります。

・2,000,000円以下の売却価格帯にかかる5%から3%を引いた、残りの2%を算出:2,000,000円×2%=40,000円
・2,000,000円超~4,000,000円以下の価格帯にかかる4%から3%を引いた、残りの1%を算出:2,000,000円×1%=20,000円

上記の2つの算出額を合計した金額が「60,000円」となります。

この方法で計算すると、売却価格3,500万円を基準にした仲介手数料の上限金額は以下の式で求められます。

(35,000,000円×3%+60,000円)+消費税8%=1,198,800円

売却価格3,500万円となった物件に設定する仲介手数料の上限額は1,198,800円となります。不動産会社が仲介手数料をこれより高く設定すれば、違法となってしまいます。

ちなみに、消費税の計算が含まれているより簡単な計算式もあります。

売却価格× 3.24%+64,800円
※それぞれ「3%」と「60,000円」に、8%の消費税(1.08)を掛けたものです。

35,000,000円×3.24%+64,800円=1,198,800円

この方法なら、より簡単に仲介手数料の上限額を算出できます。

まとめ

マンションを売却する際には非常に多くの手続きや交渉を経る必要がありますが、あらかじめ価格の内訳に関する知識を身につけておけば混乱することも少なくなるでしょう。マンション価格のうち土地がいくらで建物がいくらとされているか、また仲介手数料は適正に設定されているかなど、ご自分で計算してわかるようにしておくだけでもかなり心強いはずです。

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