
外壁はモルタルとサイディングのどちらがおすすめ?それぞれの特徴を比較
念願のマイホーム、機能性や安全性はもちろん、外観のデザイン性にもこだわりたいですよね。一般的に、住宅の外壁にはモルタルかサイディングが使用されますが、どちらがいいのでしょうか? 今回は、モルタルとサイディングの特徴を、品質面やデザイン性、価格面などで比較しました。
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耐久性はどちらが高い? 品質を比較
【モルタルはヒビが入りやすいが補修しやすい】
モルタルは、セメントに砂を混ぜたものをラス(網状金属)に塗って外壁にし、塗装します。地震や台風など、日本特有の自然災害に対する耐久性があり、断熱性や防音性にも優れていますが、クラック(ヒビ割れ)が入りやすいのが弱点です。
クラックを放っておくと水が入ってしまう可能性もあり、漏水リスクはモルタルのほうが高いといえるでしょう。しかし、モルタルは補修が簡単です。軽度のクラックなら、その部分だけを素早く補修できます。
【サイディングは安定しているが補修しづらい】
サイディングは、工場で成形したサイディングボードを外壁に並べて貼りつけ、ボードとボードの間にシーリング材(コーキング)を充填します。外壁通気工法を採用しているため空気のとおりがよく、品質も安定しているのが特徴です。
一方で、サイディングには、サイディングボードが割れたり反ったりしてしまう弱点もあります。サイディングボードは1枚の板なので、割れたり反ったりした場合は基本的に1枚丸ごと貼り替える必要があり、モルタルと比較すると、補修には少々手間がかかります。
【仕上げで耐久性を上げることが可能】
退色や紫外線などによる劣化の度合いは、モルタルとサイディングのどちらも仕上げのレベル次第です。寿命や防水性も、モルタルかサイディングかというよりも、仕上げの塗装の質によって違いが出てきます。そのため、耐久性の高い仕上げ塗料を選択することが、外壁の性能を高める1つのポイントになります。
個性が出しやすいのは? デザイン性を比較
【モルタルはオリジナル感が出せる】
モルタルは、職人さんがその場で手作業により塗っていくため、自由な形状のデザインが可能です。アーチを作ったり、模様をつけたり、タイルや石を貼ることもできます。塗料や仕上げ方も何とおりもあり、自分のイメージに合ったオリジナルの外壁に仕上げることが可能です。
モルタルの代表的なデザインを以下にいくつか挙げてみます。
・リシン
細かい砂を混ぜて吹きつける砂壁上の外壁で、ザラザラとした表面が特徴。比較的ローコストですが、メンテナンスに手間がかかります。
・スタッコ
表面が粗く凸凹が激しい外壁。手間と時間がかかりますが、高級感と重厚感を出せます。ただし、塗り替えの塗料が多く必要です。
・吹きつけタイル
表面がツルツルとした陶磁器調が特徴。塗り替え時の塗料も少なく済みます。
・ローラー仕上げ
テナントの壁面に使われることも多い外壁で、作業性と安定性が高い仕上げ方法です。使うローラーによってさまざまなテクスチャーが表現できます。
・左官仕上げ
職人さんが手作業で仕上げていく外壁。ハンドメイド風で、オシャレな独自のデザインを作ることも可能です。
【サイディングは手軽でデザインも豊富】
現在の主流であるサイディングは耐久性が上がり、タイル調のもの、レンガ調のものといったように、デザインも豊富になりました。しかし、直線的な加工しかできず、画一的なイメージがあるため、高級感やオリジナリティを求める方には物足りなく感じるかもしれません。
外壁のデザインを左右するサイディングボードの種類は以下のとおりです。
・窯業(ようぎょう)系
現在の主流で、デザイン的な選択肢が多いのが特徴。シンプルなものから本物の石や木を使っているように見えるものまでそろっており、比較的どんな外観にも合わせられます。
・金属系
軽量で、足場の組みにくいところやリフォームの際にも取り入れやすい建材です。金属らしいモダンな印象で洗練されたデザインから、レンガ調のデザインまで、デザインの種類も豊富にあります。
・木質系
自然木に処理や塗装を施した建材。木ならではの温かみが最大の特徴で和風建築とも相性がいいですが、他の種類に比べて耐久性が低いのはデメリットです。
・樹脂系
軽量で扱いやすい建材でありながら、劣化や退色に強い優れた耐候性を持つのが特徴。ただし、デザインの種類があまり豊富ではありません。
コスパがいいのはどっち? 価格を比較
一般的なモルタルとサイディングでは、長期的に見ても、価格面で大きな差はありません。しかし、サイディングボードの価格には大きな開きがあるので、安価なものを選べば、サイディングのほうがイニシャルコストは下げられるでしょう。
通常、サイディングボードは厚いものほど高価格です。しかし、厚みのあるほうが耐久性や防音効果も上がり、デザインもより本物らしく見えます。安価なサイディングボードを選ぶと、イニシャルコストは安く済んでも早く劣化が進む可能性は高く、維持管理費がかさむことは考慮に入れておきましょう。
また、サイディングの場合は特に、継ぎ目のコーキングの劣化やヒビ割れにも気を配ってください。一般的に、コーキングの寿命は塗料の寿命よりも短いからです。できるだけ耐久性の高いコーキングを選ぶと、メンテナンスがラクになり、ランニングコストも抑えられるでしょう。
モルタルの場合は、職人の手作業になるので、外観のデザインにこだわるほど手間がかかり、価格も高くなります。ただし、モルタルのよさを活かす、そして、モルタルの寿命を延ばすには、しっかりとした技術と経験があり、信頼できる左官職人に依頼することが肝要です。少々費用はかさんでも、技術力で選びましょう。
まとめ
今回は、モルタルとサイディング、それぞれの外壁の特徴をご紹介しましたが、いかがでしたか? デザインや価格はもちろんですが、居住地域の環境や機能性なども考慮したうえで、最適な外壁を選べるといいですね。モルタルとサイディングのいずれにしても、美しい状態を長く保てるように耐久性にも注目してみてください。
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