【2021年版】太陽光発電(ソーラーパネル)の価格から寿命、増設方法まで一挙紹介!

太陽光発電システムを導入すると決めたら、気になるのはどれくらいの費用がかかるのかということです。中でも、最も費用がかかるのがソーラーパネルです。しかし、せっかく高い費用をかけて導入してもソーラーパネルが劣化してしまい、満足いく電力を供給できないと意味がないですよね。今回はソーラーパネルの価格相場、寿命、増設方法まで徹底的にご紹介いたします。

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太陽光発電(ソーラーパネル)の設置費用と相場価格

太陽光発電システムを導入するには当然、設置費用がかかります。大きく分けると以下の3点です。

・ソーラーパネルやパワーコンディショナーなど太陽光発電に使用する部材代
・足場代などの工事代や人件費
・コーキング材などの諸経費

「お金がかかるのはわかるけど、目安はいくらなの?」と疑問に思う人もいるでしょう。導入費用を検討する際、1kW当たりの単価を示す「kW(キロワット)単価」が重要になってきます。

太陽光発電システムにかかる費用は、発電量に直接結びつく設置容量(kW数)が大きく関わります。kW数が大きければ、太陽光発電自体の価値は上がります。普段、買い物をする時は安くて良いもの、つまりお買い得商品を探しますよね。太陽光発電も同じ考え方で、仮に設置費用全体の価格が高くてもkW単価が安ければ「良い買い物をした」ことになります。

太陽光発電には「1kWあたり410,000円、500,000円」というひとつの基準があります。例えば、3.5kW の発電量を持つ太陽光発電システムを導入するとなると、以下のように考えられます。

・410,000円×3.5(kW)=1,435,000円
・500,000円×3.5(kW)=1,750,000円

実は太陽光発電システムの導入をする時には、国から補助金を受けることができる可能性もあります。その基準が「1kW当たり410,000円、500,000円」で、業者もこれを元に見積書を作る傾向にあると言われています。

一般的な住まいに必要な容量は3~5kW と言われているので、上記の基準を目安にすると、相場は約1,230,000~2,050,000円と考えられますが、実際には、トータル価格から国の補助金を引いた金額を支払うことになります。

どこの会社で買うのがお得?メーカー別相場価格

ソーラーパネルの設置など、太陽光発電システムの導入にかかる費用は、メーカーによって変わってきます。取り扱っている部材や機械が異なるためです。ここでは、主なメーカーのソーラーパネル、1kW当たりの相場価格をまとめました。

・パナソニック・・・330,000円
・シャープ・・・350,000円
・ソーラーフロンティア・・・290,000円
・京セラ・・・340,000円
・三菱電機・・・320,000円
・東芝・・・350,000円
・長州産業・・・330,000円
・カナディアンソーラー・・・290,000円
・ハンファQセルズ・・・290,000円
・トリナソーラー・・・290,000円

※記載の価格は、標準的なソーラーパネル(約4~6kW)を載せたシステム費と工事費を合わせたモデル価格です。
※ネット販売店などの価格を参考にしたものなので、あくまでも目安としてご利用ください。

少し前は、シャープや京セラが低価格の国内メーカーとして知られていましたが、今はトリナソーラーなどの中国メーカーが伸びています。さらに、ソーラーフロンティアのシェアも高くなってきています。国内で生産を行いながらも、中国メーカーに負けないくらいの低価格でソーラーパネルを販売しています。

国内メーカーで最も変換効率が高いと言われているのは、パナソニックです。歴史ある会社なので信頼度が高く、スマート家電などを利用して家をまるごとエコ化できるくらいの技術も持っています。価格は高いですが、性能の良さや安心度を考慮すると、お買い得品を手に入れられるメーカーと言えそうです。

メーカーによって大きさや変換効率などが異なるので、価格の安さだけで判断せず、自分の家に何が必要か、優先度を考えながら選ぶと良いでしょう。

ソーラーパネルはいつ設置しても良いの?

ソーラーパネルを設置するのに適した時期とは、いつなのでしょうか。いくら導入しようと思っても、高い買い物であることには違いありません。できることなら、ベストなタイミングで太陽光発電システムを取り入れたいですよね。

ソーラーパネルで発電した電力で余った分は、電力会社に売ることができます。これを「売電」と言います。電気を売れば当然、収入を得ることができます。初期費用こそ高い印象が強いですが、売電による収入を得ることで取り戻すことが可能なのです。

そこで、調べておきたいのが売電価格の相場です。実は、売電価格は年々下がっていると言われています。そう聞くと、「電気を売っても損するだけなのでは?」と不安になる方もいるでしょう。しかし、同時にソーラーパネルの設置価格も下がってきています。ソーラーパネル自体の性能は良くなっていることを考慮すると、たとえ売電価格の相場が落ちていても、元を取ることは十分可能だと考えられます。


よって、ソーラーパネルは今すぐの導入でも問題ないと言えるでしょう。

ソーラーパネルの寿命

一般的に、ソーラーパネルは設置してから約20年は使えると言われています。物によっては30年近く使えるソーラーパネルも存在するようです。基本的にソーラーパネルはすぐに劣化するものではなく、長期間に亘って太陽光発電システムを利用できると考えられています。ただし、そのためにはこまめにメンテナンスすることが必要です。

しかし、どんなものでも時間が経つにつれて機能が衰えてしまう事態は避けられません。ソーラーパネルも、経年劣化を起こします。ソーラーパネルは劣化すると発電効率が悪くなり、発電量自体が減少してしまいます。ただし、あくまで発電効率が悪くなるだけで、太陽光発電自体はきちんと成されているので、日常生活を送る上で気にならないようであれば、問題ないとも言えます。

つまり、ソーラーパネルそのものは20~30年ほどとかなり長く使うことが可能ですが、しっかりとしたメンテナンスが必要で、寿命がくれば取り換えなくてはならないということです。また、この間に全く不具合が起こらないという保証はないので、普段からソーラーパネルの状況を確認しておくことも大切です。

ソーラーパネルがきちんと稼働しないと、急に電気の供給がストップする事態に陥ることもあります。そのため、業者に依頼して定期的に点検をしてもらうようにしましょう。もしくは、発電量監視システムのような仕組みを取り入れて、不具合に素早く気づけるようにするのも一手です。

法定耐用年数について学ぼう

ソーラーパネルの寿命は約20~30年と言っても、実際に法律で定められている耐用年数はどれくらいなのでしょうか。答えは「17年」です。これは、国税庁の分類に沿ったもので、ソーラーパネルは「電気業用設備」の中の「その他の設備」にある「主として金属製のもの」に属します。

事業向けの設備投資を目的に太陽光発電システムを導入した場合、購入後、17年経ったら費用を減価償却します。また、太陽光発電は「グリーン減税」が適用されるので、税金対策の面でも優遇されています。

ただし、上で述べた法定耐用年数は、あくまで法人もしくは個人事業主が事業用に設置した場合のものです。例えば、工場経営者が工場の敷地内にソーラーパネルを設置し、発電した電力を使って工場を稼働させるとなると少し変わってきます。

この場合は、「発電された電気により稼働する機械によって作られた生産物(最終製品)に係る設備」として括られ、それに見合った法定耐用年数が決められています。これを「独立型太陽光発電の法定耐用年数」と言い、輸送用機械器具製造業用設備の「9年」が適用となるので注意しましょう。

ちなみに、太陽光発電システムで得た電力は、電力会社に売ることができます。これを「売電」と言いますが、こちらの価格も固定期間も国税庁により定められています。産業用の売電価格の固定期間は「20年」なので、20年後もしっかりと電力を供給できるように、少しでも寿命を延ばすことで売電の効果も見込めると考えられます。

ソーラーパネルはリサイクルできる?

現在最も普及しているシリコンタイプのソーラーパネルは、ほとんどの素材がリサイクル可能です。ソーラーパネルの大半を占めるのがフロントカバーの「ガラス」や、台として使われている「鉄」などはリサイクルすることができます。一方、金属を接合するための「はんだ付け」には鉛などの有害物質も含まれているため、一般ごみとして出すことはできません。

実は、普及し始めてまだ間もないこともあり、ソーラーパネルの廃棄に関する法律は2017年現在まだ定められていません。ソーラーパネルの寿命が出始める2030年以降には、古くなったソーラーパネルの廃棄の問題が顕在化してくるため、政府は環境省を中心として2020年度までに実施する短期の対策と2021年度以降の中長期の対策について、ソーラーパネルを含む太陽光発電システムの廃棄処理のガイドライン作りを進めています。

設置担当業者やメーカーへの依頼が一般的

ソーラーパネルを処分する際に最も一般的な方法は、設置を担当した業者への廃棄・リサイクル依頼です。設置をする時点では撤去のことまで思い至らないものですが、不具合などで取り換える場合もあります。そのため、撤去の必要が生じた場合の連絡先や費用についても説明を受けておくと安心です。

設置した業者に頼めない場合は、ソーラーパネルのメーカーに相談し、信頼できるリサイクル業者を紹介してもらいましょう。

回収やリサイクルサービスを行う第3者機関もある

ソーラーパネルのリサイクルについての法整備がまだないため、リサイクルや廃棄処分は主に産廃業者などが請け負っているケースがほとんどです。しかし、地域によってソーラーパネルの廃棄方法やリサイクルの方法は違っています。

「一般財団法人太陽光発電システム鑑定協会」は、有効活用できる資源が多いソーラーパネルのリサイクルを推進するために、設置者・施工業者・メーカーとの共存を目的に作られた第3者機関です。2014年から使用済みのソーラーパネルの回収・リサイクルのサービスを行っていますが、利用するためには指定場所への持ち込みが必要となります。安全のために、ソーラーパネルの撤去や運搬は業者を利用しましょう。

リサイクルにかかる料金

老朽化したソーラーパネルをリサイクルするために必要な料金には「撤去費用」と「撤去後の処分費用」があります。

【撤去費用】
ソーラーパネルには人体に有害な物質も含まれているため、自己撤去は避けましょう。一般的に、設置業者やメーカーに依頼するソーラーパネルの撤去費用は、設置場所や規模によっても違いますが、100,000円ほどかかります。

【撤去後の処分費用】
設置業者やメーカーは、ソーラーパネルを撤去した後、専門の処理業者へ依頼し、各地域で定められた分別や解体、埋蔵処理などを行います。金属資源などのリサイクルを適切に行う業者であれば処分費用は安くなりますし、地域によっては埋設場所の余裕がないために処分費用が高くなる場合もありますが、大体の目安としては処分費用は50,000円程です。撤去費+処分費をあわせて、約150,000円が、ソーラーパネルのリサイクルにかかる料金の目安です。

【太陽光発電システム鑑定協会のリサイクル料金】
使用済みソーラーパネルの回収・リサイクルのサービスを行う太陽光発電システム鑑定協会では、指定の収集場所への持ち込みが必要ですが、18kg以下のシリコン結晶系太陽光パネルの場合で1枚当たり1,200円となっています。

少しでも長く使うためには、どんなメンテナンスが必要?

まず、先にも述べましたが定期点検を行うことが大切です。ソーラーパネルは、パッと見ただけでは劣化に気づきにくく、放っておいても電力の供給がされるので、突然止まらない限りは不具合があることに気がつけません。

そのため、異常があっても気づかずに放置してしまいがちになりますが、実際は徐々に経年劣化が進んでいます。ちょっとでも寿命を延ばすには、1年に1度で良いので、業者の定期点検を受けるようにしましょう。

点検だけでなく、定期的にメンテナンスを行うことも重要です。どんな機械でも、手入れをしないと使いづらくなってしまいますよね。ソーラーパネルも同じことが言えます。きちんとメンテナンスをしてあげないと、配線の傷やパネルのガラス部分の汚れなどが原因で、発電効率が落ちてしまいます。

メンテナンスは、4年に1度、実施することが推奨されています。費用は1回につき10,000~20,000円ほどで、メーカーによっては無償で行ってくれることもあるようです。ソーラーパネルの寿命が20年と考えると、メンテナンス費用はトータル10万円前後で済みます。

ソーラーパネルは増設可能?

設置場所さえあればソーラーパネルを増設することは可能です。ソーラーパネルの増設を検討している方のために、増設方法やタイミングについてもまとめました。

増設する際のポイント

【現在設置しているソーラーパネルと異なるメーカーのものでも可】
パワーコンディショナーさえ対応していれば、メーカーが違っていたり、別の種類のソーラーパネルを設置したりすることができます。その際、変更の申請が必要になる可能性があるため、しっかり確認をしておきましょう。

【パワーコンディショナーの保証範囲を確認しよう】
いくらソーラーパネルを増設できると言っても、1つのパワーコンディショナーにつなげられるパネルの数は決まっています。電流値と電圧値により、接続できるソーラーパネルが定められています。万が一、許容範囲を超えてしまうとメーカー保証の対象外となってしまうため、気を付けましょう。

【電力会社への変更申し込みをしよう】
太陽光発電設備と電力網をつなぐ引き込み線やブレーカーを取り換える可能性があります。電力会社に変更申し込みを行い、確認してもらいましょう。この作業を怠ると、ブレーカーが落ちて売電が止まる、電力の出力に耐えられないなどのトラブルが発生する原因となります。

【メンテナンス通路の確保】
自然災害や悪天候などで設備に不具合が出た場合、修理やメンテナンスが必要となります。そのための通路の確保を忘れないようにしましょう。

【設置角度にこだわってみよう】
既存のソーラーパネルとは異なる角度で増設すると、発電量が増えるケースもあります。夏は日が高くなり、冬は低くなるなど季節によって太陽の光があたる位置が変わるので、それに合わせて角度を変えてみると、効率よく発電できるかもしれませんね。

【注意点:設備認定の軽微変更申請もしくは変更認定申請を忘れずに!】
ただパネルを増やすだけでなく、必要な手続きを取らなくてはなりません。同じソーラーパネルで増設するなら「軽微変更申請」、違うソーラーパネルを使うなら「変更認定申請」を行います。申請手続きは忘れずに行いましょう。

増設のタイミング

ソーラーパネルを増設すると電力量を増やすことができ、余った分を売電すれば収入を得られるメリットがあると分かったものの、「いつ増設するのが良いのか」悩む方もいるのではないでしょうか。増設できるスペースを確保できるのであれば、なるべく早めに増設したほうが良いとの声もあります。

まず、増設した際、電力の固定買取価格を始めに設置した時の基準に合わせられます。これを「固定価格買取制度」と言い、住宅用は10年、産業用は20年、同じ価格で電力会社に電力を買い取ってもらえます。

つまり、増設の時期に買取価格が下がっていても、設置当初の価格が適用されるので、お得に売電することが可能となるのです。

また、このまま電気料金が値上がりすると、将来的に売電単価よりも買電単価のほうが上回る可能性があります。今、ソーラーパネルを増設して発電量を増やしておくと、後々買電単価が上がっても、蓄電の量を増やすことで電力を賄うことができ、電気代を抑えることができるかもしれません。

このような理由から、ソーラーパネルの増設は早めに行っておくのが良いと考えられます。

ソーラーパネルを増設すると発電量はどうなる?

ソーラーパネルを増設すれば、その分、太陽光を吸収する量が増えるので、発電量も上がります。特に、日照時間や角度の問題で太陽光を取りこぼしていた部分にソーラーパネルを増設すれば、より効率よく発電量を増やすことが可能です。

平成29年に法が改正され、ソーラーパネルの容量変更についても変更がありました。その主な変更点をまとめてみました。

・ソーラーパネルの合計出力を変更する場合、以下の範囲を超えると売電単価が変更となる
増設……3kW未満かつ3%未満
減設……20%未満

・10kW未満の設備は変更の対象設備から外す

この法改正により、ソーラーパネルの増設や過積載ができなくなるかもしれないという意見がありましたが、実際はそうではないようです。

例えば、破損パネルを交換する場合にも、増設の範囲である「3kW未満かつ3%未満」超えて容量が増える場合は価格の変更、もしくはソーラーパネルを減らしたほうが妥当であるという意味で、増設自体を否定しているわけではありません。

また、過剰な過積載が問題視されていたこともあり、「認定取得後のソーラーパネルの増設に制限を加えた改正である」とのパブリックコメントも出ています。こちらも、過積載そのものを否定・禁止されているわけではないようです。

まとめ

ソーラーパネルの設置は、ただ安く済ませるのではなく、設置容量やソーラーパネルそのものの性能など、さまざまな判断材料を検討した上で予算を決めるのが良さそうです。そして、導入した限りは少しでも長く使いたいですよね。信頼できる業者の力を借りながら、点検とメンテナンスを忘れずに行い、大切にソーラーパネルを使いましょう。
法改正などもあり、ルールを理解するのが大変なソーラーパネルの増設ですが、きちんと内容がわかれば非常に便利な仕組みです。不明点はメーカーや業者に相談しながら、適切な状態でソーラーパネルを増設しましょう。

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