築30年以上のマンションを売却するには?知っておくべき資産価値と売却側のニーズや注意点

築30年を超えるマンションは、全国で2,000,000戸以上あると言われています。「建物の資産価値はほとんどないようなマンションが果たして売れるのか?」という疑問や心配は多いですが、売却する方法はあります。ここでは築30年以上のマンション売却の問題点をふまえ、購入側のニーズやリフォームが必要かどうかについてご紹介します。

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築30年以上のマンションでも売却の可能性は十分ある

中古マンションの構造で主流となっているのが鉄筋コンクリート(SRC)構造です。国が定める法定耐用年数を見ると、鉄筋コンクリートは47年となっています。この法定耐用年数は、購入側が物件を取得する際に銀行などからローンなどの貸付けを受ける際の判定基準として使われます。つまり、法定耐用年数を過ぎていなければ、金融機関からの融資も受けられるのです。

特に都市部では古い住居を再利用する「リノベーション」の意識も高く、築年数が30年を超えていても売却できる可能性が大きくなってきています。ただ、地方ではニーズが低く、売却は都市部に比べれば難しいという現状はあります。

【築30年以上のマンションを売却する際の問題点】
まず、築30年以上のマンションには、売却に関してどのような問題点があるのか見ておきましょう。

・耐震性が弱い:1981年6月に、新たな建物の耐震基準(新耐震基準)が定められました。そのため築30年以上のマンションは、それ以前の旧耐震基準に基づいているため、耐震性が弱いという問題があります。

・建物自体の資産価値がない:築30年以上経っているマンションでは建物の資産価値はほぼ「ゼロ」です。このため、売却の際の価格設定は基本的に低くなります。

・金融機関からの融資が受けにくい:法定耐用年数に近い物件では、融資が受けられたとしても返済期間が短くなるため、購入側にとっては不利な条件であると言えるでしょう。

ただし、耐震補強など大規模な修繕を行っているマンションの場合は、築年数が30年以上でも耐震性や資産価値は上がります。また融資については、住宅金融支援機構による新たな融資サービスもあるため、問題の解決策を見いだすことができる可能性はあります。

【築30年以上のマンション売却が有利になる条件】
築30年以上でも、次のような条件があれば、売却が有利に運ぶ可能性があります。

・立地が優れている:都心部では、築年数が古くても立地が優れていれば需要があります。

・容積率の余裕がある:これはマンション全体を売却する際のポイントですが、空き地率が高く、容積率に余裕があれば、購入側が将来の建て替えを検討しやすいため、築年数が長くても需要が見込めます。

・リフォームやリノベーションに向いている:近年では、古い建物の独自リフォームや、オフィスや商業施設などへのリノベーションへの関心も高まっています。レトロな建物の味わいに価値を見いだす若者たちのニーズも期待できます。

リフォームやリノベーションに関しては、2017年4月に住宅金融支援機構が開始した【フラット35リノベ】は、リフォームに関する一定の要件を満たせば、新築と変わらない返済期間や融資の上限額を受けることができます。

築30年以上のマンション売却では、購入側のニーズの多様化にも注目しよう

都心部では需要を伸ばしている中古マンションですが、地方では需要の中心は築10年前後が中心で、築30年以上経過しているマンションの売却は容易ではありません。一方、不動産コンサルタントの中には、築30年以上存続しているマンションを管理体制や居住性の良さで評価する人もいます。

管理状況が良好に維持された古いマンションは、居住民の意識が高く、住み心地がいいといった付加価値があることも考慮に入れてよいでしょう。また、築年数が古いマンションは立地や環境が良いものが多いため、新しくて高いマンションよりも、町全体の雰囲気も考慮に入れて、古くても住みたいマンションを選びたいというニーズもあります。

築30年以上のマンションは、同一条件で比較すると新築の約半値で購入できるという点も、こうしたニーズを押し上げる大きな要因となっています。

リフォームすると高く売れるというのは誤解!

築30年以上のマンションは、リフォームしなければ売れないというのは誤解です。耐震補強などの修理は必要ですが、リフォームをした分の費用を売却の価格に上乗せすれば、購入側は同価格の少しでも築年数の新しいマンションの方に流れてしまう可能性もあります。

【無理してリフォームする必要はない】
築年数が30年を超える古い物件は、売却が不利な反面、近年のデザインとは違うレトロな味わいがあります。購入側にしてみれば、価格の安さは大きな魅力ですから、リフォームで販売価格を上げるよりも、リフォームを購入側に任せ、その分値引きをするという方法もあります。販売側がリフォームをしてしまうと、工事費がかさむだけでなく、購入側の世代や好みを限定してしまうことも考えられます。購入側の自由度の高さを残しておくことで、売却対象を幅広いターゲットに広げることができるでしょう。

【業者選びのポイント】
古いマンションの売却に当たっては、不動産業者への仲介を頼む場合がほとんどだと思います。個人が所有するマンションの売却を取り扱う不動産業者には、大手と地元の不動産仲介会社がありますが、両者を比較すると、大手は「情報力・告知力・税理士とのネットワーク」に優れています。一方、地元の強味は「緊密なコミュニケーション力・地域情報を熟知した購入側へのアピール力」です。

マンションの中古物件を探している人は、立地や環境など、建物だけでなく地域の情報を重視するケースも多いです。そのため、特に築30年以上といった古いマンションの売却を依頼する場合は、現地の状況がよく分かって納得できるアピールポイントを購買者に伝えることができる仲介業者に依頼するのがおすすめです。

この際に注意したいのは、リフォームを強く勧めてくる業者です。先に書いたように、リフォームをしても高く売れる保証はどこにもなく、お金をかけても買い手がつかない場合もあります。地域のニーズや状況を総合的に判断して販売努力をしてくれる業者を選びましょう。

まとめ

築30年以上のマンションには、建物自体の資産価値がほとんどありませんが、立地や環境の良さなどの魅力を備えたものもあります。売却の際には、購入側のニーズをよく考えて、手を出しやすい価格を提案することが、売却を成立させるための大きなポイントになります。

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