【昔の家を直して使う】(室内の高さの問題について)
昔の家は基本的に和室ですから、部屋は障子や襖で区切られています。尺貫法でつくられていますので、大体高さが決まっています。
畳は寸法の取り方によって、京間や江戸間など、サイズが違いますから、建具も全国的に同じがどうか定かではありませんが、この辺りの地方は大体、高さ1760mm。ほとんどが5尺8寸です。
昔の日本人は、総じて身長が低かったらしいので、それで問題がありませんでしたが、現代では大問題。180cmを超える人は普通ですからね・・・。新しく家を造る場合も、ドアや開口部は、やはり2mが基本です。
ですから、古い家をリフォームやリノベーションして直すときは、鴨居の高さが問題になってきます。
普通の鴨居であれば、解体して取り外してしまえばいいのですが、古くて立派な家になるほど、鴨居が「差鴨居(さしがもい)」になっている場合が多いんです。
「差鴨居(さしがもい)」とは、柱にホゾ差しで組み込まれている幅広の太い鴨居のこと。梁のような構造体の一部になっているので、簡単に取り除くわけにはいかないんです。
それ自体を残して見せることが、古い家を直す意味でもありますし・・・。
高さを確保する解決法の一つは、逆に床を下げてしまうことです。昔の家は床が地面よりかなり高いので、可能な場合が多いです。
写真の家も、床を150mm程度下げました。玄関からの上がり框も低く抑えることができるので、一石二鳥です。柱のホゾが昔の土台を受けていた後です。
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