「検査済」が基本に? 中古住宅市場に変化の兆し

中古住宅の売買に際して、インスペクション(建物状況調査)の提案や斡旋、結果報告を義務づける改正宅地建物取引業法が2018年度から施行されることが決まりました。

新築住宅にくらべ、建物の状態がわかりにくいことから、これまで国内では中古住宅の売買が進まず、スクラップ&ビルドが基本とされてきました。インスペクションの導入により、物件の状態がわかりやすくなれば、2018年以降は中古住宅市場が大きく変化していくことも考えられます。

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2018年から義務化されるインスペクションとは?

改正宅建業法の施行について、インスペクション(建物状況調査)に関連する規定は2018年4月1日から施行されることが決まりました。

これにより、中古住宅を売買する際にはインスペクションを提案したり斡旋したりすることが、物件を仲介する事業者に求められます。またインスペクションを実施済の物件については、重要事項説明や契約書交付の際に、インスペクションの結果を報告することが義務づけられます。

インスペクションは住宅に精通した専門家が第三者としての立場から行う建物状況の調査です。住宅の劣化状況や欠陥の有無、改修の必要性やコストなどについて調査を行い、報告します。

調査は主に目視で行われ、床下や小屋根裏など、普段目にする機会が少ない部位についても調べられます。

狙いは中古住宅市場の活性化

政府がインスペクションの普及に向けた施策を行うのは、中古住宅市場の活性化が目的です。日本の中古住宅取引は、住宅取引全体に占める割合が14.7%(2013年)と非常に少なめです。

中古住宅は新築住宅にくらべ、価格面で大きなメリットがあるものの、物件の状態がわからないことに不安を感じる人が多いため、取引量が低調なまま推移しています。新築住宅は建築時のスペック通りなので、たとえば耐震性などについても、住宅メーカーや工務店の保障があれば安心して住まうことができます。

一方、中古住宅は経年劣化やリフォームリノベーションなどにより、それぞれ状態が異なります。新築時に同等のスペックを持つ物件であっても、20年、30年と年数を重ねるうちに、状態には大きな差が生じます。

しかしながら一般の人にとって、中古住宅の状態や価値を正しく判断することは困難です。そのため市場の活性化が進まないという事情がありました。

インスペクションの導入が進めば、専門家の調査により住まいの状態が明らかになるため、買主の不安が軽減されます。市場の活性化につながる有効な策として、政府ではインスペクションの導入を進めているのです。

インスペクションで中古住宅の価値は上がるか?

物件の状態を正しく判断できないため、日本の中古住宅は一律的に築年数で価値が判断されています。木造住宅の場合、定期的に修繕やリフォームなどを行って性能を維持していても、築20年をすぎると価値はほとんど0円と査定されてしまいます。

インスペクションにより住まいの状態が確認されれば、こういった現状が改善され、中古住宅の価値が正しく評価される可能性が高まります。

インスペクションは売主・買主のいずれもが依頼できます。中古住宅が盛んに取引されるアメリカではインスペクションを利用する人が非常に多く、売主・買主いずれにとってもフェアな取引を行うためのベースとなっています。

中古市場活性化で空き家問題の解消にも

改正宅建業法の施行により、今後は日本でもインスペクションの普及が進むものと考えられます。現在はまだまだ「スクラップ&ビルド」が日本における不動産市場の基本となっていますが、インスペクションにより中古住宅が高く評価されるようになれば、中古住宅市場が活性化するはずです。

中古住宅市場の活性化は空き家問題の解消にもつながります。2013年時点では7軒に1軒が空き家という状況であり、深刻化が懸念されています。高値で売却できる可能性が高まれば、「空き家のまま放置せず早めに売却したい」というモチベーションの強化をもたらすものと期待されています。

まとめ

サラリーマンの平均給与が伸び悩む中、新築にくらべて安価な中古住宅に対する潜在的なニーズは大きいと言えます。住宅は高額の買い物だけに売買を判断するのに必要な情報が得られることは非常に大切です。

インスペクションの普及を目指す施策により、「建物状況」という情報が得やすくなれば、潜在的なニーズが一気に表に出てくることも考えられます。

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