【専門家監修】火災保険を名義変更するには?名義変更が必要なケースや名義変更の注意点

あなたの大切な住宅は火災保険に加入することで万が一の際に補償を受けることができますが、結婚や相続など重要な出来事の際には、その契約者を変更する手続きが発生します。ときに必要な名義変更手続き。その際、どのように手続きすれば良いのでしょうか。名義変更の注意点も踏まえながら詳しく解説していきます。名義変更が発生したときに参考にしてください。

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火災保険の名義変更が必要なケースとは

火災保険の名義変更は、火災保険の「契約者」(保険料を支払っている人)名義と、「被保険者」(保険金を受け取る人)名義の2種類が変更対象になります。通常は、契約者と被保険者は同じことが多いです。

名義変更は、契約内容をそのまま引き継ぐことができるので、保険を新規契約するよりも有利な点が多いです。この名義変更が必要になるケースはどのような場合でしょうか。

名義変更が必要なケース① 結婚・離婚

結婚や離婚に伴い、名義変更が必要になるケースがあります。この場合、「改姓による名義変更」と「所有者変更による名義変更」の2つが挙げられます。

●改姓による名義変更
(例)同棲中に夫婦名義で自宅を購入。居住後に結婚したため、妻の改姓に伴う名義変更が必要になる。

●所有者変更による名義変更
(例)離婚による財産分与が発生。夫名義だった自宅を妻に渡すため、名義変更が必要になる。

名義変更が必要なケース② 相続・贈与

結婚や離婚よりも多いのが、相続や贈与などで名義変更が必要になるケースです。所有者が変わるために、保険の契約者や被保険者が変更になることを、「権利譲渡」と言います。以下のように、所有者変更による名義変更が発生します。

(例)
●父親の逝去に伴い、父親名義だった実家を自分名義に変更する。
●自宅を息子に生前贈与することになったため、自分名義を息子名義に変更する。

名義変更が必要なケース③ その他

以下のように、結婚や離婚、相続や贈与以外にも名義変更が必要になることがあります。

(例)
●社宅として借りていた物件を自分名義に変えることになったため、火災保険の名義も変更することになった。
●未成年の子どもに物件を与えていたが、子どもが成人したため、自分名義から子ども名義に変更することになった。

名義変更の方法

契約者や被保険者の名義変更はどのように手続きすれば良いのでしょうか。改姓による場合と、所有者変更による場合で分けて説明します。

改姓による名義変更の場合

改姓による名義変更には、一般的には以下のような書類が必要になります。

・「火災保険契約内容変更届出書」や「名義変更請求書」など(保険会社所定のもの)
・旧姓名・新姓名が記載されている公的証明書(コピー)

対応は保険会社によって異なりますので、加入している保険会社に連絡して確認しましょう。

所有者変更による名義変更の場合

離婚や相続・贈与など、物件の所有者が変更になった場合の名義変更方法は、保険が「掛捨型」か「積立型」かによって変わってきます。

掛捨型の場合

掛捨型の場合は、積立型よりもシンプルな手続きで済みます。まず担当者に連絡し、事実関係を伝えます。次に、「火災保険契約内容変更届出書」など保険会社所定の書類を提出すれば完了するケースが多いです。

積立型の場合(相続時)

積立型かつ相続による名義変更の場合は、名義人本人が死亡しているため、手続きがやや複雑になります。

死亡した名義人によって積み立てられたお金は、相続財産に当たります。満期返戻金や解約返戻金など、お金に換金できるからです。そのため、相続に伴う積立型火災保険の名義変更には、基本的に「相続人の承諾」が必要です。

火災保険を名義変更するか解約するかは、相続人全員の遺産分割協議で決定します。名義変更するか、解約するか、誰が満期返戻金もしくは解約返戻金を相続するかなどの決定事項を、遺産分割協議書に明記する必要があります。なお、建物の火災保険を名義変更する場合は、建物の相続登記を先に済ませておいてから行います。

積立型の名義変更に際して、具体的には以下のような書類が必要になります。

・保険証券
・「火災保険契約内容変更届出書」「解約名義変更申請書」など(各保険会社所定のもの)
・遺産分割協議書
・戸籍謄本(被相続人のもの)
・戸籍謄本、実印、印鑑証明書など(相続人全員のもの)

詳しくは、保険会社や相続を担当する弁護士に相談するようにしましょう。

積立型の場合(相続以外)

相続以外で、積立型の火災保険を名義変更する場合は、掛捨型と同じように「火災保険契約内容変更届出書」など保険会社所定の書類を提出します。

積立途中の火災保険を贈与する場合は、贈与税がかかるのではないか、という疑問が出てきますが、返戻金が贈与税控除の110万円以下であれば申告は不要です。

110万円を超える場合は、贈与税の対象になると思われますが、現在、損害保険会社から税務署への報告義務がないため、実際には贈与税を支払っていないことの方が多いです。

ただ、2018年1月より、生命保険の契約者名義変更が行われた場合に、保険会社から税務署に申告する義務が追加されました。生命保険の贈与に関して正確な納税が行われないケースが多かったからです。

この流れがすぐに損害保険に適用されるかはわかりませんが、いずれ損害保険も準じる可能性はあるでしょう。

火災発生!名義変更が間に合わなかったらどうなる?

もし名義変更手続き中に火災や落雷などが発生し、被害を受けてしまった場合、補償は受けられるのでしょうか。答えはYesです。火災保険の契約そのものは有効であるため、基本的に補償の対象になりますのでご安心ください。

ただし、物件や火災保険の名義を変えると口約束していながら、実際には手続きを怠っていた場合、火災などによる被害を受けた際の保険金は、契約当初の被保険者に支払われます。

例えば、離婚によって自宅が夫から妻のものになり、実際は妻が住み、妻がローンを払っていたとしても、名義変更をきちんと行っていなければ、保険金は夫に振り込まれることになり、妻は受け取れません。トラブル化してしまった場合は、裁判所による調停が必要になってしまいます。

物件や火災保険の名義変更手続きは、速やかに行っておくことをおすすめします。

名義変更時のトラブルを回避するには

火災保険の名義変更は、掛捨型のように簡単に行える場合と、積立型のように複雑化してしまう場合があります。よりトラブルを回避するためにはどうしたら良いでしょうか。

シンプルなトラブル回避方法の1つは、掛捨型の火災保険に加入しておくことです。掛捨型であれば、もし相続による名義変更が起こったとしても簡単に解決できます。掛捨型と積立型はメリットが異なりますのできちんと比較検討した方が良いですが、もし特にこだわりがなければ掛捨型に加入しておけば良いでしょう。

もう1つは、物件や火災保険の名義変更が発生したら、速やかに手続きすることです。手続きを長く怠っていると、万が一火災などの被害に遭ったときに、保険金が必要な人に支払われない可能性が出てしまいます。手続きを面倒に思わず、速やかに行いましょう。

また、先の長い話ではありますが、被保険者の遺言をきちんと残しておくことも、トラブル回避につながります。相続時に財産分与がうまくいかない理由は、遺言が残されていないからです。遺言がないと、どうやって財産を分けるかは相続人の話し合いによって決めることになり、相続人が多いほどその話し合いは長期化する傾向があります。

あらかじめ遺言を残し、火災保険の保険金を誰に残すかを決めておくと、トラブルを回避できるでしょう。あなた自身だけでなく、あなたの両親や妻など身近な人にもアドバイスしておくといいかもしれません。

トラブルの元にならないように名義変更が必要なときは速やかに処理を!

火災保険の名義変更は、簡単に行える場合と複雑化する場合があります。こだわりがなければ掛捨型保険に加入する、名義変更が発生したときには速やかに手続きを行うなどして、トラブルを回避することをおすすめします。

このアイデアの監修者

金指 歩
法学部政治学科出身・元信託銀行勤務のフリーライター・ブックライター。神奈川県出身。FP3級を大学在学時に取得。金融系全般、女性のライフスタイルをテーマとした記事を中心に執筆している。


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