
「こんな遺言書はおかしい!」亡き父親の遺品整理で見つかった2通の遺言書…兄弟が翻弄された「驚きの内容」
堅実に生きていてもある日突然、想像もしなかったお金のトラブルに巻き込まれることがあります。本連載では、これまで多くの相談者の悩みを解決してきた行政書士・FP・宅地建物取引士の柘植輝氏に、トラブルへの対策や対処法について紹介してもらいます。
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終活という言葉が少し前に社会現象となり、ある意味遺言書を作ることが流行った時期もあった。その影響からか近年、遺言書が2つ見つかる事例が少しずつ出てき始めている。なぜそのようなことが起こるのか、そしてもし遺言書が2つ見つかった場合はどうするべきなのか。私の対応した田中家の事例で解説していこう。
父親の書斎から見つかった2つの遺言書
都内の一角にたたずむ古びた一軒家。その家の主である田中義一さん(仮名・享年80歳)が亡くなり、悲しみの中で家族が遺品整理を進めていた。
田中家の家族構成は、長男の太郎さん、次男の次郎さん、そして長女の美咲さんの三兄弟。義一さんは生前、特に財産のことについて具体的な話をしていなかったが、長男の太郎さんは「父の遺産は当然長男が中心に管理するべきだ」と考えていた。実際、義一さんは酒が入るたび「遺産はすべて太郎が管理しろ」と口癖のように言っていた。
一方、次郎さんと美咲さんは「遺言書に記載されている父の遺志に従うべき」と考えており、兄弟間で多少の温度差が生じている状況だった。
そんな中、義一さんの書斎で遺言書と思われる封筒が2つ見つかる。1つは2010年の日付、もう1つは2020年の日付が記されていた。
遺言書に記されていた内容とは
2つの遺言書のうち古い方の遺言書、すなわち2010年の日付の遺言書には「全財産を長男の太郎に相続させる」と記載されていた。そして新しい方の遺言書、2020年の日付の遺言書には「自宅を長女の美咲に、預金を次男の次郎に相続させる」と記されていた。
遺言書を確認した太郎さんは激しく動揺する。そして、「父は俺にすべて任せると言っていたのに、こんな遺言書はおかしい!」と声を荒らげる。
しかし、美咲さんと次郎さんは戸惑いながらではあるが「でも、これが父の意思なら守るべきだ」と、考えを強く主張する。
ここで兄弟間に決定的な亀裂が生じた。こうなってしまうとまともな話し合いは一気に困難となる。一応は話し合いが続くものの、話し合いは一向に進まない。
太郎さんは過去の酒の席での話も加味し、2010年の遺言書を優先すべきだと主張を続ける。美咲さんと次郎さんは新しいものこそが今現在の父の意見に近いとして2020年の遺言書が有効だと主張を続ける。
話し合いは毎週末のように行われたが話は全く進まない。そうしているうち数カ月の月日が過ぎた。
●田中家の争いの結末は、後編【「父は俺にすべてを任せると言っていた」父親の書斎で見つかった新旧2通の遺言書、最終的に優先されたのは…】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
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