Chara、圧倒的な存在感で“まとう空気”もリスペクトの対象に 唯一無二の魅力をひもとく

今最も話題の作家の1人である燃え殻のエッセイを国内トップクリエイターがドラマ化した「すべて忘れてしまうから」は、阿部寛扮...

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「すべて忘れてしまうから」は、ディズニープラスのスターで配信中 / (C) Moegara, FUSOSHA 2020

【写真】イメージがらり!サングラス姿でミステリアスな雰囲気のChara

今最も話題の作家の1人である燃え殻のエッセイを国内トップクリエイターがドラマ化した「すべて忘れてしまうから」は、阿部寛扮(ふん)するミステリー作家“M”を中心とした、どこか粋で、どこか懐かしい群像劇。ある程度の人生を積んだ大人が、物語の展開にうなずきながら見るという類の作品かもしれない。阿部の渋み、尾野真千子ら円熟の実力派俳優陣、若さを遠慮なしに真っすぐぶつけてくる鳴海唯など見どころはたくさんあるが、音楽ファンとして特にうれしくなるのは各話のラストに挿入されているライブ(エンディングソング)のシーンだ。

毎話異なるアーティストがライブを披露

第1話のゲストアーティスト・TENDRE / (C) Moegara, FUSOSHA 2020

ディズニーの公式動画配信サービス・ディズニープラスの「スター」で毎週水曜昼4:00より独占配信中の本作では、毎話違うアーティストがそれぞれ異なる楽曲をライブパフォーマンスで披露しているが、ドラマの一場面、というよりは、文字通り“実演をそのまま切り取った”感じ。余計な演出は一切なく、音録りも生々しく、当たり前のことだが口先や楽器を操る指先が音楽の流れと合っている。当て振り(ボーカル以外の演奏部分を録音済み音源などで流し、それに合わせて楽器を演奏するフリ)ではない、同時録音だからであろうシンクロ具合が気持ちいい。

人選も絶妙で、第1話ではTENDRE、第2話では三浦透子、第3話ではヒグチアイ、第4話ではミツメのパフォーマンスを見聴きすることができた。部屋の中で、ちょっと音量をあげて再生すれば、かぶりつき状態に拍車がかかる。

本作が26年ぶりの役者としての映像作品であるというCharaも、全10組のエンドソングアーティストの中に名を連ねる。「すべて忘れてしまうから」では第1話から「Bar 灯台」のオーナー・カオル役で出演している他、ナレーションでも重要な役割を担っているのだが、前回の次回予告でもあったように10月12日(水)配信の第5話では劇中でギターの弾き語りのシーンがあり、メインフィールドである歌手としての姿も披露するわけだ。

彼女が音楽界にメジャーデビューしたのは今から30年以上前、1991年のこと。1993年から役者としての活動も始め、1996年には岩井俊二監督の大ヒット映画「スワロウテイル」に主演。日本アカデミー賞の主演女優賞にノミネートされた他、劇中に登場する音楽グループ・YEN TOWN BANDの一員として、「Swallowtail Butterfly 〜あいのうた〜」をオリコンシングルチャートの首位に送り込んだ。さらに1997年発表のソロアルバム『Junior Sweet』はミリオンセラーを記録、そのファッションセンス、メイク、ライフスタイル、歌い方、声の出し方などに触発された人は星の数ほどいるはずだ。Charaのいる場は、そこに漂う空気までもが、憧れやリスペクトの対象になった――そう言っても過言ではない。

まさしく“音の魔術”

そしてCharaは少女の頃からアメリカン・カルチャーやブラック・ミュージックを深くリスペクトし、ダイアナ・ロスやプリンスら数々のアーティストから刺激を受けてきた。筆者が彼女のファンクネス(並外れた乗りの良さ)にぶっ飛んだのは、大阪を拠点とするヒップホップユニット・韻シストとの共演ライブを見た時だった。

韻シストのタフな音作りに、あるときは漂うように、またあるときは突き刺さるようにCharaの歌声が融合していく世界は、まさしく音の魔術。小節線など飛び越えて自由自在な節回しで日本語を躍らせ、声の使い方ときたらスライド・トロンボーンのように伸縮自在、かと思えばトランペットのハイノート(超高音)のように華やかに弾ける。韻シストの創出する硬質な音と、どんな隙間にもスルッと潜り込んでいきそうなCharaボイスが、互いの魅力を何倍にも引き立て合っていた。

「すべて忘れてしまうから」より / (C) Moegara, FUSOSHA 2020

そのCharaが「すべて忘れてしまうから」の第5話(本日10/12配信)では歌も披露する。歌手、役者、そしてナレーター、どれであろうと彼女にとってはすべて一つの陸続き的な表現であり、どれもがCharaという総合アートのパーツであることは明らかだ。

唯一無二の歌声で、物語の舞台となっている「Bar 灯台」に集まる人々を沸かせることは間違いないし、私たち画面の前の者を、「灯台」内部の親密な雰囲気の中に引きずり込んでくれることも、また疑いようのないところだろう。まだ明らかになっていないが、Charaがエンドソングを歌う回も待ち遠しい。

◆文=原田和典





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