健気でかわいいスズメの娘がお礼に奮闘!現代版おとぎ話「チュンの恩返し」にほっこり

「終わるまで覗かないでくださいね」と言えば、思い浮かぶのが民話・鶴の恩返し。助けられた鶴がお礼のために人の姿を借りて恩返...

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「終わるまで覗かないでくださいね」と言えば、思い浮かぶのが民話・鶴の恩返し。助けられた鶴がお礼のために人の姿を借りて恩返しするというお話だが、それがもし現代、しかも「鶴」ではなく「スズメ」だったら……。漫画「チュンの恩返し」は、化け雀の少女と青年画家の交流を描いた日常コメディ作品だ。
【漫画】『チュンの恩返し』を読む

2022年7月21日に発売された『チュンの恩返し』単行本第1巻 / 画像提供:双葉社

鶴ならぬスズメの恩返し。ところが現代では苦戦して…

ある時、アトリエにぶつかったスズメを手当てした、青年画家の「江垣」。「これが童話なら」と、鶴の恩返しを連想していたところ、その夜、アトリエに「おチュン」を名乗る女性が現れる。そう、昼間のスズメが人間に化け恩返しのためにやってきたのだ。

『チュンの恩返し』5 / 画像提供:梵辛(@sokusekimaou)

とは言え、昔話の時代と違い、大体のことは助けもなく便利に暮らせる世の中。片付いた部屋で掃除の必要もなく、夕食はすでに済ませてしまい、さりとて日本円は用意できないとお礼の方法に窮したおチュンだが、画家である江垣のために、画の参考資料のモデルになることを提案する。

『チュンの恩返し』8 / 画像提供:梵辛(@sokusekimaou)

「終わるまで覗かないでくださいね」と告げ、別室に消えたおチュン。部屋の奥から聞こえる衣擦れとシャッター音から、ヌード写真を撮っているのではと思った江垣は慌てて静止に入るが、そこにいたのは裸は裸でも一羽のスズメ。スズメの姿でさまざまなポージングを自撮りしていたのだった。

『チュンの恩返し』11 / 画像提供:梵辛(@sokusekimaou)

おチュンはセキセイインコだったかも?スズメを主役に選んだワケ

本作は、『くちべた食堂』で知られる漫画家の梵辛(@sokusekimaou)さんが2018年、自主制作の短編として発表した作品をリメイクし、自身のTwitterとwebアクション(双葉社)にて2021年から同時連載をスタート。Twitterでは新作が公開されるたび、ユーザーから「かわいい」「めっちゃ萌える」と、ほのぼのした作品世界と、スズメの姿と少女の姿、それぞれの愛らしさを持つおチュンへの反響が集まる話題作となっている。

『チュンの恩返し』15 / 画像提供:梵辛(@sokusekimaou)

2022年7月21日、いよいよファン待望の単行本第1巻が発売された同作。ウォーカープラスでは単行本発売を記念し、作者の梵辛さんにインタビューを実施。本作のアイデアのきっかけや、単行本での見どころについて教えてもらった。

――このたびは単行本の刊行おめでとうございます。2018年の自主制作版から数えると4年以上、ファン待望の書籍化となりました。

「最初に商業化のお話をいただいてから、単行本発売まで何年も経ってしまったのですが、これはこの期間に他の作品の連載をいくつも行っており、『チュンの恩返し』はその隙間を縫って少しずつ描き進める形になったからという事情があります。ただ、そのおかげで原稿のクオリティについて、特に後半は自分の最低限目標とするラインまで徐々に達してきたという手ごたえがあり、満を持して単行本を完成させることができたという気持ちです」

――本作は日々の暮らしで馴染み深い鳥であるスズメの「おチュン」が主人公というのがユニークです。本作のアイデアはどんなところから生まれたのでしょうか。

「もともと、セキセイインコと長年暮らしていた経験があり、いずれ鳥をモチーフにした漫画を描きたいと考えていました。その際、まずは『鳥はかわいい』ということに共感してもらおうと、誰でも姿を思い浮かべられる鳥を主人公にしようと思いました。ペットショップで最もポピュラーな鳥といえばセキセイインコなのですが、そういったお店に馴染みのない人でもみんなが分かる小鳥といえばスズメだなと思い、主役に決めました」

200ページ超の分厚さにこめた、「日常の積み重ね」から湧いてくるもの

――自主制作版からのリメイク、また連載の中で、作品が変化していった部分はありますか。

「リメイクでまず一番変化したものは絵柄です。自主制作版の時のままでは、作画・作話ともに自分の技術や引き出しがまったく足りておらず、商業連載版として長編にするのに2年ほど難航していました。

その期間にも他の商業連載や自主製作などをいくつも掛け持ち、勉強もたくさんして、なんとか思うように描けそうなところまで自分を変化させることがようやくできつつある、という感じです。今は続刊でやりたいことのアイデアもたくさんあるので、2巻以降のお話を描いていくのを自分でも楽しみにしています」

『チュンの恩返し』27 続きはWebアクション連載や単行本をチェック! / 画像提供:梵辛(@sokusekimaou)

――単行本について、梵辛さんから見どころを教えてください。

「『チュンの恩返し』第1巻は、ページ数がなんと210ページあります。これは昨今のWEBコメディ漫画の新刊としては非常に分厚いと思います。単純に話の区切りがいいところで区切ったらこの数字になったというのもあるのですが、作品のテーマとして、他愛のない日常の交流のたくさんの積み重ねから湧いてくるものを受け取ってほしいという思いがあり、1冊目の読み応えを確かなものにしたくこのような形になりました」

――そうした思いが伝わる一冊になっているかと思います。最後に、読者に向けてメッセージをお願いいたします。

「この本を手に取ってくださった方が、前より少しだけ鳥のことを好きになってもらえたら、それが一番嬉しいなと思います。続刊ではキャラクターも増えて、よりにぎやかなストーリーが展開できたらいいなと思っております。ぜひぜひよろしくお願いいたします」

取材協力:梵辛(@sokusekimaou)


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