
断熱リフォームの種類を解説!費用と工期の目安はどれ位?補助金の申請期限はいつまで?
断熱リフォーム(リノベーション)で、家の中の寒さ・暑さを解消したい時、具体的にどのような種類の工事があり、どの程度のリフォーム費用がかかるか不安になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、一戸建てやマンションにおいて、外壁・内壁・窓などの断熱リフォーム(リノベーション)を実施する場合の価格相場や工事期間、そして2021年度の補助金制度の詳細や受付期間について、わかりやすく解説します。補助金の対象となるLIXILなどのメーカー品もご紹介するので、チェックしてみてくださいね。
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断熱リフォーム(リノベーション)で解決できること
「断熱リフォーム」は、以下のような生活環境を改善したい方に適しています。
家の中が冬は寒く、夏は暑い
まずは、やはり家の中の寒暖対策をしたい時ですよね。
冬には室内の暖気が家の外へ漏れ出ることを防ぎ、夏は暑い外気が室内に侵入しないようにできるのが、断熱リフォームの基本です。
エアコンの効きが悪く冷暖房代がかかる
またこれにより、冷暖房を使いすぎることがなくなるため、節電対策になるので光熱費が削減でき、最近問題になっている電気事情にも貢献できます。
エアコンの効率が悪いのは、暖気・冷気が室内外へ漏れてしまうことが原因だからです。
壁や窓にカビ・結露が発生しやすい
リフォーム部位によっては、室内外の極端な温度差がなくなり、結露やカビの発生を抑制できるでしょう。
工事内容によっては防音効果も発揮します。
建材によっては、あわせて耐震性が上がるものも流通しているんですよ。
屋根や天井、床、外壁、浴室やトイレ、家全体などの修繕のためにリフォームを検討されているときは、建物の長期保存や過ごしやすい家づくりに繋がる、断熱対策を一緒に行うことをおすすめします。
断熱リフォーム(リノベーション)の種類・費用・工期
断熱リフォームには、外壁・屋根・内壁・床に「断熱材」や「断熱パネル」を入れたり「断熱塗料で塗装」したりするほか「内窓(インナーサッシ)を追加して二重窓にする」などの方法があります。
それぞれの価格(平米単価)や工事期間の目安は、以下の通りです。
断熱リフォームの費用相場は、施工する部位によって差があります。
例えば壁の内側に断熱材を入れる場合、一度既存の壁を剥がさなくてはならず、壁の解体・補修・下地張り・仕上げ材の施工も行うため、リフォーム費用は1㎡につき1万円前後かかります。
断熱の方法や施工場所にもよりますが、断熱リフォームをする際にかかる総額費用は、最終的に20~120万円になることが多いです。
また、一戸建て住宅の壁全体をまるごと断熱化すると、300~500万円以上かかる場合もあります。
なお、施工費を安く済ませるために壁の1面のみを施工しても、断熱効果はほとんどないので注意してください。
予算や優先的に断熱したい部屋について、リフォーム会社と相談しながら決めていくのがよいですね。
以下より、さまざまな断熱リフォームの工法や特徴について、もう少し具体的に解説していきます。
壁の断熱リフォーム
壁・屋根の断熱化リフォームでは、断熱材を利用する場合、費用は1㎡につき約4千~3万円です。
工法や施工面積によって変動しますが、壁全体を断熱化した場合、総額80~350万円になるケースが多いです。
工期も2週間~1ヶ月とかなり幅があります。
特に壁のリフォームでは、外側から施工するか・内側に断熱材を敷き詰めるか、といった工法の違いや、施工範囲によって価格が大幅に変動します。
外側からリフォームする場合、天候によって工期が長くなる可能性もあるため、現地調査の際に、リフォーム会社に目安期間を聞いておくとよいでしょう。
天井の断熱リフォーム
夏場に天井から暑さを感じている、もしくは冬場に天井からの冷たい風を感じているようでしたら、天井裏を断熱リフォームするのもよいでしょう。
工事期間は2~4日位と短く、天井裏に断熱材を隙間なく敷き込むだけで、室内温度を適温に保てるようになることが期待できます。
天井の断熱リフォームでは、断熱材を天井の骨組みの間に敷く「敷き込み工法」、もしくは綿状の断熱材を吹き込んでいく「吹き込み工法」が一般的です。
吹き込み工法は、梁などの障害物が多い天井でもリフォームしやすいのが特徴です。
断熱材の材料費もさほど高くはなく、1㎡あたりの施工費用は約4~8千円なので、例えば一戸建てで20㎡位の天井なら、8~16万円程度で家全体の天井裏を断熱リフォームできます。
天井裏に人が入れるスペース、および人が入っても充分な強度があれば、天井裏から施工可能なので、天井材を剥がさずに済みます。
一方、天井を外す必要がある工事の場合には、リフォーム費用が+20万円以上高くなることも多いので、見積もりの際にリフォーム業者に確認しておきましょう。
床下の断熱リフォーム
畳やフローリングからの冷えが気になる方には、床下断熱がおすすめです。
床下の断熱リフォームは、一戸建ての場合は床材を剥がすことなく、床の裏から断熱材を入れることが可能なケースが多いです。
もちろん床材が劣化している場合には、一緒に張り替える工事を依頼することもできます。
工事は、床下から断熱材を追加する場合は1、2日で完了し、床材の張り替えも同時に行う場合は3~6日位かかります。
床下の断熱リフォームの費用相場は、天井のリフォームと同様で1㎡につき4~8千円程度です。
ちなみに、床暖房の設置とあわせて、床下に断熱材を追加するのも良策です。
内窓(インナーサッシ)を追加するリフォーム
室内で適温になった空気は、窓の隙間から外へ逃げていきやすい性質があります。
内窓(インナーサッシ)の設置によって気密性を高めることにより、断熱効果が上がります。
さらに窓ガラスを断熱性の高い物にすると、より効果的です。
内窓を設置するリフォームは、1ヶ所につき8~15万円前後、人が出入りできるサイズの掃き出し窓なら10~30万円前後で施工可能です。
窓ガラスの種類によって価格が異なり、単層ガラス<複層ガラス<断熱複層ガラスの順に高額になっていきます。
家の断熱性に合わせて、リフォーム会社のアドバイスを聞きながら素材を選ぶとよいですね。
なお気密性を上げる窓・サッシのリフォームは、結露対策や防音対策にも最適です。
工期は1、2日と短期間なので、すぐに防寒・防音リフォームをしたい方にもおすすめです。
断熱塗料の『ガイナ』などを用いて、外壁塗装や屋根塗装を行う方法もあります。
断熱塗装の価格は、外壁なら1㎡あたり2.3〜4.5千円、屋根なら1㎡につき3〜6千円前後で、工期は1~4週間位です。
【2021年度版】断熱リフォームの補助金制度・申請期間
ここで、断熱リフォームの際に活用できる補助金制度「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」と「次世代省エネ建材の実証支援事業」について確認しておきましょう。
夏〜秋に受付終了してしまう可能性が高いため、計画的に申請スケジュールを組むことをおすすめします。
既存住宅における断熱リフォーム支援事業
「既存住宅における断熱リフォーム支援事業(通称:旧・断熱リノベ)」は、一戸建て住宅やマンションにおいて、断熱工事の際に利用できる補助金制度です。
該当物件にお住まいの方はもちろんのこと、管理組合の代表の方(集合住宅の場合)も申請可能です。
(※2022年1月現在、令和3年度実施分は受付中です。)
次世代省エネ建材の実証支援事業
一戸建て住宅やマンションで、断熱パネルや潜熱蓄熱建材などを採用したい際に申請できます。
一緒に、潜熱蓄熱建材や調湿建材を使ってリフォームしたい場合にも適しています。
物件を所有する個人の方や、工事内容によっては賃貸住宅を所有する方も利用可能です。
(※2022年1月現在、令和3年度実施分の受付は終了しています。)
なお、いずれの補助金も対象となる製品が指定されています。
代表的なメーカー品の一部は後述しますが、実際にリフォームする時には、補助金の知識もある施工業者と相談しながら、最適な建材を選ぶとよいでしょう。
補助金対象になる主なメーカー品5選
それではここで「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」や「次世代省エネ建材の実証支援事業」の補助対象になる、メーカー品の例について確認しておきましょう。
とりわけ「既存住宅における〜」対象の製品は、15%以上の省エネ効果が期待される建材ですから、リフォーム後の変化が楽しみですね。
LIXIL『ココエコ(インプラス/ウォール インプラス/フロア インプラス)』
デザイン性の高い住宅設備で定評のある、LIXIL(リクシル)社が提案する『ココエコ』。
「既存住宅における〜」「次世代省エネ建材〜」いずれの補助金も申請可能で、外気に面する窓・壁・床をリフォームできます。
窓には、内窓の代表的な製品「インプラス」を施工。
床の上には15mm厚の「フロアインプラス」をプラスすることで、フローリングも真新しく♪
そして既存の内壁の上に、わずか24mmの高性能の真空断熱材「ウォールインプラス」を貼ると、壁紙自体も美しく一新できます。
LIXIL社のデータによると、冬場のエアコン使用時の壁面温度が、施工前に比べて6.7℃もアップします。
一戸建てでもマンションでも、一部屋ごとのリフォームが可能なので、例えばリビングのみの断熱リフォームもOK。
数日で完工するため、住みながらの工事が可能です。
日本製紙木材『スーパージェットファイバー』
「既存住宅における〜」の補助対象になる『スーパージェットファイバー』は、吹き抜け工法用のセルローズファイバー材。
売れ残った新聞古紙を主原料としており、また一般的なガラス繊維断熱材に比べて製造エネルギーは約5分の1と、とてもエコな製品です。
木質繊維ならではの吸音性や吸放湿性もあるため、防音効果や結露対策も期待できます。
YKK AP『マドリモ 内窓 プラマードU(Low-E複層ガラス仕様)』
内窓のリフォームには、おしゃれで高性能な建具メーカーとしても人気のYKK AP社の『かんたん マドリモ 内窓 プラマードU』も一押し商品です。
「既存住宅における〜」と「次世代省エネ建材〜」どちらの補助金も利用可能です。
施工時間は、1窓あたり約1時間。
一戸建てはもちろん、マンションの専有部分にも施工可能です。
窓枠のカラーは、木目調・ホワイト・グレーなどの6タイプから選べるので、インテリアに合わせてコーディネートできます。
ウッドワン『あったかべ(RC構造用)』
ウッドワン社の断熱改修パネル『あったかべ』は「次世代省エネ建材〜」の補助対象です。
既存の壁に貼るだけで、体感温度が約4℃向上、省エネ等級ワンランクアップに相当する効果を得られます。
室内側からパネルを取り付けるだけの簡単な工事のため、大掛かりな作業が必要なく、リーズナブルかつスピーディーに、リフォームできます。
RC構造用の商品なので、マンションでの断熱工事に打って付けです。
総厚みは34.5mmと薄いので、室内スペースが極端に狭くなる心配もありません。
内窓の設置工事と組み合わせることで、より高い断熱性能を期待できるでしょう。
永大産業『エコ熱プラス フローリング』
「次世代省エネ建材〜」補助対象になる潜熱建材・『エコ熱プラス フローリング』は、永大産業社と三菱ケミカルインフラテック社が共同開発した自信作です。
2018年度に「第63回木材加工技術賞」を受賞するほど、木材加工・利用技術を高く評価されています。
12mm厚のフローリングに潜熱蓄熱材が内蔵されており、省エネ機器で作られた温水を循環させることによって放熱し、室内の温度を快適に保ちます。
冬場は窓から自然光を取得・蓄熱し、日没後に放熱させるため、暖房代を節約できるでしょう。
「内断熱(内張り断熱・充填断熱)」と「外断熱(外張り断熱)」の違い
ところで、断熱材のリフォームには、大きく分けて「内断熱(内張り断熱・充填断熱」・「外断熱(外張り断熱)」と2通りの工法がありますが、具体的に何が違うのか、気になっている方もいらっしゃると思います。
そこで、それぞれの特徴とメリット・デメリットについて、こちらで解説しておきましょう。
内断熱(内張り断熱・充填断熱)とは
「内断熱」は「内張り断熱」「充填(じゅうてん)断熱」とも呼ばれ、会社によって工法はやや異なりますが、柱や梁の間を埋めるように断熱材を詰めていくのが一般的です。
「断熱パネル工法」や「吹き込み工法」も、この内断熱の一種です。
外壁・天井・内壁・床に施工する場合に用いられる工法で、リフォーム費用は外張り断熱に比べると安く、1㎡につき4千~2万5千円程度です。
柱と柱の間に断熱材を詰めるので、壁を厚くする必要がありません。
敷地面積を広げずに断熱の施工を行えるため、都市部の狭小住宅などに非常に適していると言えるでしょう。
ただ、屋根の部分は断熱材で覆うことができず、また柱がある部分は断熱材が途切れてしまいます。
後述する「外張り断熱」の工法と比較すると、断熱効果がやや劣るというデメリットがあります。
さらに注意点として、コンセント・配管周囲にも断熱材を丁寧に施工しないと、コンセント周りに気温差で結露が発生する危険性があるので、充填断熱の施工経験が豊富なリフォーム会社に任せられると安心でしょう。
外断熱(外張り断熱)とは
一方、「外断熱」「外張り断熱」とは、外壁・屋根や、建物の基礎部分に施工する場合に採用される工法で、建物の構造ごと断熱材で覆います。
柱や梁の外側に断熱材を施工するので、断熱材が分断されることがなく、高い断熱効果を生むことのできる方法です。
外断熱の最大のメリットは断熱性の高さです。
部屋全体が、断熱材でぐるっと囲まれ、くるまれている状態になるので、熱の出入り口がほとんどなく、夏は外からの熱を遮断し、冬は室内の熱を逃がさないというメリットがあります。
コンセントや配管の周囲が結露する心配もありません。
ただし、リフォーム時の価格帯は1㎡あたり8千~3万円と幅があり、高額になりやすく、柱や梁も断熱材で覆うため、その分だけ壁の厚みが増してしまいます。
また断熱材の上に外壁を作ることになるので、正確な施工が施されていないと、災害や経年劣化などによって破損する可能性があります。
不慣れな業者に工事を依頼しないよう、注意したほうがよいでしょう。
断熱リフォームにおいて、どの工法や製品が適しているかは、建物の構造や、住む方がどのような生活スタイルであるかによっても異なります。
納得のいくリフォームを実現するためには、できれば複数の施工会社と相談し、ご自宅に最も合った提案をしてくれる業者に工事を頼みましょう。
業者によっては、活用しやすい補助金の案内や申請代行などもしてくれるので、現地調査の際に聞いてみるとよいですよ。
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