【結婚式・お葬式】ふくさはどう使う?マナーと注意点をご紹介
結婚式のご祝儀やお葬式の香典などはふくさに包むのがマナーです。ふくさはどのように包むのか、またどのように選ぶのかご存じですか? 今回は改まったシーンで金封を包むふくさについて、マナーをまとめてご紹介しましょう。
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ふくさとは?どんなときに使う?
ふくさとは、金封を包む小さな風呂敷状の布のことです。ちりめんなどでできており、一重または二重に縫われています。
【ふくさは必要?】
ふくさは、金封を持ち歩く途中で、水引が乱れないように、また袋が汚れたりしわになったりしないようにするために使います。また「お祝いやお悔やみの気持ちをともにする」「言葉には表せない気持ちを包んで贈る」という意味もあり、相手への礼儀を示すために必要です。
金封を裸のままカバンやスーツのポケットに入れたり、金封が包装されていたセロファンの袋に入れたりして持参するのは大変失礼にあたります。もしふくさがない場合は、小さな風呂敷や大きめのハンカチで代用しましょう。
【ふくさの由来】
ふくさはもともと、贈り物を届ける途中で日に焼けたり、汚れたりするのを防ぐために包んでいた布でした。また贈り物を裸のまま運ばないよう、体裁を整える意味もあったといいます。
江戸時代にはこの布が専用の立派なものになってきます。元禄時代には裏のある今のふくさに近くなりました。さらにデザイン性も加わって、さまざまな絵柄が刺しゅうされるようになったのもこのころです。絵柄は贈り主の心を表すとされ、現在でも動植物や説話のシーン、自然風景などを題材して、目的別に華やかなふくさが見られます。
さらに江戸時代の中期には、後述する掛ふくさも登場しました。掛ふくさとは、贈り物を直接包むのではなく、広蓋という黒いお盆に贈り物をのせ、その上にかぶせる房のついたふくさのことです。正式には、さらにそれを風呂敷で包みます。この掛ふくさと広蓋のセットは現在でも慶弔の儀式などを中心に使われています。
ふくさのマナー!包み方や広げ方について
ふくさには正しい包み方、広げ方があります。これらは慶事と弔事で異なりますので、以下でそれぞれご紹介しましょう。
【慶事の際の包み方】
結婚式のご祝儀など慶事の金封を包むときは、以下のようにします。
まず4つの角が上下左右になるようにふくさを広げます。上から見てひし形になるような状態です。
次にふくさの中央から少し左寄りに祝儀袋を置きます。このとき、祝儀袋の表が上になるように置いてください。
それから、それぞれの角を左、上、下、右の順に折りたたみます。右が一番上になる包み方が慶事での包み方です。
そして最後に左側の余った部分を内側に折りたたみます。左側の上下に小さな三角形が見えるようにするのがポイントです。
袋状の金封ふくさの場合も、右が上になるように(右開きになるように)包んでください。
【慶事の際の広げ方と金封の渡し方】
ふくさは受付など相手の目の前でカバンや懐から出します。
慶事の際は、まず左手にふくさに包んだ祝儀袋を置き、右手を使ってふくさを広げて取り出します。ふくさを開いたら表書きの字が渡す相手に見えるよう、右回りに向きを変えてください。
【慶事の際の広げ方と金封の渡し方】
ふくさは受付など相手の目の前でカバンや懐から出します。
慶事の際は、まず左手にふくさに包んだ祝儀袋を置き、右手を使ってふくさを広げて取り出します。ふくさを開いたら表書きの字が渡す相手に見えるよう、右回りに向きを変えてください。
なおご祝儀を受付などで渡す際には、2回あいさつするのがマナーです。まず「本日はおめでとうございます」と一礼したのち、改めてご祝儀を手渡しながら「●●と申します。本日はまことにおめでとうございます」などと深くお辞儀をしながらあいさつしましょう。
【弔事の際の包み方】
お葬式の香典など弔事の金封を包むときは、以下のようにします。
まず4つの角が上下左右になるようにふくさを広げます。次にふくさの中央から少し右寄りに不祝儀袋を置きます。不祝儀袋の表が上になるように置いてください。
それから、それぞれの角を右、下、上、左の順に折りたたみます。左が上になる包み方が弔事における包み方のポイントです。
最後に右側の余った部分を内側に折りたたみます。慶事の場合とは逆に、右側上下に小さな三角形が見えているかをチェックしましょう。
なお袋状の金封ふくさの場合も、左側が上になるように(左開きになるように)包んでください。
【弔事の際の広げ方と金封の渡し方】
慶事の場合と同様、まずふくさは受付などの目の前でカバンや懐から出します。
弔事の際は、右手にふくさに包んだ不祝儀袋を置き、左手を使ってふくさを広げます。ふくさを開いたら表書きの字が相手に見えるように、左回りに向きを変えましょう。慶事の場合とは回し方が逆ですので注意してください。
その後、ふくさをたたんで不祝儀袋を取り出します。それから受付の台に不祝儀袋を置き、滑らせるようにしながら両手で不祝儀袋を渡してください。もし台がない場合は、たたんだふくさに不祝儀袋を重ねて渡しても問題ありません。
また台ふくさの場合は台をふくさから取り外して使います。不祝儀の場合は緑の側が上になるようにして台を使ってください。この色が逆になると大変失礼になるため注意しましょう。
香典を渡すときには、2回お悔やみの言葉を述べましょう。最初に「ご愁傷さまでございます」と言って礼をしたあと、改めて、「このたびはご愁傷様でございます」「このたびはまことに突然のことで……(語尾をぼかす)」などと言い添えながら香典を渡すのがマナーです。
ふくさの色・種類など一覧!適切で使いやすいふくさを選ぼう
ふくさにはさまざまな色や種類のものがあります。シーン別に、どのようなものを使えばいいのでしょうか。以下でチェックしていきましょう。
【ふくさの色】
ふくさの色は大きく暖色系と寒色系の2つに分かれます。このうち、慶事では赤やピンク、ふじ、金などの暖色系を使うのがマナーです。一方弔事では紺、青、緑、グレーといった寒色系を使います。
なお紫色のふくさは慶事・弔事どちらでも使えます。男女問わず使える色でもありますので、持っておくと便利でしょう。
【ふくさの柄】
ふくさに刺しゅうで柄がついている場合は、シーンに合わせた柄のものを選んで使いましょう。
慶事では、縁起物の柄を使います。たとえば鶴や鳳凰、おしどりといった動物、松や梅などの植物、宝づくしなどの柄が適切です。
一方弔事の場合は悲しみを表す植物の柄を使います。蓮や蘭、菊などの植物柄は弔事に使うものですので、間違って慶事で使わないよう注意しましょう。
なお家紋をつける場合は、表に家紋を入れ、裏に絵柄を入れるのが正式な形だとされています。
【ふくさの種類】
多くの種類があるふくさのなかでも基本的な形のものは「手ふくさ」です。サイズは45センチ~57センチ程度で、裏地がなく、小さな風呂敷のようなものを言います。やわらかな手触りが特徴です。金封を包むときのほか、盆の上にかぶせて使うこともできます。
手ふくさに白い裏地がついたものは「袷ふくさ(あわせふくさ)」といいます。金封を包む際に最適のタイプで、もっともよく使われているタイプです。
袷ふくさのなかには、使いやすさを重視した便利なものも出てきています。
「台ふくさ」は金封を渡すための台(簡易の切手盆)がついているふくさです。ふくさに包む際、金封をとめられる点でも役立ちます。包む額が大きいときにもふさわしいとされるため、1つ持っておくと安心です。なお台は赤いほうが慶事用、緑のほうが弔事用です。
四隅の1つにとめ爪のついた「爪付きふくさ」というものもあります。ふくさがばらばらに広がってしまわないように固定できるので使いやすいでしょう。
財布型の「金封ふくさ」は包む必要がないので使い勝手がよく人気です。なかでも「ソフト金封ふくさ」は金封を取り出したあと、たたんで上着の内ポケットなどに入れられます。さまざまな色や柄が展開されているため、選ぶ楽しみもあるでしょう。
ただし金封ふくさは略式であるため、包む額が少額の場合に使ったほうがいいとする意見もあります。最近では頻繁に使われるようになってきていますが、気になる場合は台ふくさや爪付きふくさを用意したほうがよいでしょう。
そのほか、お盆と一緒に使うふくさには、「掛ふくさ」というものがあります。四隅に房がついているのが特徴で、お盆の上に贈り物などをのせ、その上にかぶせて使うものです。
なおふくさは種類によって厳密には字を使い分けるとされています。掛ふくさの場合は「袱紗」、手ふくさや袷ふくさ、金封ふくさは「帛紗」と書くのが正式です。
【ふくさの生地】
もっとも手軽なふくさはポリエステルなどでできています。値段も1,000円程度と安いため、取り急ぎで間に合わせたいという場合にはよいでしょう。
より高価なふくさは絹を使ったものです。包む額が大きくなるほどふくさも格上のものを使ったほうがよいとの考えから、1枚持っておくと役に立つでしょう。値段は5,000円前後のものから、100,000円以上するものまで幅広くあります。ちりめんタイプのものがメジャーです。
ふくさはどこで売っている?
ふくさを買おうと思っても、どこに売っているのか迷うことがありますよね。特に弔事のときなどは、突然ふくさが必要になるということもあるでしょう。いざというときにどこでふくさを売っているか把握しておけば、スムーズに用意できます。
ふくさは一般的に、デパートや大型スーパーの礼服・フォーマルウェアコーナーに売られています。喪服などを準備するときにあわせて購入しておくと忘れずに済みますよね。
デパートであれば、和装売り場にもよく置かれています。風呂敷と同じ場所に売られていることも多いため、探してみるとよいでしょう。
仏具売り場に売られていることもあります。弔事用の色のもののほか、慶弔両方に使える紫色のものが売られていることも多いため便利です。
また文具屋の祝儀袋・不祝儀袋のコーナーに置いてあることもあります。初めてご祝儀や香典を渡すという人は、金封と一緒にそろえられるので便利かもしれません。
「取り急ぎでもいいからできるだけ安く準備したい」という人は100円ショップで探してみましょう。最近では100円でもしっかりしたものが売られていることもあります。もし種類が選べるようであれば、金封ふくさが使い勝手がよいでしょう。
柄や色、記事などを吟味したいという場合は、インターネットで探すのがおすすめです。ふくさの専門店もあり、名入れを受け付けてくれる場合もあります。名入れのものだと特別感も増しますよね。お気に入りの1枚がきっと見つかるでしょう。
まとめ
今回は結婚式のご祝儀やお葬式の香典を包むふくさについて、選び方や包み方のマナーをご紹介しました。いかがでしたか?ふくさひとつについても細かいマナーがあることが分かったのではないかと思います。お祝いやお悔やみの気持ちを心から伝えるためには、ふくさも適切に使いたいものです。万が一間違えて使って失礼になることのないよう、マナーを押さえてふくさを使ってくださいね。
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