【金額別】ご祝儀袋の選び方!水引やのしの種類、表書きの書き方についても解説
ご祝儀袋は包む金額によって正しい選び方があります。また水引の結び方や数のほか、のしの種類についてもシーン別にチェックしたいところです。今回は結婚祝いや出産祝いに使うご祝儀袋について、種類や選び方を徹底解説します。
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ご祝儀袋ののしと水引
ご祝儀袋にはのしと水引が必須です。以下ではのしと水引について、由来や種類を詳しく解説しましょう。
【のしとは】
ご祝儀袋の右上についているひし形の飾りや印刷のことを「のし」といいます。
のしは古来よりお祝いごとに使われていたアワビが由来です。かつて日本ではお祝いごとに生ものを使っていたため、魚介類を贈る風習がありました。2,000年前ごろには、伊勢神宮でアワビがお供えされるようになり、のちに生のアワビではなく日持ちのよい「のしあわび」が納められるようになります。
そして江戸時代には、のしあわびがおめでたいものの象徴として贈答品に添えられるようになりました。それが現代では、代用品であるのし飾りや、印刷のしに変化しています。
のしはご祝儀袋には必ずつけますが、たとえばお中元やお歳暮などで贈るものが魚介類や精肉の場合は、つけないのがマナーです。またお見舞いなどにものしをつけないため注意しましょう。
【のしの種類】
のし飾りにはさまざまな種類があります。以下で使うシーンとともにご紹介しましょう。
「真」という種類ののし飾りは、目上の人の結婚など、特に改まったお祝いの場面で用いられます。
「行」は真と比べ、堅苦しくないシーンでのお祝いごとなどに使われるのし飾りです。同僚や友人への贈り物に適しています。
「草」はちょっとした贈り物に使うのしです。後輩や親しい友人などに対して使いましょう。
「文字のし」は、印刷されたのしで、ちょっとした贈り物のほか、お年玉のポチ袋などに使う略式ののしです。
「わらびのし」も文字のしと同様のシーンで使われます。わらびの絵が描いてあるのが特徴です。
「松葉のし」も文字のしと同様の場面で使うのしです。松葉の絵が描かれてあります。
「飾りのし」は結婚祝いなどに使われる華やかなのしです。高額を包む場合にも適しています。
「両折のし」は慶事全般に使われるのしです。目上の人から親しい人まで幅広く使えます。
【水引とは】
水引は、贈答品の包み紙や封筒を結ぶ紙製の紐を指します。「贈答品や金包みをしっかり結びとめる」という意味のほか、「けがれのないものを贈る」という意味が込められています。
水引の起源は、飛鳥時代に来日した中国(隋)の使者から贈られた品に、紅白の麻ひもが結ばれていたことにあるとされてます。それが日本でも宮中へ品物を献上する際に使われ、やがてこの習慣が庶民にも広まって定着しました。
その後、水引は麻ひもではなく、こよりにした和紙が使われるようになりました。その際、緩まないように水糊を使ったことから、「水引」と呼ばれるようになったとされています。
【水引の色】
慶事に使われる水引の色は、「紅白」「金銀」「金赤」が一般的です。最近ではピンク色や緑色のものも売られていますが、カジュアルな場面に限って使うのがよいでしょう。
【水引の結び方】
水引の結び方は、大きく「結びきり」と「花結び」の2つに分けられます。
結びきりは、一度結ぶとほどけないため、一度きりであってほしいことを願って使われる結び方です。結婚祝いや快気祝いのほか、お悔やみにも使われます。慶事では水引の両端が上向き、弔事の場合は下向きになるようにします。
慶事に使う結びきりには、さまざまな種類があります。
「あわじ結び」は、もっともよく使われる結びきりのひとつです。明治以降に考案されたもので、鳴門の渦潮の形に由来した名前だとされています。またアワビの形に似ていることから「あわび結び」とも呼ばれます。2つの輪が互いに結び合い、両端を引っ張るとさらに強く結ばれる結び方であるのが特徴です。「末永くお付き合いしたい」という願いが込められています。なお、両端を下向きにした場合は弔事にも使えます。
「輪結び」は結びきりの「切れる」という意味を避けた結び方で、その形から「日の出結び」とも呼ばれます。結婚祝いなどに使われる結び方です。
「老いの波」は、「目じりにしわができるまで永く添い遂げよう」という意味のある結び方で、婚礼や結納に使われる結び方です。
一方花結びは、何度でもほどいて結びなおせることから、繰り返してもよいお祝いの際に使われます。別名「両輪結び」「蝶結び」ともいわれる結び方です。出産や進学、入学など、結婚以外のお祝いごとに適しています。
【水引の本数】
慶事で使う水引の本数は、3本、5本、7本などの奇数で、もっとも多く使われるのが5本です。3本は5本を簡略化したもので、粗品などに使われます。より丁寧な気持ちを表したいときには7本を選びましょう。また結婚関係は「5本の2束」で10本1組です。
なお9も奇数ではありますが、「苦」を連想させ縁起がよくないため、避けるのが一般的です。
金額別!ご祝儀袋の種類
ご祝儀袋は包む金額が大きくなるほど、豪華なものを選びます。ご祝儀袋の値段の目安として、包む金額の100分の1程度のものを選ぶとよいでしょう。
【10,000円程度】
たとえば結婚式に出席できないときに10,000円程度を郵送する際などのご祝儀袋は、のしや水引が印刷されているものを選びます。「出席できないからご祝儀袋だけでも華やかに」と思う人もいるかもしれませんが、それはマナー違反です。
【50,000円以上】
夫婦連名で包むときなど、包む金額がさらに大きくなった場合は、より正式なご祝儀袋を選びます。結びきりの場合は輪結びの水引がおすすめです。さらに100,000円以上など、より高額の場合は水引で鶴亀を図案化したものが華やかでよいでしょう。
またご祝儀袋の紙も格の高いものを選んでください。表面に波状のしぼのある檀紙が使われたものは格上になります。
【20,000~30,000円程度】
親しい友人や後輩に対して20,000円前後のお祝いを贈るときなどは、ある程度カジュアルなものを使ってもよいでしょう。たとえばのしや水引がデザイン化されたもの、正式な白ではなくカラフルな色のものは個性が伝わり喜ばれます。
【30,000~50,000円程度】
仕事関係や家族・親族、目上の人に対してお祝いするときのほか、包む金額がある程度大きくなった際には、ご祝儀袋も礼儀を重んじたものにしましょう。結びきりの場合はあわじ結びの水引を使い、水引の色は格上の金銀にするのがおすすめです。紙の色は正式な白のものを使いましょう。
ご祝儀袋の書き方
ご祝儀袋の表書きや中袋の書き方にもマナーがあります。以下でチェックしましょう。
【表書きの書き方】
表書きは毛筆または筆ペンで書きます。ただし弔事で使う薄墨の筆や筆ペンは避けましょう。
水引の下にはフルネームを書きます。楷書体で濃くはっきりと書きましょう。「寿」「御祝」などの名目よりもやや小さめに書くのがポイントです。
連名の場合は、右にいくほど目上になるように書いてください。なお上下関係のない友人同士などで連名にする場合は、右から五十音順になるようにするのがよいでしょう。
連名は3名までを限度にしてください。それ以上になる場合は、代表者の名前を中央に書き、その左側に「外一同」と書きます。全員の名前は別紙に書いて、中包みに同封しましょう。
夫婦や家族などでご祝儀を贈る場合は、夫か妻の片方を代表者としてフルネームで書き、その左側にほかの家族を目上の順に下の名前だけを書くときれいにまとまります。
水引の上側には「寿」「御祝」「御結婚御祝」「御出産御祝」などの名目を書きます。すでに印刷されている場合は改めて書く必要はありません。なお「祝御結婚」などは4文字で「死文字」となってしまい、縁起が悪いとされるため避けます。
なおご祝儀袋セットに名目が書かれた短冊がついている場合は、その短冊の下部に名前を記入しましょう。また無地の短冊が同封されている場合は、表書きの短冊と重ねて使ってください。これには「喜びが重なるように」という意味が込められています。重ねた短冊がバラバラになってしまわないよう、中央などを軽く糊づけしておくのがおすすめです。
【中袋の書き方】
中袋は毛筆か筆ペンで書きます。ペン字でも問題ありません。
表には「金●萬圓」という形で包む金額を書きます。数字は旧字体で書きましょう。なお「也」はつけてもつけなくてもかまいません。
中袋に書くことの多い旧字体を以下でご紹介しましょう。
・一:壱
・二:弐
・三:参
・五:伍
・七:七
・八:八
・十:拾
・万:萬
・円:圓
裏には住所と名前を書きます。読みやすいようにはっきり正確に書いてください。
もし中袋に住所や名前、金額を書く欄が印刷されている場合は、その欄に沿って記入しましょう。記入欄どおりであれば、たとえば金額が裏、住所と名前が表になっていてもかまいません。
また裏に金額欄だけが印刷されている中袋を見ることもあるでしょう。その場合は記入欄に金額を書き、裏の余白に住所と氏名を記入してください。その際、表に改めて金額を書かなくても問題ありません。
包み方、袱紗の扱い方などご祝儀袋のマナー
ご祝儀袋にはどのようにお金を入れればいいのでしょうか。またどのように包めばよいのでしょうか。以下で確認しましょう。
【お金の入れ方】
ご祝儀には新札を使いましょう。銀行などで用意してください。もし新札を準備できなかった場合は、アイロンでお札のしわをのばして使えばきれいになります。また結婚式のご祝儀の場合は、会場のフロントで新札に替えてもらうのもおすすめです。
お札を中袋に入れる際の向きは、人物が印刷されている側を表にし、右側を上にしてください。
【上包みの包み方】
ご祝儀袋の上包みは、下側が上になるように折るのがマナーです。なお上側が上になるようにする包み方は弔事を意味します。
表書きが中央にあるご祝儀袋の場合は、まずご祝儀袋を開いて裏返したら、ご祝儀袋の真ん中あたりに中袋の裏側を上に向けてのせます。それから左側、右側、上側、下側の順に折りましょう。
表書きが左側にあるご祝儀袋の場合は、まずご祝儀袋を開いて裏返したのち、ご祝儀袋の真ん中あたりに中袋の表側を上に向けてのせます。その後、左側、右側を折り、表書きが手前に来るようにしてください。それから裏返して上側を真ん中に折ったあと、下側を真ん中に折るときれいに折れます。
【袱紗の扱い方】
ご祝儀袋は汚れないよう、袱紗に入れて持ち運ぶのがマナーです。袱紗は布でできた風呂敷状のものが一般的ですが、最近では「金封袱紗」と呼ばれる札入れのようなタイプも見られます。
慶事で使う袱紗は赤やピンクなど暖色系のものを使いましょう。なお紫は慶事・弔事どちらにも使えます。
袱紗にご祝儀袋を包む際には、まず袱紗を広げて中央よりやや左にご祝儀袋を置きます。それから左側、上部、下部、右側の順に中に折り込んでいきましょう。余った部分は裏へ折り返します。袱紗を左手で持ったときに、右開きになるようにしてください。
まとめ
今回の記事では、お祝いに使うご祝儀袋の種類や選び方について詳しく解説しました。大切な人へのお祝いの気持ちを伝える際には、マナーを守って失礼のないようにしたいものですよね。贈るシーンや包む金額それぞれにふさわしいご祝儀袋を選んで、「おめでとう」の思いを伝えてくださいね。
ご祝儀袋はこちらからも入手可能です。ぜひ参考にしてみてください!
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