可憐なコスモスを鉢植えで楽しもう!コスモスの種類別の育て方のポイント

コスモスといえば淡いピンクの花が思い浮かぶ人が多いでしょう。でも、現在では、コスモスの花はとても多彩になっています。今回は、いろいろなコスモスをご紹介するとともに、鉢植えで育てるときのポイントについて、コスモスの種類別にご紹介しましょう。

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【目次】
・どれを選ぶ?現在では多彩なコスモスの品種
・コスモス・ビピンナツスの育て方のポイント
・コスモス・ビピンナツスの種まきのコツは?
・コスモス・ビピンナツスの用土、肥料、水やりは?
・コスモス・ビピンナツスの草丈を低く抑える方法
・キバナコスモスの育て方のポイント
・キバナコスモスの用土、水やり、肥料は?
・キバナコスモスの花を長く楽しむためには?
・チョコレートコスモスの育て方のポイント
・チョコレートコスモスの用土、水やり、肥料は?
・チョコレートコスモスを秋にも咲かせる方法
・チョコレートコスモスのふやし方は?
・チョコレートコスモスをインテリアに活かそう!
・まとめ

どれを選ぶ?現在では多彩なコスモスの品種

誰もが思い浮かべる淡いピンクの花のコスモスは、コスモス・ビピンナツスという種類になります。

メキシコの標高1600m以上という高地に自生する植物であり、日の長さが短くなると花芽をつける短日植物です。したがって、夏に種まきして、秋に花を楽しむという和名「秋桜」の通りの植物です。

しかし、現在では、種まきから3か月くらいで花が咲く早生品種も多く出回っています。また、コスモスの仲間にはビピンナツスの他に、チョコレートコスモスやキバナコスモスもあります。いろいろあるコスモスを、順番に見てみましょう。

1. コスモス・ビピンナツスの仲間
野生種では草丈が2~3mにもなりますが、園芸品種では40~150cmくらいです。日本へは江戸時代末に伝わったとされていますが、広く普及したのは明治に入ってからとのことです。

・センセーション
コスモスといえばコレというほど、一般的に普及しているのがこの品種です。1930年代にアメリカで作出された早生品種であり、日の長さにあまり影響を受けずに花を咲かせます。花が大きく、強健で育てやすいところが人気の理由でしょう。

・ベルサイユ
センセーションの改良種であるベルサイユは「センセーション・ベルサイユ」と呼ばれることもあります。花径が10~12cmという大輪の花が人目を引きます、花の色もピンク色、濃いピンク色、白色と富んでいます。

・イエローガーデン
1957年に世界で初めて日本で開花に成功した黄色いコスモスとして有名です。ノスタルジックな風情があり、人気があります。現在では、秋咲きコスモスの代表的な品種といえるでしょう。

・シーシェル

一般的にコスモスは、桜の花びらと同じような形をした花びらを持ちますが、この品種は花びらが筒状です。このコスモスも、日の長さにあまり影響を受けない早生品種です。

・サイケ
花びらの付け根に小さな花びらがついているというコラレット(襟飾り)咲きをする珍しい品種です。

・ダブルクリック
八重咲と半八重咲が混ざって花が咲きます。コスモスの八重咲としては最も華やかな花が高い確率で期待できます。ただし、成長が不良だと花弁が減少し、一重に近くなることもあります。

・ソナタ
草丈が低くコンパクトなコスモスです。育てやすく、鉢植えに人気です。種をまいてから開花までの生長が早い品種ですが、開花期間がやや短いといわれています。

2. キバナコスモスの仲間

メキシコ原産の一年草です。日本へ伝えられたのは大正時代ですが、1960年代の後半に急速に普及しました。キバナコスモスは、その名の通り主に橙色や黄色の花を咲かせます。草丈は園芸品種で30~100cmになります。耐暑性があり、丈夫で育てやすい植物です。

・サンセット
1966年に米国の花の審査会、オールアメリカセレクションで金賞を受賞したという赤色の花が咲く品種です。日本でコスモスが普及するきっかけとなった種類でもあります。

・ディアボロ
半八重咲で赤色の花をつけるディアボロは、草丈が60cm以上になります。

・サニー
草丈が20~30cmという矮小種で、花つきもよい品種です。コンテナや鉢植えに向いています。

3. チョコレートコスモスの仲間

メキシコ原産のチョコレートコスモスはダリアのような球根ができる多年草です。

・コスモス・アトロサンギネウス(チョコレートコスモス)
野生では絶滅されたといわれているチョコレートコスモスの原種です。草丈は約70cmになります。最も黒に近い花色と、チョコレートのような甘い香りが愛されているコスモスですが、高温多湿に弱いので、育てにくいことでも有名です。病害虫にも弱く、特にウドンコ病にかかりやすいことが知られています。種が採れないので、市場では分球や挿し芽でふやした株が流通しています。

・ノエル・ルージュ
チョコレートコスモスとキバナコスモスの交配種であり、濃い赤色の花をつけます。高温やウドンコ病に強い秋咲きのコスモスです。

・キャラメル・チョコレート
キャラメルのような褐色の混ざったオレンジ色の花が春と秋に咲きます。花茎が丈夫なので、切り花としても人気があります。球根があまり大きくならず、次の年に花を咲かせるのは難しいといわれています。

・ショコラ
原種のチョコレートコスモスに近い姿ですが、香りはあまり強くありません。交配種なので、耐暑性・耐寒性に優れ、とても育てやすいコスモスです。花は春から秋まで長く咲くうえ、毎年花が期待できます。

・ストロベリーチョコレート
やや大きめの花の色は、春~夏には鮮やかな赤色、秋には黒みがかった赤や赤紫色になります。切り花にしても花もちがよいといわれています。次の年に花を咲かせることは難しい品種です。

コスモス・ビピンナツスの育て方のポイント

コスモスは日光を好む植物です。したがって、鉢植えは、風通しがよく日光がよくあたる場所に置くことが大切です。日光が不足すると、ひょろひょろしてくるうえ、花つきが悪くなります。生育がよくないようでしたら、置き場所を変えてみましょう。

また、風通しが悪いと、ウドンコ病にかかりやすくなります。ウドンコ病が発生したら殺菌剤を散布してください。

コスモス・ビピンナツスの種まきのコツは?

種まきは4~9月に行います。鉢に入れた用土に直接種をまく方法が簡単です。1か所に種を3~4粒ずつまき、発芽したら間引いて育ててください。

日の長さに影響されない早生品種は、春に種まきすると夏に花が咲きますが、キャンパスシリーズなどの晩成品種は秋にならないと開花しないので、早い時期に種をまくと草丈が高くなってしまいます。したがって、晩成品種は8月以降に種まきしましょう。早生品種も種まきの時期を遅らせると、草丈を低く抑えられます。

ただし、気温があまり高いと発芽率が下がったり、苗の育ちが悪くなったりするので、夏に種まきする場合には、涼しいところで管理するようにしてください。

コスモス・ビピンナツスの用土、肥料、水やりは?

コスモスは水はけのよい土を好みます。自分で調整する場合には、赤玉土(中粒)と腐葉土とpH調整済みピートモスを5:3:2に緩効性化成肥料を適量混ぜ込んだものを用意しましょう。

肥料は緩効性肥料と液体肥料を組み合わせて施します。コスモスは肥料が少なくてもよく育つ植物なので、生育の様子を見ながら与えるようにしてください。

水やりは、土が乾いたらたっぷりと与えます。

コスモス・ビピンナツスの草丈を低く抑える方法

草丈が2m近くになることがあるコスモスは、そのままでは茎が倒れてしまわないように、支柱を立てる必要があります。

草丈を低くして育てたい場合には、5~8月にこまめに摘芯をしましょう。摘芯は花数を増やすことにもつながります。本葉が6~8枚出てきたら、先端を摘みましょう。

キバナコスモスの育て方のポイント

日光と水はけのよい土があれば、土がやせていてもよく育ちます。暑さに強いので、真夏の炎天下でも花を咲かせますが、花の赤色が出にくいことがあるようです。気温が低く、日光が不足している状態では、生育スピードが鈍り、花つきも悪くなりますので、その場合には、置き場所を変えてみてください。

種まきの適期は4月から8月と長いので、少しずつ時期をずらして種をまくと、夏から秋まで満開の花を次々と楽しむことができます。発芽にかかる日数は7~12日です。鉢やコンテナに直まきして、間引きながら育てると楽でしょう。発芽の適温は20~25度なので、夏にまいたものは涼しい場所で管理してください。

キバナコスモスの用土、水やり、肥料は?

キバナコスモスは特に用土を選びませんが、水はけがよい土を用意しましょう。自分で調整する場合には、赤玉土と腐葉土を7:3で合わせ、苦土石灰を少し混ぜるとよいでしょう。

乾燥には比較的強い植物です。水やりは、土が乾いたらたっぷり与えるのが基本ですが、鉢の中が過湿状態にならないように、水やりの前には鉢土が乾いていることを必ず確認するようにしてください。

地植えでは腐葉土などが混ぜ込んであれば肥料はいらないくらいですが、コンテナや鉢植えの場合には1か月に1度くらいの割合で化成肥料を与えます。もしも、成長が芳しくない場合には、液体肥料を与えて様子をみましょう。ただし、肥料を与えすぎると、葉が茂るばかりで花が咲かなくなってしまうので要注意です。

キバナコスモスの花を長く楽しむためには?

花がらを早めに切り、こまめに剪定することで、花を長期間咲かせることができます。2株以上植わっている場合には、開花期の終わりの頃に花を残しておいて種を採るのもよいでしょう。

種を収穫したら、春まで乾燥したところで保管しておいてください。ただし、交配種などでは、継代するうちに花の色などが変わってくることがあります。

草丈が20~30cmというサニー系やロード系の品種が、鉢植えやプランターに向いています。黄色、オレンジ、赤色など色とりどりの花を咲かせると華やかな一鉢になり、室内を明るい雰囲気が出るため、インテリアにおすすめです。

チョコレートコスモスの育て方のポイント

チョコレートコスモスの仲間は日当たりのよいところで育てるとよいでしょう。ただし、高温多湿を嫌うので、夏越しに気をつけなければなりません。梅雨から真夏の間は風通しの良いところに置くようにしてください。

特に高温多湿に弱い原種のチョコレートコスモスは、蒸れると株がダメージを受けて枯れることがありますので、半日陰に移動させるなどして、鉢の温度が上がらないようにする工夫も必要です。

秋になると地上部が枯れ、球根の状態で冬を越します。ただし、球根は土から掘り出して乾燥保存することはできません。また、凍結するとダメになってしまいますので、霜が降りたり凍結したりするところでは、鉢を外に出さずにそのまま室内に置いておきましょう。

また、春から秋にかけてはウドンコ病にかかりやすいので、薬剤で防除しておくようにしてください。

チョコレートコスモスの用土、水やり、肥料は?

チョコレートコスモスは水はけのよい土を好みます。自分で調整する場合には、赤玉土(小粒)と鹿沼土(小粒)と腐葉土を3.5:3.5:3くらいになるように混ぜ合わせるとよいでしょう。

乾燥を嫌うので、水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えてください。肥料は、春と秋に化成肥料を少し施します。秋の肥料は、翌年のために球根を太らせる役割があるので忘れないようにしましょう。

チョコレートコスモスを秋にも咲かせる方法

花がらはこまめに花茎の下から切り落としてください。夏の初めころに花が一段落したら、草丈が半分くらいになるように茎を切り戻します。そうすると、脇から新しい芽が出て、秋に再び花が楽しめます。

チョコレートコスモスの増やし方は?

チョコレートコスモスは原種だけではなく、交配種も基本的には種ができません。したがって、増やしたい場合には、株分けか挿し芽をおこないます。株分けの適期は4~5月、挿し芽の適期は6月です。

チョコレートコスモスをインテリアに活かそう!

花色にインパクトがあるので、チョコレートコスモスだけで大株に仕立てると見栄えがします。シルバー系の葉の観葉植物とあわせるとシックな空間が演出できるでしょう。インテリアグリーンに寄せ植えを考えている場合には、チョコレートコスモスを入れるとよいアクセントになりますよ。

まとめ

コスモスは園芸品種が次々と作られている植物のひとつです。可憐な草姿は鉢植えにして室内に飾るのもぴったりです。日当たりと風通しさえよければ、育てやすいものが多いので、気に入った品種を見つけたら、ぜひ育ててみてください。

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