コチョウランでおしゃれなインテリア♪上手な育て方と増やし方を解説

お祝い事のプレゼントに贈られることの多い「コチョウラン(胡蝶蘭)」。頂いたコチョウランの鉢植えは玄関やリビングのインテリアとしても映えることをご存じですか? ランを大切にお手入れすると、またきれいな花を咲かせてくれますよ。今回は、コチョウランを上手に育てるポイントを、仕立て直し方や増やし方とあわせて解説します。記事を参考にして、コチョウランを活かしたおしゃれなインテリアにチャレンジしてみてくださいね。

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【目次】
・コチョウランの花鉢は、どこに置く?
・花が咲いているときのお手入れ
・花が終わったコチョウランはどうする?
・コチョウランの増やし方
・コチョウランの種類と花言葉
・葉だけの鉢に、造花をプラス
・コチョウランは次の花を咲かせる楽しみがある

コチョウランの花鉢は、どこに置く?

花屋や園芸店で販売されるコチョウランは、花が咲いた状態で並んでいます。コチョウランは次々に花が咲き、最初に咲いた花は、長いものでは1か月以上も咲き続けることがあります。

美しい状態を長く保たせるために、気を付けたいのが、その置き場所。コチョウランにとって最適な場所を選び、環境を整えましょう。

➢ 日当たりが良く、風通しの良い場所を選ぼう
コチョウランは直射日光に弱く、強い日差しに当たり続けると、花や葉の色が変わってしまいます。もともと温室で育てられる蘭の種類であることを前提に、レースカーテン越しなどの、明るい日陰を選びましょう。

加えて、風通しの良い場所であることも大切な条件です。コチョウランをプレゼントでいただく場合、花が傷つかないように薄紙で覆ってあったり、鉢の部分がラッピングされていたりする場合があります。花を覆う薄紙は、到着後すぐにはずし、お披露目が終わったらラッピングも必ず取り除きましょう。そうすることで、花にとって、呼吸がしやすい状態になります。

加えて、コチョウランを屋外に置く場合には、害虫がつかないように注意すること。土の上に直置きするのではなく、少し高さのある台の上に置くとよいでしょう。


➢ コチョウランは最低10℃以上の環境に
冬場でも美しい花を咲かせるコチョウランですが、栽培している花農家では温室を使用していることが多いようです。原種となる種類は、東南アジアを中心とする熱帯・亜熱帯地域に自生しているものなので、寒さに弱く、一定以上の温度管理が必要になります。

湿気のある梅雨時や夏場よりも、管理が難しいのは気温が下がる秋から冬にかけて。室内の温かい場所に置き、最低10℃以上、できれば15℃以上の環境を整えるのが理想です。だからといって、エアコンの近くに置いてしまうのはNG。

エアコンの温風は乾燥を招き、水やり後の冷えを起こします。また、強い風の影響で柔らかい花が傷んでしまうことがあるため、花に直接風が当たらないように注意してください。冬場であっても、お天気の良い日は日光を当て、夜には室内の一番温かい場所に移すようにしましょう。
とくに気温の低い地域では、夜越しの際、コチョウランを鉢ごと段ボールやカーテンなどで覆うと、温度を保ちやすい環境が作れます。

花が咲いているときのお手入れ

コチョウランの花を長く保たせるためには、小まめな手入れが必要です。根そのものは、比較的乾燥に強いものの、つぼみが乾燥しすぎると、そのまま枯れてしまうことがあります。適度な水やりで、美しい花を咲かせましょう。

➢ コチョウランの水やり
コチョウランの水やりは、基本的に植え込みに使用されている苔の表面が乾燥してから行います。水気を感じられないくらい、乾いた状態で与えるのが望ましいようです。株の根元にたっぷりの水を与えましょう。

花が咲いているときは、1週間~10日に一回程度でよいとされていますが、鉢のサイズや成長度合いによっても変わります。水やりのタイミングは、日中の暖かい時間で、室温に近い水温にするとよいとされています。

このとき、とくに注意したいのが、少量の水を数回に分けてかけるのではなく、鉢の中の空気を入れ替えるつもりで、たっぷりの水を一気に与えること。勢いがある必要はありませんが、十分な水で根元を洗い流すような気持ちで行ってください。

また、寄せ植えされたコチョウランは、全体にかけたつもりでも、それぞれの根に行き届いていないことがあります。水やりは、それぞれの株元にかけるようにするとよいでしょう。水やり後、受け皿にたまった水をチェックし、残っている場合には必ず捨ててください。

➢ 花やつぼみの乾燥に注意
比較的乾燥には強いコチョウランも、乾燥しすぎると短時間で花がしおれてしまったり、落ちたりします。根元にはたっぷりの水をかけていても、風の当たり具合といった育成条件によって、花は乾燥しがちになっている場合も。

株元にかける水とは別に、花や葉の部分には定期的な霧吹きを行います。乾燥しやすい冬場には、毎日、霧吹きをすることで、花持ちがよくなります。葉水を与える際には、ホコリを軽く払ってから霧吹きすると、葉にツヤが出ます。

花が終わったコチョウランはどうする?

美しく見事な花が特徴的なコチョウランですが、花が終わったからといって、枯れてしまったわけではありません。状態が良ければ、続けて2番花を咲かせます。手入れを行って、次の花芽を咲かせてみましょう。

➢ 2番花を咲かせるには
2番花とは、花が終わった後の茎から、続けて咲いてくる一回り小さな花芽のこと。コチョウランの2番花を咲かせるなら、花茎を一度切る必要があります。

根元から2~3節上、一番上の節から1cm程度上をカットしてください。環境が適切で、きちんと水やりをしていれば、残った節から花芽が伸び始め、次の花を咲かせます。

コチョウランは茎が細く、咲いた花の重さを支えるために支柱を付けられた状態で販売されています。2番花の準備に向けて、茎をカットするときは、支柱から外しても問題ありません。形を整えたい場合は、花芽が伸びてから、再度、支柱を使用するとよいでしょう。

2番花といっても、花芽が成長するには時間がかかります。気長に待ちながら、お世話をしてください。ただし、気温が低くなってくる秋口には、花芽が伸びにくいことも。茎や葉にハリとツヤがあれば、枯れることはありません。温度と湿度を保ちながら、時間をかけて、ゆっくり見守りましょう。

➢ 次の花芽を待つ場合
季節によっては2番花が咲きにくく、長く待ったものの、その間に傷んでしまうこともあります。花が終わったタイミングが秋から冬になったなら、2番花ではなく、次季の開花を待つとよいでしょう。

そのためには、コチョウランの株をある程度大きくする必要があります。株が大きくなるにつれ、自然と新しい花芽が出始めるため、仕立て直しが可能です。

コチョウランの株を大きくするには、まず寄せ植えになっている鉢から、一株ごとに分けて管理することから始めます。表面の苔を取り除くと、株ごとにポットに入ったままの状態であれば、そのまま一つずつ別の鉢に分け、また表面に苔を被せておきます。

秋から春にかけては、日当たりの良い室内に置き、定期的に霧吹きで葉に水を与えます。ときどき、根元をチェックして乾燥しているなら、たっぷりの水を与えること。春ごろは、植え替えに最適な季節です。一つずつに分けていた株を、改めて肥料を加えた新しい土か苔に植え替えます。その後は、気温が高くなるまで、風通しの良い場所に置きましょう。

こうして株を成長させると、次第に花芽が伸びてきます。季節によってスピードが異なりますが、時間をかけて見守ります。2番花が終わったときも同様に、株ごとに分けて生育することで、新たな花芽を楽しめることでしょう。

コチョウランの株をさらに増やしたいという方は、その増やし方について次項で詳しく紹介します。

コチョウランの増やし方

コチョウランは洋ランとは異なり、そのままで株が増えることはありません。そのため、株分けができず、今ある株から増えた高芽を使うことになります。花屋さんに流通する一般的なコチョウランの栽培方法を含め、その増やし方を3つ紹介しましょう。

➢ 種から増やす
コチョウランの花が終わり、上手に管理していると、稀に実のようなものが付くことがあります。中には粉状のものが詰まっており、それがコチョウランの種です。

本来ならば、一般的な植物と同様に種から増やすこともできるのですが、厳しい生育条件があり、一般家庭では発芽させるには、かなり難しいようです。発芽したとしても、生育に必要な最低15℃以上を保つための温室が必要で、花が咲くまでに数年かかることもあるようです。

専門的な知識と設備を備えたうえで、時間をかけたチャレンジと言えるかもしれません。

➢ 高芽から増やす
一般家庭で株を増やす際に、もっとも有効なのが、高芽を使った方法です。新しい花芽が出たあと、花が付かないまま茎がどんどん伸び、そこから新しい葉と根が増えた部分を高芽といいます。高芽を切り離して植替えることで、新しい鉢を増やしてみましょう。

伸びた茎から葉が出てきたら、まずは十分な大きさの高芽になるまで成長を見守ります。葉は3枚以上、根が4㎝以上で4本以上出たころが切り取り時。葉と根が付いた節から1cm程度下をカットし、水苔を入れた新しい鉢に植え替えます。上からしっかりとおさえて、浮いてこないようにしてください。

この場合も、気温が高すぎたり低すぎたりすると、枯れる可能性が大きくなります。真夏と冬場の植替えは避けた方がよいでしょう。タイミングにもよりますが、一日の平均気温が15℃以上ある、晴れの日が好ましいとされています。

➢ 花屋のコチョウランは、クローン!?
このように、新しい花をつけるまでにはかなりの時間と手間がかかるコチョウランですが、花屋では一年を通して開花したものが販売されています。じつは、店頭に並ぶコチョウランの多くは、クローン栽培されたものなのだとか。

ひとつの株から遺伝子を取り出し、1000株以上増やしているとのこと。クローン技術で作られた苗から育て、株を大きくしたのち、根付かせるようです。無菌状態での作業となりますが、ある程度大きくなった苗は、市場に流通し、そこから各業者によって温室内で開花まで育てられます。

一定期間、有効な光を照射することで、季節を問わず人工的な開花を促し、花屋の店先に並ぶほどの大きさになります。こうした技術があってこそ、どんな時期でも花を咲かせたコチョウランを購入できるというわけです。こうした事情から考えても、家庭内で生育し、新しい花芽を付けることは、自然に近い状態であり、貴重な出来事と言えるかもしれません。

コチョウランの種類と花言葉

コチョウランは、花の色や形、サイズによって多くの種類に分かれます。真っ白で大きな花が付く定番の「大輪白」。大輪白をそのまま鮮やかなピンクにした「胡蝶蘭ピンク」。それよりも少し小ぶりで華やかなピンクの花が見事な「ウエディングプロムナード」など…品種ごとに名前がついています。

また、小ぶりの花がかわいらしいミディタイプや、さらに小さな花を咲かせるミニタイプまで、サイズもさまざまです。

➢ コチョウランの花言葉は、色によって異なる
コチョウランの一般的な花言葉は、「幸せが飛んでくる」「純粋な愛」です。しかしこれはあくまでもコチョウランすべての種類につけられた言葉のようです。

細かく分けると、色によって花言葉も変わります。白なら「清純」、ピンクなら「あなたを愛します」という意味があるそうですよ。プレゼントとして愛の言葉をささやくにはぴったりといえるでしょう。とはいえ、知らずに送ってしまうと、意味深な贈り物になってしまうかもしれませんね。

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葉だけの鉢に、造花をプラス

コチョウランは次の花が咲くまでに、時間がかかります。葉だけの鉢のままでは、少しさみしいと思ったら、造花を添えてみてはいかがでしょうか? 近年の造花技術はすばらしく、本物と見間違えるようなクオリティがあります。造花なら手入れ不要で、一年を問わず美しいまま。次の花芽を待ちながら、華やかな鉢にしてみましょう。

コチョウランは次の花を咲かせる楽しみがある

届いたすぐのコチョウランは美しい花を付けていますが、終わってしまうと寂しいもの。新しい花芽を付ける場合でも、次に花が咲くまで時間がかかります。ツヤと厚みのある蘭種独特な葉を管理しながら、花芽が付くのを気長に待ちたいですね。

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