ティーカップの選び方を紹介!人気のブランドやおすすめギフトを紹介
優雅なティータイムを演出するのに欠かせない「ティーカップ」。うつくしいデザインのティーカップを選ぶと、気分も華やかに紅茶をたのしめますよ。今回は、ティーカップを選ぶポイントや人気のブランドを紹介します。また、プレゼントに喜ばれそうな〔マイセン〕や〔ウェッジウッド〕のギフトセットもセレクトしました。お気に入りのティーカップを見つけて、すてきなティータイムを楽しんでくださいね。
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ティーカップの歴史
いつの時代でも、ティータイムはホッと一息つくための「貴重な時間」と位置づけられてきました。その優雅な時間を彩るのが、豪華でうつくしいティーカップです。
ティーカップの歴史は古く、中国からヨーロッパへ輸入された「ボーンチャイナ」が、世界最古の「紅茶を飲むためのティーカップ」といわれています。
珍重された中国製の磁器を、ヨーロッパ各国が独自に作ろうとしたことでさまざまな技術が開発され、その土地独自の文化となって花開いたのです。
中国からヨーロッパへ
ティーカップやソーサーといった、今では当たり前のティーセットの原型が生まれたのは、中国を中心としたアジア地域だといわれています。
中国では古くから、白く半透明で吸水性のない磁器(ポーセリン)の茶器が作られていました。磁器は15世紀になるとヨーロッパに輸出され、貴族を中心に高い人気を誇るようになります。
16世紀には、日本でも有田焼や九谷焼などの磁器が作られました。ヨーロッパでは、陶器(ポタリー)の製造こそ成功していましたが、真っ白な磁器の製法の秘密がわからず、磁器は輸入に頼るしかなかったのです。
ヨーロッパは磁器製造において東洋諸国に後れを取っており、中国の磁器が宝石のように珍重されていたことから、磁器は現代でも「チャイナ」と呼ばれています。
王侯貴族はボウルとソーサーを使っていた
ヨーロッパに輸入された「チャイナ」は、王侯貴族をはじめとする上流階級の人たちに非常にもてはやされました。チャイナを所有していることが、富の証でもあったのです。
所有するチャイナを見せびらかすため、茶会が開かれるようになりました。当時使われていた茶器は、日本人が今でも使っている茶碗と同じ「ハンドル(取っ手)」がないデザインです。
また、茶会の席で膝の上で優雅にティーボウルを扱うのが「上品」とされたため、受け皿としてのソーサーが誕生したという説もあります。
ボウルに取っ手がついた理由
英語で「ティーボウル(Tea-bowl)」と呼ばれていた茶碗ですが、紅茶が普及するにつれ、溶けにくい砂糖をスプーンでかき混ぜる必要から、ハンドルがついたといわれています。
また、「ボウルで飲むには熱すぎるから取っ手がついた」「イギリスではお酒を飲むハンドルつきのマグから発展した」などが、ハンドル誕生の別説です。
「ティーボウルが熱い」という問題は切実だったらしく、1710年創業の〔マイセン〕では、その40年後に、ハンドルのついたティーカップが作られています。
茶葉の値段が下がり、紅茶が貴族だけでなく庶民にも飲まれるようになると、ハンドルつきのティーカップは、爆発的な勢いでヨーロッパ各地に広まっていきました。
ティーカップを選ぶポイント
王侯貴族の茶会とまでいかなくても、ティータイムにティーカップは欠かせないアイテムです。ティーカップを選ぶポイントは、どのようなものがあるのでしょうか?
〔マイセン〕〔ウェッジウッド〕〔ロイヤル コペンハーゲン〕といった有名ブランドの磁器は、特別なティータイムを演出してくれる逸品です。大きさや素材など、自分のライフスタイルに合ったティーカップの選び方を紹介していきます。
素材と絵柄にこだわる
ティーカップにはさまざまな素材が使われているのをご存知でしょうか。
「陶器」は土を原材料にしており、それほど高価ではないため、普段使いに気軽に使える素材です。土ならではの温かみは、落ち着いた雰囲気を醸し出します。
中世ヨーロッパで、白い磁器を作る技術がなかった頃に珍重されたのが、石を原材料にした磁器でした。「カオリン」という鉱石を主原料とする、青みがかった硬質磁器も有名です。また、牛の骨灰を使う、英国由来の「ボーンチャイナ」は耐久性と美しさを兼ね備えています。
絵柄は、書きつけや古代モチーフからの転用など多様です。独自の文化を象徴した技術が各地で受け継がれているので、好みの絵柄を追求してみましょう。
形はお好みでOK
日本では、飲み口が広くて浅いカップが紅茶用で、飲み口が小さめの深いカップがコーヒー用という認識です。しかし、この分類は日本特有といわれています。
世界的には、紅茶用もコーヒー用もカップに違いはありません。形について絶対的なルールはないため、香りを楽しむフレーバーティーは広口のものを、それ以外はお好みで選ぶとよいでしょう。
代表的なブランド4選
約300年前、ヨーロッパで初めて硬質磁器を生みだしたのが、ドイツの名窯〔マイセン〕です。それ以降、ヨーロッパは輸入に頼るだけではなく、独自の技法でさまざまな磁器を生み出してきました。
ここでは、ヨーロッパだけではなく、世界中で愛される代表的なブランドを紹介します。ぜひ自分用に、贈り物用に、すてきなティーカップを選んでみてはいかがでしょうか?
磁器のパイオニア〔マイセン〕
中国発祥のチャイナに代表されるように、磁器はうつくしい肌が特徴です。アウグスト強王から、チャイナに匹敵する白磁作りを命令されたのが、錬金術師のベトガーでした。
1709年に磁器製造を成功させたベドガーが、エルベ川のほとりのマイセンにあったアルブレヒト城を工場としたことから、〔マイセン〕という世界的ブランドが誕生します。
現在の〔マイセン〕は、過去の技術を守りつつ歴史ある古典磁器を再現すると同時に、常に新しいデザインを生み出し、今も世界中で高い評価を得ています。
乳白色が人気〔ウェッジウッド〕
「英国陶工の父」と称されるジョサイア・ウェッジウッドが1759年に創設したのが〔ウェッジウッド〕になります。
精緻な《ジャスパーウェア》やブラック《バサルト》など、伝統のクラフトマンシップが息づく名作が有名です。長きにわたる試行錯誤を経て、つややかな白さと透明感を持つ《ファインボーンチャイナ》の製造にも成功しました。
創業当時から受け継がれる「質の高いテーブルウェアをより多くの人に」というジョサイアのスピリットは、時代とともに洗練され続け、今でも世界中の食卓を彩り続けています。
王室に愛される〔ロイヤル コペンハーゲン〕
1773年、フランツ・ヘンリック・ミュラーが、デンマークで初めて硬質陶器の製造に成功しました。その2年後に、国王の援助によって作られた王室御用達窯が〔ロイヤル コペンハーゲン〕です。
日本の古伊万里の影響を強く受けた青色は「コペンハーゲンブルー」と呼ばれ、世界中の尊敬を集めています。高度な手描きによる独特の絵柄は、世界中でも日本で特に人気です。
世界に名を馳せる〔ノリタケ〕
1914年に、日本初のディナーセットを完成させたのが〔ノリタケ〕です。33年には、ボーンアッシュの製造や坏土の調合、焼成などの高度な技術で、日本で初めてボーンチャイナの製造にも成功します。
その後、ボーンチャイナ製ティーセットが北米などに大量に輸出され、日本磁器を世界に認知させるきっかけを作りました。〔ノリタケ〕は、日本の緻密さと斬新さを融合させたブランドとして、世界中で愛されているのです。
おすすめのギフト2選
質のよいティーカップは、見ているだけでも心を豊かにしてくれるでしょう。特にギフトにおすすめな、所有することに喜びを感じる逸品を紹介していきます。
〔ウェッジウッド〕《フロレンティーン 》
《フロレンティーン》は、19世紀後半から使わる古くからあるパターンを用いたティーカップです。16世紀のグロテスク文様とギリシア神話のグリフィンをモチーフとした、ボーダー状のデザインが特徴になります。
鮮やかなターコイズとパターンの組合せが印象的で、見る人の心を優雅にしてくれるでしょう。〔ウェッジウッド〕の商品の中でも重厚感に溢れ、気品高いパターンでギフトに最適です。
〔マイセン〕《波の戯れ》
名実ともに、西洋白磁の最高峰である〔マイセン〕の《波の戯れ》です。さざ波のようなレリーフがおしゃれで、詩的な名前のシリーズになります。
〔マイセン〕の食器の形は、自然から題材を得て生まれたものが多くあり、これもその一つです。輝く白磁の上に効果的に配置された波型レリーフが印象的な、21世紀の〔マイセン〕を代表するシリーズとなっています。
ティーカップだけでなく、ポットやお皿もシリーズであるので、揃えてみるのもよいかもしれません。
優雅なティータイムを
優美なティータイムは嫌なことを忘れさせ、人を癒してくれます。そこに欠かせないティーカップは、見て美しく、使っておいしいのが最高の理想です。
お茶をさらにおいしく、気持ちも豊かにしてくれるワンランク上のティーカップで、幸せで優雅なティータイムを過ごしてみませんか?
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