【専門家監修】階段をバリアフリーにリフォーム!ポイントや費用相場は?
専門家監修のもと、階段のバリアフリーリフォームのポイントや費用相場を徹底解説。また、バリアフリーリフォームの失敗事例や、予算の悩みを減らしてくれる補助制度についても、わかりやすく説明します! リフォームを考えている方は必見ですよ。
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このアイデアの監修者
森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹
名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。
森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/
自宅の階段をバリアフリーにした方がいい理由
階段のバリアフリー箇所は?
やはり手すりは最優先のバリアフリーポイントであることは、皆さんも異論のないところだと思います。とにかく、これがないと始まりません。
ただ、握力が低下した高齢の方も多くいらっしゃいますので、手すりだけでは不十分な場合もあります。そうなると滑りにくい床素材のバリアフリーリフォームも必須条件といえるでしょう。
また、大掛かりな工事とはなりますが、階段勾配そのものを変える工事も要検討事項です。とくに古い住宅の階段勾配はきつい場合があり、お年寄りにとっては想像以上の大敵となります。
ちょっとした工事で済ませるならば足元灯の新設もおすすめします。足元が明るいと降りるときなどはずいぶんと助かります。天井照明や壁照明なども足元を照らしますが体の影になることもあり、やはり足元灯にはかないません。
リフォームのポイント&費用【手すりのバリアフリー】
よくある失敗事例
手すりでよくある失敗事例は高さ設定。「とりあえず、このくらいの高さでいいだろう」と適当にやってしまうと大きく後悔します。
手すりを最も必要とするご家族がいるならば、その方の身長に合わせた高さにしなくてはなりません。
費用
費用の目安をお伝えしましょう。
らせん状階段など特殊な階段はのぞき一般的な階段ですと工事費込みで7万円〜10万円で大丈夫。
ただし、これは最低限の設備の場合です。今はさまざまな商品が出ているのですが、LED照明が手すりに埋め込まれたものはいいですよ。電気代もひどくかかるわけではなく発熱も最小限。しかも照らされた感じが実にお洒落でいいことづくめです。
ただしお値段は若干かさむことになり、先ほどの価格にプラス10万円程度。目安として17万円〜20万円ほどがかかると考えておきましょう。
リフォームのポイント&費用【灯りのバリアフリーリフォーム】
よくある失敗事例
階段から転げ落ちないように足元を明るく照らす光源を確保するのは理にかなっていますが、あまりに低い位置につけると、照らされる範囲が局所的になりすぎてしまいます。それが大きな明暗のコントラストを生んでしまい、かえって見づらくなってしまう危険性があるのです。
また、取り付け場所によっては階段の段差が邪魔をして、照らしたい場所が影になってしまうことも。この失敗はよく聞くポピュラーなものです。
費用
簡潔かつ明快に言いますが、おおまかに一か所1万円と覚えておいてください。これを目安にして、あとは予算に応じて商品を選びましょう。
リフォームのポイント&費用【床素材】
よくある失敗事例
「とにかく滑らない素材を!」という考えはよくわかるのですが、それはちょっと安易な考えです。
階段リフォームでよく見かけるのは、業者に依頼せずに自分でやってしまうケースです。もちろんDIYには大賛成ですが、重要なポイントを見落としてしまうケースが多くあります。
よくある失敗としては、ゴム製の滑り止め素材を購入して自分で張り付けてしまうこと。
この張り付けたゴムの高さが思った以上に高く、階段を降りるときそれ自体につまずいて転落する危険性が発生します。また、高さは問題なくても、滑り止めの効果が高すぎてもつまずきの原因となり、かえって危険性が増すこともあるので注意を要します。
費用
床の素材によって大きく値段は変わりますが、おおまかな目安で言うと10万円を一定の基準だと認識してもらえばよいでしょう。
リフォームのポイント&費用【勾配・段差】
よくある失敗事例
昔の家ではあまりに急な階段も見られますし、建築基準法に乗っ取った階段勾配であっても、ギリギリ合格の数字で作られた階段は少しきつめの角度に感じるはずです。
「よし!では可能な限り緩めの勾配にしよう!」というのは早計。勾配は緩ければよいというものではないいんです。
日本のお城に行くと馬に乗りながら進んでいくことを想定した石畳の階段を見かけますよね?馬にとっては都合がよいのでしょうが、人間が昇り降りするには何とも中途半端な気がしませんか?
これは極端な事例ですが、話としてはお分かりになると思います。
踏面(ふみづら)と蹴上(けあげ)という階段一段の幅と高さとのバランスはとても重要なことです。
費用
階段の勾配を変えたり段差を変える工事になると、さすがに腰を据えたリフォームとなります。その費用も千差万別ですし、解体工事が簡単に済めば安価に仕上がりますし、階段下の構造が複雑な物であればそれなりの解体費用と撤去費用が掛かってしまいます。
ここではしっかりリフォームの事例と照らし合わせつつお話ししましょう。
“しっかり”とは階段を架け替え、足元灯などを設置し、床材にも工夫を凝らしたものを使い……といったケースです。もっとも神殿のような超豪華仕様というわけではありません。
この工事の場合で120万円〜180万円でしょう。もちろん上限はキリがありませんが、この予算を見ておけば、気分一新の階段付け替え工事が可能となります。
とくに階段の場合は気分を変えるということだけではなく、安全性の面で飛躍的に効果があるので、高齢の親と同居しているならば、早急に検討すべきリフォーム工事の代表格といえるでしょう。
【予算の悩みを軽減!】バリアフリーリフォーム補助制度について
階段リフォームでも触れましたが、大きなリフォームになるとその費用もばかになりません。とくに大掛かりなバリアフリーリフォームでは100万円を簡単に超えてしまうので、吟味せざるを得ませんよね。
そこで活用してほしいのが補助制度なのです。とくに高齢化社会を迎えるにあたって、国も補助金を出してバリアフリーリフォームの活性化を図っています。
「バリアフリー改修促進税制」を耳にしたことはありますか? この言葉を是非記憶してほしいのですが、住宅のさまざまな個所においてなされるバリアフリーリフォームに関して補助金が出る制度です。
対象となる場所はさまざまなのですが、ここでは階段に掛かるリフォームについての補助金をご紹介しましょう。
ここではバリアフリー減税としますが、最大で62万5,000円の控除となります。減税というように、工事代金に対して現金で補助が出るものではありません。
これはあくまでもローン型減税となります。これは皆さんが毎年支払っている所得税対象の金額から、最大で5年間62万5,000円を上限に控除されるものです。
よく誤解されるのですが、工事代金からこの金額が引かれるわけではありませんのでご注意を。課税対象金額から控除されるという仕組みになります。
安全性の向上に階段リフォームはとても重要です!
給湯器などの設備が壊れたりしたときの工事もリフォームとなるわけですが、階段のバリアフリーリフォームのように、壊れているわけではないものの、安全性を飛躍的にアップさせるリフォームも生活をしていく上で重要ですので優先順位をぜひ上げてください。
30代〜40代の若手世帯だけであれば喫緊の課題ではないかもしれません。しかし、ご両親世帯との同居では、いつ転落事故が起こっても不思議ではありません。
家庭内事故の上位に必ず食い込むのが階段での転落。後悔先に立たず。思い立ったが吉日です。
※賃貸物件の場合、退去の際に原状回復を行う義務があり、修繕費用が必要となる場合があります。必ず賃貸借契約書を確認の上で、家主や管理会社の許可を取ってから作業を行いましょう。
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