【専門家監修】耐震リフォームの事例を紹介!費用相場や補助金比較

地震大国である日本に住んでいる以上、考えないといけないことの1つが住宅の耐震性。自分や大切な家族の命に関わるところですので、今一度チェックをしてみましょう。今回は、耐震リフォームの事例を紹介するとともに、専門的な知識がなくとも簡易的に確認できる手段や、費用などをまとめました!

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耐震リフォームの重要性

私が家に求める最重要事項とは……耐震性です。

20年以上にわたってこの業界に籍を置く筆者ですが、この質問に対しては一瞬の迷いもなくこう答えます。快適性、デザイン性、間取りの工夫などさまざまなポイントがありますが、家に求められる最も重要な事項は、家族の命を守ることなのです。

地震のほかにも火災や洪水なども考えられますが、やはり大地震にあう確率の方が圧倒的に多いでしょう。ですから、どんな住宅に住むのであれ、家の耐震性の強化は絶対不可欠なことといえるのです。

柱と柱を鉄具で補強するだけで耐震性は簡単に向上します。真剣に検討を始めましょう。

まずは自宅の耐震性を調べてみよう

家の耐震性強化が重要なのは皆さんお分かりだと思いますが、建築の知識がないのに自宅の耐震性などを調べられない、と思っていることでしょう。

ところが、簡易的ではありますが、自分で簡単に耐震性をチェックできるやり方がありますのでお教えします。

段階1 セルフチェック

「簡易耐震診断」という言葉をお聞きになったことはあるでしょうか? これはその名の通り、簡単かつ簡易的に自宅の耐震性を診断できるものです。しかも、建築の知識は一切不要。与えられた簡単な選択式の質問に答えていけば、ものの数分で判定結果を得られるのです。その一部をご紹介します。

【Q建物の形は次のどれに当てはまりますか?】
1. 整形
2. 平面的に不整形
3. 立面的に不整形

外から建物を見て2階部分が大きくて頭でっかちの家だな、と感じれば3番ということです。細かく鑑定する必要はありません。あくまで「何となく」でいいのです。

こんな感じでチェックすればいいくらいの内容ばかりなので、数分もあればすべて答えられるでしょう。

この質問に答えた結果を次の表に当てはめて結果を出します。

築30年以上の住宅でこの簡易診断を行うと、80%はもっとも耐震性の低い総合評点0.7未満に該当するでしょう。筆者の経験からこう判断できます。

そして、0.7未満の判定文言には「倒壊又は大破壊の危険があります」ので皆さん驚かれます。すぐに倒壊するわけではありませんが、大きな地震に対しては極めて危険な状態であることには違いありません。

段階2 専門家へ相談

もっとも確実なのは建築設計事務所へ問い合わせることです。でも、普通は知り合いの中に設計士がいることはないでしょう。その場合はインターネットで最寄りの建築事務所を探してメールで問い合わせれば大丈夫です。

また、ホームインスペクターという制度があり、この言葉をインターネットで検索すれば、どこに問い合わせをすればいいかがすぐにわかります。

耐震リフォームの種類とそれぞれにかかる費用

耐震リフォームと聞くと何やら大工事のように感じますが、家全体を要塞のようにパワーアップしなくても、寝室だけを耐震化するなどの部分工事もあります。

起きていれば何らかの逃避行動をとれますが、寝ていてはどうしようもありません。家が万が一にでも倒壊した場合、寝室部分だけがクラッシュ現象を起こさない補強がしてあれば、命が助かる可能性がグンと高まるでしょう。

種類1 金物補強 かかる費用

代表的な耐震リフォームと言えます。マッチでできたサイコロ状の物体をイメージしてください。横から軽く押すと、マッチ棒とマッチ棒が交差した部分に力が加わり、あっけなく壊れてしまうでしょう。

これを防ぐために、交点部分に金物の補強を施すのです。形はいろいろあるのですが、この金物はかなり強力で一定の耐震性を発揮します。

ポピュラーなものはL字型の金具を取り付けるものですが、この他にもホールダウン金物という、外壁と基礎とを連結する工法もあります。いくら建物を金具によって補強しても、基礎部分と建物がしっかり連結されていなければ危険です。その危険性をなくすために行われます。

費用ですが補強金物をメインに工事をした場合には80万円~150万円程度と思われます。また、ホールダウン金物を使って建物を補強する工事のケースでは、30万円~80万円程度です。

種類2 壁補強 かかる費用

2×4工法をご存知でしょうか。名前だけは耳にしたことがあると思いますが、具体的に説明できる人は少ないでしょう。

この工法は簡単に言うと「面で建物を支える」構造で、数多くあるさまざまな工法の中でもっとも耐震性に優れたものと言われています。そして、今住んでいる家の工法が木造軸組みだったとしても、パネルを構造に張り付けていくことにより、2×4工法と同じ強度をその部分にもたらすことができるのです。

理想としてはすべての面をパネルで覆えばいいのですが、実際には計算をして必要な個所をパネル補強していけば相当の強度アップになります。

費用ですが1か所だけの施工であれば10万円以内で可能でしょう。ただ、補強のパネルを設置する場合、1枚だけの施工というのはあまりないので、複数個所を想定しておいたほうが良いでしょう。

種類3 屋根補強 かかる費用

屋根補強というのは誤解が生じる言葉かもしれません。正確に言うと、重い屋根を軽い屋根に交換するリフォームになります。

和瓦のような重い瓦は重厚感があり、日本人である私は大好きな瓦です。ところが、そんな重厚感ある瓦はその重さゆえに地震に関してはマイナスの要素になってしまいます。

耐震性の観点から考えると、屋根材はなるべく軽いことが重要と言えます。ですから、重い和瓦などを使った住宅に住んでいる方で地震が心配というならば、早急にスレートなどの軽い屋根材に変えるリフォームをおすすめします。

屋根のリフォームはさすがに費用が掛かります。例えば30坪程度の家の場合、重い和瓦から軽いセメント系の屋根に変えたとすれば、おおよそ200万円~250万円は見た方がよいでしょう。

種類4 基礎補強 かかる費用

建物を地震から守るリフォームの一つに、基礎を補強する方法があります。とくに築50年以上の住宅では基礎が現在と比べるとかなり脆弱なケースがよく見られます。

いくら壁や梁を補強しても、肝心の土台が地震に弱ければ意味がありません。基礎と外壁を連結したり、基礎そのものの幅を増すような補強をするのです。

問題の費用ですが30坪程度の住宅の場合100万円~150万円程度を見てください。この金額が目安になりますが、基礎というのは専門家であってもなかなか劣化具合を判定するのが難しい箇所です。

目視でクラックを見つけたとしても、それが表面的なものかそれとも深刻なものかを判断するのは至難の業です。

耐震リフォームに使える補助金や助成金

耐震リフォームをする場合、自治体から補助金や助成金があるので大いに活用しましょう。具体的な金額は各自治体によって微妙に違うので、詳細はホームページで調べてください。

ある自治体では工事金額300万円以上だと定額で130万円の補助というように工事代金によって金額が変わってきますし、所得制限として年収800万円以下と規定している自治体もあります。

しっかりと耐震リフォームをして万が一に備えよう

冒頭でも書いたように、住宅で最も大事なことは家族の命を守ることです。そして、災害国日本に住んでいる以上、地震から逃れることはほぼ不可能です。

だからこそ、住宅の耐震リフォームは重要なのです。家全体のフル耐震リフォームをするのは費用面で大変ですが、優先順位を決めてリフォームをすれば、十分に対応できます。

このアイデアの監修者

森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹

名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。

森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/

※賃貸物件の場合、退去の際に原状回復を行う義務があり、修繕費用が必要となる場合があります。必ず賃貸借契約書を確認の上で、家主や管理会社の許可を取ってから作業を行いましょう。

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