
農地で太陽光発電したい!メリットや転用方法、注意点を徹底解説
使わなくなった農地を有効活用するため、太陽光発電への転用を考えている方は多いのではないでしょうか。土地を放置することなく、しかもある程度の収益が見込める太陽光発電は魅力的ですが、農地でおこなう際にはいくつかの条件があります。どんな条件があるのか、そして転用方法や注意点について詳しく見ていきましょう。
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農地で太陽光発電をおこなうメリットは?
農地で太陽光発電するメリットは、なんといっても「使っていない土地を有効活用できること」です。使っていない土地なのに毎年固定資産税を払い続けるのは、経済的ではありませんよね。さらに、農地を使わずに放置し続けていると遊休農地(耕作放棄地)と判断されてしまう可能性があります。そうなると固定資産税の課税が強化され、通常の1.8倍になってしまうのです。
しかし、農地に太陽光発電を設置することで、土地を活用しているとみなされます。しかも、多少のメンテナンスは必要ですが、それ以外は基本的にほったらかしでOK。集めた電気は自動的に電力会社に売却されるしくみになっており、楽をしながら収入を得ることができるのです。
農地で太陽光発電するために必要な「転用手続き」とは?
農地を転用して太陽光発電するメリットはかなり大きいですが、「やりたい」と思ってもすぐに始められるわけではありません。そもそも土地には「地目」があり、農地は「農業をおこなうための土地」として登録されているため、農業以外の用途で使うことができないのです。ですから、まずは農地をほかの用途で使えるようにするため、「農地転用手続き」をおこなわなければなりません。
ここで注意したいのが、転用申請をしたからといって必ず許可が下りるとは限らないということ。転用許可を得るためには以下の2つの条件をクリアする必要があり、条件を満たしていない場合は太陽光発電をおこなうことができません。
【条件その1】立地条件
すべての農地は、農業への適性によって農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地、第2種農地、第3種農地の5区分に分けられています。このうち第2種農地と第3種農地だけが転用を認められています。これ以外の区分に属する農地は、基本的に農業以外に活用することはできません。
ただし、農用地区域内農地、甲種農地、第1種農地でも農業と並行して太陽光発電をおこなう「ソーラーシェアリング」であれば可能です。まずは自分が所有している農地の区分をしっかりチェックし、転用できるかどうかを確認しましょう。
【条件その2】一般条件
これは、転用後の使い道が明確かどうかというもの。そもそも農地は、1度転用してしまうとそう簡単に農地に戻すことはできません。農地を転用するということは食料を生産できる貴重な土地を失うことになるため、国は転用後の目的や使い道をきちんと把握したうえで、転用許可を出しているのです。
ただ漠然と「太陽光発電をやりたい」だけでは審査にとおらない可能性も。どんな業者に依頼をしてどのような工事をおこない、どのくらいの初期費用がかかるのか、そしてその後の運用でどのくらいの収益が見込めるのかなどを調査し、十分下準備をしたうえで転用申請をおこないましょう。
農地転用手続きの流れと注意点をチェック
では、農地転用手続きは具体的にどのような手順でおこなわれるのでしょうか。太陽光発電に踏み切る際の注意点とあわせてまとめました。
【農地転用申請の流れ】
(1)申請
申請に必要な書類は管轄する市町村によって異なります。そこでまずは、農業委員会に事前相談に行きましょう。相談しつつ事業計画書などの申請書類を準備することも可能です。なお、おもな提出書類は以下のようなものがあげられます。
・所定の許可申請書
・土地の登記事項証明書
・事業概案および計画書
・工事工程表
・資金証明書や資金計画書
・所有者・耕作者の同意書
・該当する土地の位置を示す地図
(2)審査
農業委員会による現地確認や書類の確認のほか、法的に問題はないか、転用による影響の有無などが審議されます。その内容はさらに都道府県知事に送付(4ヘクタール以上の農地の場合は農林水産大臣へ送付)され、審査されます。
(3)申請者へ結果通知
ここまででおよそ1カ月半ぐらいかかるのが一般的です。
審査通過の大きなカギを握っているのが、(2)の農業委員会による審査です。ここで転用できるかどうかが決まるといっても過言ではないため、ていねいな対応で明確に転用の意図を伝えることを心がけましょう。
【太陽光発電を実施する際の注意点】
転用申請さえ下りれば、太陽光発電システムを設置することが可能です。ですが、ほとんどのケースにおいて、農地にそのまま機器を取りつけることはできません。というのも、農地の地盤は柔らかいため、太陽光を効率良く取り込むために必要な支柱をうまく立てることができないからです。
その問題を改善するために、ほぼ必須でおこなわれるのが地盤改良工事です。そのぶん費用も工事期間もかかります。実際にどのくらいの費用や期間がかかるのか、事前に見積もりを取っておきましょう。
ちなみに、この地盤改良工事は農地転用申請許可が出てからでないとおこなうことができません。許可前に独断で工事してしまい、万が一転用許可が下りなかった場合、地盤を元に戻す工事を命じられることもあるため注意しましょう。
まとめ
太陽光発電は、使っていない農地を有効活用するための1つの大きな選択肢です。ただし、実際に転用するにはさまざまな手続きが必要で、きちんと下準備をすることが求められます。まずはご自身の所有する農地を転用できるかどうか、費用はどのくらいかかるのか、しっかり調べたうえで検討しましょう。
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