
太陽光発電と相性がよいといわれるのはなぜ?HEMSを導入するメリットをご紹介
電力自由化にともなって耳にすることが多くなった「HEMS」という言葉。これはあるシステムツールを指す言葉であり、太陽光発電と組み合わせることでそのメリットを最大限に引き出してくれることから、太陽光発電の話題でも引き合いに出されることがよくあります。今回はそんなHEMSについて、その内容や導入のメリットをまとめてみました。
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HEMSとは?
HEMS(ヘムス)は、「Home Energy Management System/ホームエネルギーマネジメントシステム」の略で、各家庭の電力を管理したりコントロールしたりするシステムのことを指します。各電気機器の消費電力量を計測することができる機械を分電盤に取りつけ、これをWi-Fiなどでネットに接続することで、どの電気機器がどの時間帯にどれだけ電力を消費しているかを、パソコンやスマホ、タブレットなどで確認することができます。
また、単にそれぞれの電気機器の消費電力量を把握することができるだけでなく、オートコントロール機能や遠隔操作を備えているのもポイントの1つ。電気を使い過ぎていたら自動で冷暖房の温度を落としてくれたり、外出先からパソコンやスマホなどを通して電気機器のオン・オフが可能になったりするのです。
ただし、オートコントロール機能や遠隔操作を活用するためには、「ECHONET Lite(エコーネット規格)」に対応した家電製品をそろえる必要があるなど、導入には特にコストの面などで課題もあります。ちなみに、各電気機器の消費電力量を把握するだけなら、すべての家電製品が必ずしもエコーネット規格に対応している必要はありません。
HEMSを導入するメリットは?
HEMSを導入するメリットはさまざま考えられますが、まとめると大きく以下の2つに集約されます。
【メリット1】エネルギーの見える化と一元化で省エネ・節電につながる
HEMSを導入することにより、各電気機器単位、もっといえば、家庭にある各コンセントの単位でどれだけの電力が消費されているかが可視化されます。これは、省エネや節電にとって非常に大きなことです。
どこにどれだけの電力が使われているのかが数値でわかれば、これまで「電気をこまめに消す」「使っていない電気機器はコンセントから抜いて待機電力を削減」といったなんとなく取り組んでいた省エネ・節電対策もピンポイントで実施することができ、結果に直結するからです。
さらにいえば、HEMSの導入により家庭にあるすべての電気機器において、オートコントロールによる一元管理が可能になれば、そうしたこまごまとした省エネ・節電対策すら必要でなくなるかもしれません。各電気機器の消費電力量、消費電力量の大きい時間帯などから、「電気料金の高い日中は電気機器の使用を控え、電気料金の低い夜間に消費電力の大きい電気機器を動かす」といった調整を、自動でおこなってくれるようになるのです。
【電力需給の安定につながる】
家族構成や生活スタイルが違えば、自ずと電気の使い方も異なってきます。そのため、電力の自由化により電気料金プランやサービスは多様化しているものの、それぞれの家庭に最適な電気料金プランを探すことは、実は簡単ではないのです。
HEMSを導入すれば、各電気機器単位での消費電力量という小さな視点で見ることもできれば、家庭全体の消費電力量という大きな視点で見ることもできます。そして、これらの蓄積されたデータを分析することで、自分や家族のライフスタイルにもっとも適している電気料金プランを選択することができます。
これは消費者の側からすれば、電気料金の節約につながるというメリットになります。一方で、電力を供給する側からすると、電気を多く使う時間帯が自然と分散されることになり、送電網の負荷軽減や電力需給の安定につながる、といったメリットが期待できます。
HEMSと太陽光発電の相性がよい理由
「エネルギーの見える化」を実現するHEMSは、太陽光発電との相性もバッチリ。その理由としては、主に以下の2つが挙げられます。
【売電収益のアップ】
売電収益をアップさせる、つまり、余剰電力を増やす方法は、主に2つあります。1つは発電量を増やすこと、もう1つは消費電力を減らすことです。
太陽光発電システムの容量も太陽光の日射量も設置時点で決まっているものですから、発電量を増やすことを考えるのはあまり現実的ではありません。つまり、HEMSによる消費電力量の見える化により、電力の消費量を最小限に抑えることが、売電収益アップの近道になるのです。
HEMSでは消費電力のほか太陽光発電システムによる発電量も数値で確認できるので、売電収益が可視化されやすいことも、節電のモチベーション維持、ひいては、売電収益のアップにつながるといえるでしょう。
【トラブルの早期発見】
ソーラーパネルや太陽光発電システムはもともと、こまかなメンテナンスの必要がなく、長期に運用していくことを前提に作られています。とはいえ自然災害などの予期せぬ事態に見舞われ、寿命がくる前に破損などのトラブルが起きる可能性は否定できません。
HEMSによって発電量が可視化されれば、たとえば、1ヶ月前と比べて明らかに発電効率が悪くなっているといった場合に、不具合やトラブルを疑い、いち早く点検や修繕といった適切な対処がおこなえるでしょう。
まとめ
ここまで、太陽光発電とも相性のよいHEMSについて詳しく見てきましたが、いかがでしたか? 今後、省エネ・節電ツールとして欠かせないものになっていくと予想されるHEMS。エコーネット規格の家電製品が増えるなど、一般消費者にとってさらに身近なツールとなり、そのメリットを多くの人が享受できるようになることが期待されます。
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