外壁のひび割れは家が歪んでいるサイン? 考えられる原因と見極め方を紹介

建物の外壁を見上げると、今までになかったひび割れを発見することがあります。外壁は時間の経過と共に劣化していくものですが、放っておくとひびは徐々に大きくなり、のちのち大変な事態を引き起こしてしまう可能性もあります。ここでは、外壁にできてしまうひび割れの主な原因とその見極め方などを紹介します。

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外壁のひび割れには違いがある! 種類と原因を比較しよう

建物の外壁で発生するひび割れは建築用語でクラックと呼ばれ、状態と原因によって4種類に分類されます。それぞれの特徴と原因を詳しくチェックしていきましょう。

【ヘアークラック】
ヘアークラックは髪の毛のような細さのひび割れで、浅くひびが入っていることが特徴です。経年劣化や表面の塗膜が乾燥収縮する際に多く発生し、モルタル外壁やサイディングなどの素材で塗装されている外壁に多く見られます。

【乾燥クラック】
乾燥クラックはモルタルやコンクリート外壁などで多く発生します。コテを使った湿式工法は施工時に水分を多く含んでいるので、乾燥して収縮する際にひび割れが生じます。モルタルやコンクリートが完全に乾く前に塗装してしまったことが主な原因です。ヘアークラックと同じ原理で起こりますが、ヘアークラックよりもさらに目立つひびが乾燥クラックに分類されています。

【構造クラック】
地震や地盤沈下などの外的要因や、施工不良などの人的要因によって、構造が歪んで発生するひび割れです。構造クラックは外壁の歪みが原因なので、放置するとさらに広がり、深くなってしまう特徴があります。最終的には雨水が浸水して外壁を劣化させ、最悪の場合剥がれ落ちてしまうこともあるのです。

【縁切れクラック】
モルタルやコンクリート外壁では1回の作業で全面を仕上げることが理想ですが、天候やそのほかのさまざまな事情で作業を中断することもあります。その際、部分的に塗り継いだ新旧の継ぎ目に沿って生じるひび割れが縁切れクラックです。状態次第では、構造クラックと同様の補修を行う必要があります。

ひび割れの原因は、ひびの幅と深さで見極める!

ひび割れの中でも、ヘアークラックと乾燥クラックは表面のみのひび割れです。そのため、建物に深刻な悪影響を与えるものではなく、すぐに補修する必要はありません。しかし、構造クラックはひび割れが深部にまで届いてしまっているため、早急な補修が必要です。

自宅のひび割れが一体どの種類に該当するのか、見極める方法はひびの幅と深さをチェックすることです。一般的に、ヘアークラックの幅は0.2~0.3mm、深さは4mmほどで、構造クラックの幅は0.3mm以上、深さは5mm以上とされています。外壁にひびが入っているのを見つけたら、まずひびの幅と深さを確かめてみましょう。

さらに、構造クラックの場合は地震や不同沈下が原因の1つとなっているので、ひび割れ以外にドアや窓が開きにくくなっていたり、床が傾いていたりする状態が確認されます。そのため、基礎や外構にもひび割れが入っていないか、排水が流れにくくなっていないかなど、土地全体で不具合が起こっていないか調べることも大切です。

ひび割れは家が歪んでいるサインかも? 専門家に調査を依頼しよう

自分で建物のひび割れをチェックしている時、もしも以下の症状が見られたら建物の構造や敷地に問題を抱えている危険性があります。

【0.3mm以上のクラックがある場合】
問題のない土地で正しく施工が行われた基礎や建物は、小さな地震が起こったくらいでは幅が広いクラックは入らないと考えて良いでしょう。

【ヘアークラックが1m幅に3ヶ所以上ある場合】
コンクリートの構造上、ヘアークラックが入ることはあります。しかし、鉄筋やコンクリートの強度に問題がなければ、1m内に3ヶ所以上入ることはありません。

【横方向にクラックが入っている場合】
建物は下方向に重量がかかっているため、通常なら横方向へクラックが入ることはありません。

もしも、これらのひび割れが確認できた場合は、建物や敷地が傾いているサインかもしれません。古い木造住宅の場合は木材の収縮や経年劣化によって建物が歪み、外壁にひび割れが生じるケースもあります。しかし、地盤に原因がある場合はさらに深刻です。基礎が歪んで建物が部分的に傾くと、健康被害が出たり倒壊したりする恐れがあります。

敷地や建物の構造不良によってひび割れが起こっている場合、この傾きを補修することは簡単な作業ではありません。しかし、放置すればするほど見えない部分の劣化が進み、補修コストが膨らんでしまうこともあります。そのため、気になるひび割れを見つけた場合は、早めに専門家に建物検査を依頼し、原因を特定することをおすすめします。

まとめ

外壁のひび割れは、ヘアークラックのような幅が細く浅いものなら、放置していても問題ないと言えるでしょう。しかし、だんだんと大きく、深くなっていくひびは雨が浸水し、建物に深刻なダメージを与えてしまいます。建物や地盤が歪んでいるサインの可能性もあるので、早めに調査を依頼してメンテナンスに取りかかりましょう。

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