ダブルロック工法のメリットは？施工にかかる費用や注意点も解説！

ダブルロック工法の特徴

ダブルロック工法では、セメント系の薬液を、圧力をかけながら地盤の中に流し込むことによって､地盤中のすき間や水をなくし､新たに強い地盤の層を作り出します｡ウレタン系の薬液よりも収縮が少ないため､時間が経つにつれて新たなすき間ができるようなことがありません。

以下で、ダブルロック工法の特徴を詳しくご説明しましょう。

【精度の高さ】
一般的な薬液注入工法は、薬液の広がる範囲や隆起のコントールが難しいというデメリットがあります。一方、ダブルロック工法では、特殊な薬液を使用するため、固まる速さの微調整が可能です。業者によっては、レベル調整器を使用することで、薬液の範囲について1㎜単位での正確性を実現することが可能になります。また、地盤沈下修正工事においても、近接物への影響が少なく、基本的には目的の建築物のみ復元することが可能です。これに対して従来の薬液注入工法の場合は、近隣住宅の地盤が盛り上がるリスクがある点に注意しなければなりません。

【耐久性】
ダブルロック工法では特殊な薬液を使用し、元からあった土をコンクリートのように堅くします。たとえば、地盤沈下工事に用いられる工法のひとつであるアンダーピニング工法には、地震や地流れに弱いという弱点がありますが、ダブルロック工法は、建物の下にある地盤全体を固めるので、被害を軽減することが可能です。たとえば、過去の地震においては、他の工法の建物が被害を受けたなかで、ダブルロック工法を施工した物件では地盤の盛り上がりだけで済んだという実例もあります。

また、ダブルロック工法は、土壌自体を改良しながら固めていくため、土となじみにくい樹脂系の薬液を用いた場合と異なり、腐食によって再沈下が起こる可能性が非常に低くなります。以前に他の工法で地盤沈下を修正している場合でも、ダブルロック工法を用いてさらに地盤を強化することが可能です。

【工期の早さ、施工の容易さ】
ダブルロック工法は、狭い場所でも、建物内部でも施工が可能です。工事期間については、たとえばアンダーピニング工法と比べると、約半分に抑えられます。建物の規模にもよりますが、全体工事で約2週間～3週間が工事期間の目安です。部分調整であれば、さらに工期は短くなります。また、居住したままでも施工が可能であるため、仮住まいの費用や手間が省ける点はメリットと言えるでしょう。

ダブルロック工法の費用

ダブルロック工法は、工事期間が短くなる分、かかる人件費や工事費も大幅に削減されます。建坪15～20坪、総2階建ての場合、工事費の目安は3,000,000～5,000,000円です。土壌改良から行うので将来的にも安心で、かつ地盤の補強効果もあるため、コストパフォーマンスがよい工法と言えるでしょう。

ダブルロック工法を行う際の注意点

ダブルロック工法は地盤そのものを固めるため、一度固まってしまえばコンクリートのようになります。ただし、薬液が固まるまで（5秒～10秒程度）は周囲の樹木などに影響する可能性があるため注意が必要です。庭の樹木などへの影響が気になる場合は、事前に業者に相談しておいたほうがよいでしょう。

また、ダブルロック工法は施工業者により品質や金額が異なります。なかには、最優先されるべき液状化対策がなされないものもあるため、注意が必要です。最低限の判断基準として、必ず施工計画書を提出してくれるような業者を選びましょう。また、ホームページなどをチェックして、施工事例の豊富な業者を選ぶこともポイントです。

そのほか、周辺環境によっては施工が制限される可能性があります。目的の宅地でダブルロック工法が適用できるかどうかは、業者に直接確認してから判断しましょう。

まとめ

ダブルロック工法は、アンダーピニング工法や薬液注入工法などに比べ、費用も工事期間も抑えられる地盤沈下修正の工法です。同時に、精度が高く、耐久性にも優れているというメリットがあります。地盤は、一度沈下してしまうと、修正しない限り、元の高さまで戻ることはありません。もし、今住んでいる家が傾いていると感じている場合は、早めに対処しましょう。その際には、新しい工法であるダブルロック方法もぜひ検討してみてください。