快適に住むために必要な修繕積立金はマンション売却時に返金される?
マンションを買うと、ローンを返済しなければならないだけでなく修繕積立金や管理費などの費用が毎月かかってきます。修繕積立金はマンションに住んでいる限り払い続けるお金であることを認識しておかなければなりません。この記事では、修繕積立金に焦点を当て、マンション売却時のさまざまな疑問点を解消します。
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マンションの修繕積立金とは?
修繕積立金とは、マンションをメンテナンスする費用に充てるため、毎月各戸から徴収するお金のことを言います。具体的な用途は、排水管の取り換え工事、外壁の補修や塗装など、さまざまです。地震や大雨による被害はもちろん、マンションそのものは時とともに必ず劣化しますので、定期的なメンテナンスが必要となるのです。
修繕積立金の金額は、長期修繕計画から決定されます。長期修繕計画とは、マンションの快適な住居環境を保つため、管理組合によって作成される長期的な修繕計画のことです。大規模修繕には数百万円単位の高額な費用がかかるため、住民同士で毎月コツコツ積み立てる必要があるのです。
マンションを購入する際、販売価格やローンの金利にばかり目を向けがちですが、修繕積立金も考慮に入れ、返済計画を立てるべきです。ローン返済後も必ず毎月のしかかる負担であり、値上がりするおそれもあるのです。
【修繕積立金と管理費の違い】
マンションを購入すると、修繕積立金のほかに管理費も負担しなければなりません。修繕積立金と管理費は、使い道が異なります。管理費とは、マンションの共用部分の設備を維持管理する費用のことです。例えば、エレベーター点検費用や、共用部分の清掃、光熱費などが、徴収した管理費からまかなわれます。
【修繕積立金の相場は?】
修繕積立金はさまざまな要因によって決定されるため、マンションによって大きな差があります。適正価格を知るには、平成23年に国土交通省が発表した「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」が参考になります。同資料によると、階数・建築延べ床面積によって専有床面積あたりの修繕積立金額の目安がわかります。その金額にご自身の専有床面積を掛けた金額が、相場と考えられるでしょう。
ただし、機械式駐車場があれば修繕コストがかかるため、修繕積立金は高くなります。また、新しいマンションほど安く、古いマンションほど高くなる傾向にあります。古いマンションは劣化が見られる分たくさん修繕しなければならないので、当然とも言えますね。
マンションを売却しても修繕積立金は返ってこない
さて、気になるのは、「マンションを売却したら修繕積立金はどうなるのか?」ということです。住んでいる間に一度も修繕工事が行われなかったら、支払った修繕積立金は管理組合が蓄えたままです。そのため、「返金を要求したい」と考える人も少なくないようです。
しかし残念ながら、たとえ住んでいる間に修繕が行われなかったとしても、修繕積立金の返金はありません。これは、住んでいる期間や修繕の有無とは関係なく、管理規約に明記されていることです。一度納めた修繕積立金は、マンションの管理組合の財産となり、合理性のある特別な事情がない限り返金要求には応えないでしょう。
修繕積立金はいつまで払い続ける?滞納したらどうなる?
【引渡し日前日まで支払う義務がある】
修繕積立金は、マンションに住み続ける限り払い続けなければなりません。マンションを売却すれば、修繕積立金は買主が負担することになります。では、どの時点から債務が移るのでしょうか。
マンションの修繕積立金は、「引渡し前日」まで日割り計算した金額を売主が負担するルールとなっています。例えば、修繕積立金月30,000円のマンションを売却し、9月11日に引渡しを行う場合、売主は10,000円の修繕積立金を納めなければなりません。計算式は以下の通りです。残りの20,000円は、買主が負担します。
<30,000÷30日×10日(9月1〜10日分)=10,000円>
その他、管理費、固定資産税、都市計画税も、引渡し日に清算を行うことを知っておきましょう。
【滞納したらどうなる?】
修繕積立金を滞納すると、強制執行などの法的措置を取られる可能性は十分にあります。対応はマンションの理事会の判断となるため、一概には言えません。
そして、もしも滞納した状態のまま売却すると、管理組合は買主に滞納分の修繕積立金を請求する権利があります。裏を返せば、マンションを購入する際は、滞納金がないか確認しなければなりません。
まとめ
マンションの修繕積立金についての理解が深まったでしょうか。残念ながら納めた修繕積立金はいかなる場合も戻ってきませんが、快適な住まいを保つために必要な経費です。マンションを購入する際は、購入価格だけでなく、修繕積立金や管理費も含めた返済計画を立てるようにしましょう。
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