「文豪少年!」プロデューサーが明かす、少年忍者の撮影裏話「日を重ねるごとに皆さんが役者の顔に」

ジャニーズJr.内ユニット、少年忍者の12人が主演を務める「WOWOWオリジナルドラマ 文豪少年!~ジャニーズJr.で名...

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ジャニーズJr.内ユニット、少年忍者の12人が主演を務める「WOWOWオリジナルドラマ 文豪少年!~ジャニーズJr.で名作を読み解いた~」が3月21日(日)に放送・配信スタート!

夏目漱石や芥川龍之介ら、日本が世界に誇る文豪たちの名作を現代的な視点から新たに解釈した、オムニバス形式となるこのドラマ。WEBザテレビジョンでは、作品の見どころを井上衛プロデューサーに取材した。

少年忍者のレッスンやYouTube動画をひたすら見て研究

――ジャニーズJr.が文豪の名作を演じるという企画に至った経緯は?

ジャニーズJr.の皆さんでドラマを作りたいと話が決まってから企画を考えている中、ふと自宅の本棚を見ていたら、夏目漱石や太宰治など、文豪の名作を現代風にしてみるのが面白いんじゃないかと考えつきました。

その目線で読み返してみたら実際すごく面白かったし、有名な作品でも名前を知っているだけか、教科書などで“読まされた”かで、積極的に読んだ人は意外に少ないんじゃないかと思ったんです。

だとしたら、ジャニーズJr.を好きな同世代の若い方たちにこれを読み解いて伝えるっていうのは、大げさに言えば日本のエンターテインメント界の将来にとってもすごく大事なことなんじゃないかな、と思ったのがキッカケです。

――少年忍者の12人が主演ですが、誰がどの作品に出演するかは、どうやって決まっていったのでしょう?

先に原作の知名度なども考えながら、映像化したい10作品を決めて、それを現代版にアレンジした大まかな構成を組みました。

少年忍者はもちろんグループとしては知っていましたが、お一人お一人の個性までは知らなかったので、レッスンを見学させていただいたり、彼らが毎週水曜日に上げているYouTubeの動画をひたすら見たりして、研究していきました。

そこで特徴をつかんだ上で、この人にはこの作品が、というところを決定。最後はそれぞれの個性に合わせた形で、現代版アレンジの部分を当て書きのように書き換えていった感じです。

冬場の撮影で過酷ロケも

――キャストの皆さんに対する印象は?

きっと少人数のグループだったら、例えばYouTubeの番組でも、自分をアピールする時間は自然と回ってくるんですよね。

ただ少年忍者のように22人いる中で自分を目立たせるのはすごく難しいことで、皆さん、自分はダンス、自分は歌、自分はトーク…といった具合に特技を身に着けなきゃって真剣に考えているんですよね。人数が多いゆえに、それぞれが個性を磨く努力をしているな、という印象です。

今回がドラマ初出演や初演技だという方もいて、撮影に入る前に台本読みをした時は、正直「大丈夫かな?」という方もいました。例えば読めない漢字や知らない単語を調べずにそのまま来る、とか(笑)。

でもそれは良くないよ、という話をしたら、撮影に入って日を重ねていくごとに、皆さん役者の顔になっていったんですよね。共演者の方もそれに刺激を受けていったと思います。

――撮影現場でのエピソードは?

冬場の撮影なので、寒いロケが多かったのですが、黒田光輝くんは裸になったり、ヴァサイェガ渉くんも古代ギリシャ人の格好なのですごく薄着だったりとか、結構過酷な環境が多かったんですよね。

小田将聖くん、田村海琉くんも寒い中で裸になって…あ、別にみんなを裸にさせてるわけじゃないんですけれど(笑)。大変な状況の中、皆さん前向きでしっかりやってくださって、逆にスタッフを気使ってくださっていたのが、さすがだなと。

第9話にご出演いただいた長谷川純さんが話していたんですが、ジャニーズの皆さんはせりふは必ず、覚えてから現場に入るという伝統があるそうで。それを皆さん守っていたのも印象的でした。


――それぞれの個性に合わせて原作アレンジを変えていったとのこと。全話分、見どころ解説をお願いします。

第1話「クモの糸」(芥川龍之介「蜘蛛の糸」)主演:黒田光輝

黒田くんはカッコいい、いい男なんですけれど陰りのある横顔が印象的で、彼のダークな一面が出たら面白いんじゃないかなと。だから「蜘蛛の糸」のアレンジも、悪に走る要素をちょっと増したりしてみました。黒田くんは撮影の日を重ねるごとに、どんどん顔つきがカッコいい役者の顔になっていったのが印象的でした。

第2話「メロスを待つ男」(太宰治「走れメロス」)主演:ヴァサイェガ渉

ヴァサイェガくんはセンターで歌う華がある人ですが、自分が前に前にと出るタイプではない印象でした。だから苦しい時にも表に出さず、押し殺して内に秘める役がいいと思い、メロスではなく耐えて待つ男、セリヌンティウスの役に。この作品だけは、舞台を現代に置き換えると成立しないので古代ギリシャのままです(笑)。

第3話「注文が多い店には気をつけろ」(宮沢賢治「注文の多い料理店」)主演:小田将聖&田村海琉

「注文の多い料理店」は絵本にもなって、若い人でも割と知っているお話なので、小田くん、田村くんという若い2人に。グループ内でもシンメ(シンメトリー:左右対称)でやっている2人なんですよね。内容も、ドアを開けていくところや、何かいろいろやらされるところなど、バーチャルリアリティーゲーム的な要素があるなと思い、中学生でも入っていきやすい世界に仕上げました。

1人は生意気な少年、もう1人は気弱な少年という設定で、活発な小田くん、おとなしい田村くん、というお二人の印象とはあえて逆の役を演じてもらうことに。田村くんにちょっと生意気な方を、小田くんは器用に気弱な方をやってもらったら面白いかな、と配役しました。

第4話「罪と罰の散歩者」(江戸川乱歩「屋根裏の散歩者」)主演:川﨑皇輝

川﨑さんはMC的な役割もされていますし知的な感じ。メンバー全員のこともすごく気に掛けている感じだったので、彼が「屋根裏の散歩者」をやるならもう一歩深いところまで行けるなと考え、ドストエフスキー著「罪と罰」の主人公、ラスコーリニコフの要素を足してみました。人間とは何か、人は死んだらどこへ行くのか、などを考える、哲学的な雰囲気が彼ならイケると踏んだんです。

第5話「二百十日の二百十段」(夏目漱石「二百十日」)主演:安嶋秀生&檜山光成

漱石の「二百十日」をこの若い2人が演じたら、高校生2人が将来についてだらだらしゃべりながら延々歩く話になって、一見ムダな時間に見えるかもしれないけれど、きっと後から振り返ればすごく幸せな時間のように見える物語になるな、と思って配役しました。

普段から仲がいいという2人の“普通の高校生”っぽさが出て、懐かしいのに新しいお話になったと思います。悩める圭と、ぼんやりした陸、という役どころは、お二人の動きを見た初見の印象から配役。のんびりと受け止める陸を安嶋くんが、世の中に対して不公平だとぼやいている圭を檜山くんがやったら面白いかと。この5話は1シーン1カットの長回しなので、そこもお楽しみに。

第6話「稲荷坂の秘密」(谷崎潤一郎「秘密」)主演:深田竜生

原作は不倫モノで、女装して歩く男性が昔何かあった女性と再会する、というかなり特殊な世界観なんですよね。それを深田くんが演じるということで、彼は少年忍者の中でもかなり背が高い方だと思うんですが、顔もキレイでスタイルもすごくいいので、女装という前提を変えずに残しました。

しゃべると普通の男の子なんですが、黙ってふと立っている時の姿が、明治時代の職業不詳の男の妖しさみたいなを身にまとっている人だと思ったので、この話は彼にとても合っていたと思います。

第7話「外科室のある洋館」(泉鏡花「外科室」)主演:織山尚大

織山くんはとにかく、せつない表情が魅力的だと思ったので、一人の女性のことををずっと忘れられずにいる少年にピッタリかなと思って、初恋の話にしました。

彼には実年齢より少し上の大学生を演じてもらい、それでも年の差がある恋愛のお話なので、相手役の中村ゆりさんも「私で大丈夫かな?」と心配されていましたが、時間を超越したはかなさ、透明感が際立つ、美しい作品になっていると思います。

第8話「少年と舟」(森鴎外 「高瀬舟」)主演:北川拓実

この主人公は特殊な役で、じっと座っているだけで主体的に動かないんです。でも、彼の純粋さゆえに周りが勝手に想像を膨らませて物語が動いていくのですが、北川くんはこの役にピッタリで。すごく純朴そうで、じっと座っているだけで周りの大人の心を変えてしまう不思議な存在感がある。本当に北川くん自身がその通りの人なので、ピッタリはまったと思います。

第9話「雪おんなの風」(小泉八雲「雪女」)主演:元木湧

当初、主人公が雪女に魅入られる形で構成していたのですが、元木くんに決まってから、彼の元気で明るい感じを受けて、アメリカ映画「スタンド・バイ・ミー」を意識した冒険モノに変更しました。

少年忍者の青木滉平くんと平塚翔馬くんにも出てもらって、3人で森の中を冒険しながら、少年が大人になっていく物語です。元木くんも今年ちょうど成人するので、反抗期を経て大人になっていく感じが出せて、いいキャラクターになったと思います。

第10話「冬の青い日傘」(夢野久作「空(くう)を飛ぶパラソル」)主演:内村颯太

これは原作の設定(新聞記者)を現代っぽく、動画を配信している男の子に変えているんですが、内村くんは普段から爆発キャラというか(笑)。話も上手で、意図しないナチュラルな面白さが出ている人なので、この役にぴったり。主人公はちょっとやり過ぎちゃうところに、内村くんらしさをプラスして、失敗から成長していくキャラクターとして反映させました。彼の良さが存分に出せたと思います。

取材・文=magbug


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