
仙台の家
敷地は仙台駅から車で20分ほどの場所で、東の方向に大きく下るような地形をもった古い住宅団地の一角に位置している。
現在は東京で働く独身である施主が、故郷の家を父親のために建て直し、そして自分も戻り住むというものである。併せて、子供達が独立して二人暮しになった姉夫婦を迎え入れることも想定されている。それぞれの生活の中で様々な価値観や生活スタイルを身に付けてきた家族が再び同じ家で暮らすということから、家族の集まる場所を中心に個人のテリトリーへと空間が一続きでありながらそれぞれのプライバシーに配慮するというプランが望まれた。
民家のスケール感にも似た高さをもつダイニングをこの家の中心に据え、それぞれのテリトリーへと触手が伸びていくように空間を繋げ、その大きさや向きを変えながら奥に向かってプライバシーの濃度を変えていくようなプランとなっている。
ダイニングからキッチン・DEN1、更にその上の吹き抜けから2階の寝室へと繋がる場所は、食通である施主のテリトリーとなる。吹抜けに差し込む朝陽は家の一番奥にあたる細い路地のようなこの場所を明るくし、早寝早起きの施主に快適な朝を提供することになろう。
ダイニングとの間に挿入した壁と階段を介し廻り込むように板の間から和室へと繋がる場所は父親のテリトリーとなる。縁側でくつろいだり、板の間でお茶を飲んだり、どこにいても昔から大事にしてきた庭木を眺めながら過ごすことができる。
階段上部の吹き抜けを介して繋がる2階のゲストルームは姉夫婦をはじめ来訪者のテリトリーとなる。中心からの距離を確保し、奥をつくることで緩やかにプライバシーを保てるようにしている。近隣の家や団地の窓からの視線が気になる方角には開口部を設けず、土地の高低差により得られる眺望や朝陽の方向へ大きく開き、開放的な大きなテラスを併設させることで、その先の外部との繋がりや他の場所とは異なる空間の拡がりと明るさを付与しようとした。
かつての家と変わらない玄関の位置は、迂回路を設置してまでもそこに玄関を置いていたことから想像できる父親の家相を重んじる精神に敬意を払ったものである。また、和室の付柱にはかつての家にあった丈比べの跡が残る柱を使用した。そして父親が愛情を注ぎ込んだ庭木は、可能な限り残すこととした。要望でもあったこれらの事はこの家族固有の時間の流れを繋ぎとめながら、新しい家にある種の
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