
elnath/平面的、立体的な斜めの壁によって構成された空間を考えてみる。
住宅地に住みながら、少し開放的に明るくすごしたい、という施主からの要望でした。
できるだけカーテンに頼らずに視界をコントロールできる方法を提案できればとの考えで、初回は南側に壁を配して小さな中庭を設けたプランを提示しました。
いわゆる中庭型住宅、コートハウスと呼ばれるかたちのプランのひとつです。
そのプランに対して少し要望をいただき帰って調整していると少し中庭が窮屈な感じがしてきてしまい、平面的に壁を斜めに傾けてみたところ、中庭に対してより開放的なかたちとなり第2案として提示しました。
この形は今の原型となり気に入っていただいたのですが、模型を見て奥様が「この壁を斜めに傾けたらもっと陽が入りそうかな」と。
それは僕にとっても面白い考えとなり、「ああっ、それ面白いですね!」と咄嗟に答えてしまったのが苦労の始まり。
立体的に試行錯誤を重ね、難しい構造を構造事務所に紐解いてもらい、そして多分誰よりも大変だったであろう現場監督さんと大工さんの細やかに配慮の行き届いた仕事でこの家は出来上がりました。
壁の角度が垂直でないことによって目線が直に当たらず、奥に視線を逃がしてくれるので実際の広さより奥行きが生まれています。
今回は外観の屋根形状から連続するかたちで南側の壁をデザインしており、結果として1階と2階で全く違う景色が楽しめるすまいとなりました。
当初は家形と思ってデザインしていたかたちも、少し傾けることで朝顔の花やオクラの断面のような五角形の印象が強くなり、陽を取り入れるために傾けた壁は、物理的以外に色々な間口も広げることになりそうな気がしています。
光だけでなく風や音や気配や近隣との関係まで含めて、たくさんのものを取り込んでくれることを期待できる家なのかもしれません。
事務所を開いてもうすぐ6年だと思うのですが、
住んでいる埼玉県で初めて完成した物件でした。
自身初となる垂直方向に斜めになった壁は現場の方々に苦労いただきながらも、
非常に面白い試みとなり、コートハウスという枠の中で駐車場を減らさずに空を増やす
新たな体験を提供できたのではないかと思います。
設計・工事監理:ポーラスターデザイン 一級建築士事務所・長澤徹
施工:株式会社堀尾建設・金子泰久
照明:大光電機株式会社・高木英敏・石田未央
植栽:装景NOLA・長谷川隆明
撮影:藤本一貴
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