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世界にひとつを贈りたいー 「恋人」に贈る最後のクリスマスギフト

「minneとものづくりと」では、11月に「たいせつなひとに、世界でひとつのギフトを贈りたいひと」を募集しました。当選したのは、神奈川県にお住いの有紗さん。婚約中の彼に贈る、「恋人」として最後のクリスマスギフトを作家さんといっしょに準備したお話です。

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作家さんと、いっしょにつくるプレゼント

minneが「贈りもの」をお手伝いさせていただく企画も、今回で第5段となりました。応募は最多。そんな中から当選された、横浜にお住いの有紗さんにお話を伺いました。

来年3月の入籍が決まっているという有紗さん。なんと、プロポーズを受けたのは11月とのこと。今年のクリスマスは「恋人」として過ごす最後のクリスマスになるといいます。

有紗さん

はい。日ごろの感謝の気持ちも込めて、いい贈りものができるといいなと思います。

どんなものを贈ろう?

婚約者への心を込めたプレゼント。なにを、どんなふうに、贈るのがいいでしょうか。
有紗さんと話し合い、たどりついたのはやはり「実用的」で「いつも使ってもらえる」もの。

有紗さん

「名刺入れ」か「ペンケース」を贈りたいなあと思いました。観察してみると、すこしくたびれていたんです。

有紗さん

そうですよね!取り出しやすくて、落ち着いた色味の「名刺入れ」がいいかと思います。名前も入れられるといいなあ。

そうして、彼に喜んでもらえそうなデザインをいっしょにさがし、とある作家さんのお宅にお邪魔させていただくことにしました。

名入りの名刺入れを

今回、作品づくりのお願いをさせていただいたのは、丁寧な縫製でひとつひとつ革製品を制作されているご夫婦・KABOOTTO(カブット)さんです。

KABOOTTO(カブット)

イタリア製の上質な革で、シンプルなデザインの革小物を手がけられています。

KABOOTTO三浦さん

遠いところからお越しいただきまして。急にお声がけいただいたのでびっくりしました。こちらこそありがとうございます。

KABOOTTO三浦さん

それはそれは。とっても光栄です。

奥さま

うれしいです、ありがとうございます。

KABOOTTOさんは、作品の制作をご主人が、発送や購入者の方々とのやりとりなど販売活動のサポートを奥さまが担当されています。

KABOOTTO三浦さん

そうですね、おかげさまで忙しくさせていただいてますが、今回のお話はとても驚いて。早速、オーダーいただいたとおりのカラーで途中まで仕上げておきました。

有紗さん

すごい、艶もあって素敵ですね。名前も入ってる!

KABOOTTO三浦さん

そうなんです、名入れは前半の行程だったので、先に入れさせていただきました。お見せできずにすみません。

KABOOTTO三浦さん

イタリア製の革を使用しているのがこだわりなんですが、本来、革はこんなふうになっていて。それを型を使って、くり抜くんです。

KABOOTTO三浦さん

今回は、くり抜く作業があらかじめ済んでいたので、名入れをして周りを縫い合わせるという工程がありました。

KABOOTTO三浦さん

名入れは、このようなコマを使うんです。これを並べていって機械で打ちます。

有紗さん

力をかけて、プレスするんですか?

奥さま

そうですね。コマを並べて、ネジで締めて、機械で温めるんですよ。

KABOOTTO三浦さん

そうなんです。確かめようがありませんが、どうやら170度まで温まっているそうなんです(笑)。プレスして熱で印字している、ということですね。

KABOOTTO三浦さん

そうすると、こんなふうに仕上がります。

有紗さん

わあ、こんなにきれいに入るんですね、すごい。よろこんでもらえそうで、うれしいです。ネイビーの色もきっと気に入ると思います。

形になるまで

KABOOTTO三浦さん

ここからは、のりをつけて、縫って、組み立てていきます。

KABOOTTO三浦さん

ひとまず接着して、このあとは乾燥させます。ミシンで縫うための仮止めですね。これも大事な作業です。

有紗さん

はい。完成がたのしみです!

KABOOTTO三浦さん

いちばん集中力を要する作業かもしれませんね、一発勝負なので。1度穴が空いてしまったら終わりですから。

失敗のできない作業に場の空気が張り詰め、ミシンが上下する音だけが細かく刻んで響きます。

KABOOTTO三浦さん

ミシンの行程は、ここで終わりです。

両端を縫い上げ、ここからは糸の始末と磨き上げの作業に入っていきます。

「手で縫う」こだわり

KABOOTTO三浦さん

最後のかがり縫いの部分は、ミシンだと下糸と上糸が引っ張りあって繋がっているので、引っ張りあっている部分が見えてきちゃうんです。手間ではありますが、手でかがることで格段にきれいに仕上がるので、ここはこだわりとして毎度手で仕上げていますね。最後は糸を火であぶって留めています。

KABOOTTO三浦さん

そうですね。量産品にはない「手づくりだからこそ」の価値を込めたくて、細部には気をつかってます。気づいてくれるひとが、どのぐらいいらっしゃるかはわからないのですが、自分たちの譲れないところなので。

有紗さん

はい。しっかり想いのこもったものをプレゼントしたかったので。この話も彼にぜひ話したいと思います。

そして、三浦さんから素敵なご提案が。

KABOOTTO三浦さん

ここからは磨く作業なんですが、有紗さんやってみませんか?

KABOOTTO三浦さん

縫い合わせた側面を、こうやって磨いていく作業なんですが、これも仕上げの大事な行程です。

有紗さん

その白い紙はなんですか?

KABOOTTO三浦さん

実は「レシート」なんですよ。

KABOOTTO三浦さん

長い間、いろいろなものを試して研究したんですけど、スーパーやコンビニでもらう「レシートの裏」で磨くのが、いちばん仕上がりが良いことに気づいたんです(笑)。

KABOOTTO三浦さん

レシートの種類やサイズによっても良い悪いがあるので、これはもう相性のいいものをさがすしかないですね(笑)。

三浦さんにコツを伺いながら、有紗さんが仕上げに挑戦します。

想いを込めて磨き上げると

有紗さん

本当ですね、こするとザラザラしていた表面がなめらかにすべすべとしてきます。おもしろいですね。徐々に、引っかからなくなってくるんですね。

KABOOTTO三浦さん

そうなんです。ちがいが自分でもよくわかりますよね。

有紗さん

仕事でお客さんに会うときは必ず名刺入れを使っていると思うので、これをずっと持ち歩いてもらえると思うと、すごくうれしいですね。

心を込めて、磨き上げます。

有紗さん

できました!両面とも、なめらかになりました。

KABOOTTO三浦さん

ばっちり、完璧ですね。

最後は、三浦さんに形を整えていただきます。

奥さま

今年で…5年目になりますね。もともとふたりとも、レザーで鞄をつくる勉強をしていて。

奥さま

そうなんです。最近は、クリスマスプレゼントもしなくなっちゃったけど(笑)。どうしても12月はギフトの作品づくりで忙しくって。

有紗さん

支え合いですね。

おふたりに、恥ずかしそうな笑顔がぽっと灯ります。

そしてついに、「名入りの名刺入れ」が完成しました。

有紗さん

わあ、すこしですがお手伝いもさせていただけたので本当にうれしいです。ありがとうございます。

こちらまで幸せいっぱいの気持ちに。

奥さまがギフト用のラッピングをほどこしてくれます。

奥さま

よろこんでもらえるといいですね、たのしみ。

細部に宿るもの

三浦さんに、この名刺入れに込めた想いをさらに伺いました。

KABOOTTO三浦さん

シンプルさの中にも、いろいろと工夫を凝らしている部分があるんです。たとえば、ポケット部分のアールは深くして名刺を取りやすいようにしていて、格好が悪くならないギリギリのラインを見極めてデザインしてみました。革の厚さも、これはもともとベルトをつくるような素材なんですよ。強度は大事にしつつも、厚くしすぎると閉じたときに不恰好なので、0.1mm単位でこだわっています。

KABOOTTO三浦さん

ありがとうございます。よろこんでもらえるといいなあ。

こうして、KABOOTTOさんにご協力いただき、有紗さんの贈りもの準備が整いました。
あとは当日を待つだけ。

そして後日…

そしてクリスマスイブの日。有紗さんから編集部にうれしい連絡が届きました。

有紗さんから

今日、指輪を受け取りに行く日だったので、その前にプレゼント交換をしました。作家さんに協力いただいて用意したことを伝えると「え!有紗も手伝ったの!」と目をキラキラさせてよろこんでくれました。「名刺を取り出しやすそう」「名刺入れ使いたいから、来年の仕事始めの楽しみができた!」「しばらく机の上に置いてにやにやしよーっと(笑)」とたくさんうれしい感想をもらえました。恋人として贈る最後のプレゼントですが、婚約者として贈る唯一のプレゼントで、これがはじまりでもあるので、いっしょに歳を重ねていける贈りものができてしあわせです。本当にありがとうございました!

数日前からいっしょにわくわくとした気持ちを味あわせていただき、こちらこそ、あたたかなクリスマスプレゼントのような言葉をいただけて、思い出いっぱいのクリスマスとなりました。
有紗さん、末長くおしあわせに。
そして、KABOOTTOさん、素敵な作品を本当にありがとうございました。

みなさんにとっても、心あたたかな1日になりますように。メリークリスマス。

取材・文 / 中前 結花  撮影 / 真田 英幸

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