家が傾いてる?知っておきたい危険性と与える影響

家の傾きの危険性と与える影響について解説。家族と長く快適に住み続けたい家だからこそ、問題点がないか確かめることが大切です。家の傾きによる体調不良や、健康被害についても知っていきましょう。少しでも「もしかしたら傾いているかも」と感じている人はぜひチェックしてくださいね。

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家に傾きがある場合、その許容範囲はあるのか

家が傾くことは、当然住む方にとっては好ましくありません。しかし、100%水平が保たれている地盤など現実にはないものです。どのような土地でも必ず事前に整地をして家を建ててはいるものの、何十年にわたって完璧な水平を保つことは難しいでしょうし、多少歪みが起こることは仕方がないと考える必要があります。では、どの程度の傾きなら許容範囲以内と言って良いのでしょうか。

品確法の「住宅紛争処理の参考となるべき技術基準」によると、住宅の傾斜の度合いによって住宅や地盤に瑕疵がある可能性を判定できる基準は以下の通りとなります。

レベル1:勾配の傾斜が1000分の3未満であれば、住宅や地盤に瑕疵がある可能性は低いとされる
レベル2:勾配の傾斜が1000分の3以上1000分の6未満の場合、住宅や地盤に瑕疵がある可能性は中程度とされる
レベル3:勾配の傾斜が1000分の6以上なら、住宅や地盤に瑕疵がある可能性が高いとされる

床の長さを2点で結び、その距離が3m以上となる間に引いた直線の、水平面に対する角度で判定します。また壁や柱など垂直面の場合は、2m以上とします。しかし、「床の傾斜が1000分の6以上だから欠陥住宅である」と言い切れるとは限りませんから注意が必要です。地盤の状態や住宅の構造などさまざまな要素から総合的な判定を下す必要がありますから、数値だけで必ず瑕疵があると判断することは早計とも言えます。

逆に、「1000分の3未満の傾斜なら安心して良いのか」と言えば、これもそうとは限らず「欠陥はまったくない」とは言い切れないでしょう。個々の住宅の状況や状態によって異なる判断が必要となる場合もありますから、傾斜の度合いで住宅に問題が生じているかを判定するためには専門業者による詳しい調査・診断が必須です。

家の傾きは人の精神的・身体的ストレスにも影響する

ここでは、家の傾きが人の心身に与えるストレスの問題について詳しくご紹介しましょう。

【1.精神的なストレス】
住んでいる家が傾いていると気づいた瞬間から、大抵の人は大きな不安に苛まれるものです。「住み続けても大丈夫なのか」「さらに傾いたときにはどうすればいい?どこに相談すればいい?」「原因は何であり、元に戻すことはできるのか」など、心配事が尽きなくなってしまうかもしれません。

「地盤調査の業者や施工業者などへの連絡、相談、調査の必要を考えると憂鬱になる」「かかるお金のことを考えれば不安になって夜眠れない」など、ストレスが募って体調を崩してしまう人もいます。

【2.身体的なストレス】
家の傾きが身体へ直接的に影響を与えることもあります。個人差はありますが、例を挙げれば2度の傾斜がある場所に長期間滞在すると、めまい、頭痛、吐き気や食欲不振などを引き起こすことがあります。

傾斜が4度になると、強い疲労感や真っ直ぐなものも傾いて見える症状が出てくることがありますし、睡眠障害をきたすこともあります。さらに傾斜が7度以上になれば強い倦怠感が出やすくなりますし、半数以上の人が睡眠障害を訴えるようになります。

よく「床にビー玉を置いたとき、傾斜があれば転がっていく」という映像をテレビで観る機会があります。ビー玉が自然に転がっていく程度の傾斜は「0.6度から」と言われています。0.6度と言われると大したことのない角度と思われるかもしれませんが、それでも人によってはめまいや頭痛などの症状が出ることがあるのです。

私たちは平坦な面で生活することを前提に日々暮らしています。傾斜のある場所で長時間過ごすことは身体に違和感を与えてしまい、その違和感がストレスをさらに増長してしまうことになります。

平衡感覚に異常を感じたり、普段使われることのない筋肉を使いながら生活したりすることにより身体は常に緊張状態に置かれますから、それが原因で血行不良を起こすこともあります。そのような心身の不調はやがて自律神経の乱れにつながり、さまざまな体調不良を引き起こしてしまうのです。

家の傾きによる危険性とはどんなものか

正常な家と、傾いている家では各箇所への荷重のかかり方が異なります。複数の柱にできるだけ均等に荷重がかかるように水平に建てられた家と比較して、傾いている家はある特定の部材に偏った荷重がかかってしまいますから、1箇所に無理な負荷がかかり続ける状態となります。そのため、家が傾くとドアや窓の開閉が困難になったり、建具のたてつけが悪くなったり、壁やタイルにヒビが入ったり、ひどい場合は雨漏りしたり、排水管が断裂したりすることもあります。

さらに、傾きの影響で外壁にヒビが入れば雨や湿気が浸入しやすくなり、木質の材料で作られた建具などは腐食を起こしてしまいます。それらの影響が積み重なることで、家が壊れやすくなってしまいとても危険な状態になります。特に、大地震が発生すれば倒壊する恐れにもつながりますから注意が必要です。

まとめ

こちらの記事では、傾いている家に住み続けることによって心身に及ぶ影響についてご紹介しましたが、もちろん影響の度合いには個人差があります。どなたでも家が少しでも傾いていれば健康を害するということではありませんのでご了承ください。しかし、傾斜のために体調不良を起こすことは避けたいものですから、気づき次第早めの対処をおすすめします。また、新築の家を建てる際は必ず事前に地盤調査をし、強度不足であれば補強工事を行いましょう。

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