小栗旬、決断を迫られる北条義時を演じる思い「正直言ったら結構しんどいです」<鎌倉殿の13人>

小栗旬が主演を務める大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8_00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第18回「壇ノ浦で...

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小栗旬 / (C)NHK

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小栗旬が主演を務める大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第18回「壇ノ浦で舞った男」が5月8日(日)に放送される。第18回では、長きにわたる源氏と平家の戦いに終止符が打たれる壇ノ浦の戦いが描かれる。節目となる第18回の放送にあたり、主演の小栗と制作統括・清水拓哉がオンライン合同取材に応じた。

合同取材では、小栗に自身の役柄を演じてきた思いや、菅田将暉の魅力、今度の義時の変化について語った。また、制作統括・清水は、今後の物語の変化や義経というキャラクターの魅力、第18回のみどころなどを明かした。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第18回場面写真 / (C)NHK

小栗旬が語る印象的な場面「初めて義経に対して意見をする瞬間」

――第18回の中で印象に残っているシーンはありますか?

最後、戦が終わった時に義経と二人で話をするシーンです。そこは、素晴らしいロケーションで撮影もさせてもらいましたし、その中で、義時は自分たちが目指した平家滅亡というものは、果たしてこれが正解だったのだろうかということを悩んでいて、初めて義経に対して意見をする瞬間でもあるので印象に残っています。

――二人のシーンについて話し合ったりされましたか?

お互いに、「ここはこういう芝居をしようか」といったような話は特になかったです。演出の吉田照幸さんを含めて、心に刺さるものを残していくためにどうしたら良いのかという話は現場でしながら作っていきました。

――義時と義経の関係性をどのように感じていますか?

今回の第18回に至るまでは、義経の中であまり義時は眼中にない存在だと思います。「小四郎なんとかしろ」とか言われる瞬間はありますが、彼にとっての義時は、あくまで頼朝の家人であって自分にとってはそんなに大きな存在ではないというスタンスで絡んできています。

菅田将暉の魅力とは…「底の知れない人という印象です」

――義経を演じる菅田将暉さんの魅力を教えてください。

義経を演じる姿を見ると、今まで見てきたの中の菅田将暉とは、また違う存在感を感じられて、底の知れない人という印象です。あまり現場で悩んでいるような素振りとかを見せる人ではないので、いつどのタイミングでお芝居のことを考えているのかなと思っています。

――義時と似ている部分や、異なる部分はありますか?

なかなかこの時代の人物を今の自分に投影するのは難しいです。その中でも、900年以上前の状況を想像して、その時代の感覚を今の自分の中から絞り出さなければいけないので、間違いなく自分のパーソナルの部分も含めた義時というキャラクターになっていると思います。

先日、現場で宮沢りえさんとそのお話をしていて、同じ台本をもらっても僕でなければこの義時にはならないし、違う人が演じた場合には、絶対違う義時になると思います。大泉さんが演じなければ絶対、今回のような頼朝にはなっていない、といったようなお話をしていたので、間違いなくその俳優さんが持つ何かしらの部分というものは、役を通して出ていっているのだろうと思います。そのうえで、自分との共通点が明確に見えるかというと、そうでもないなという気はします。

小栗旬 / (C)NHK

とても悩みながら進んできた部分はあります

――佐藤浩市さん演じる上総広常が亡くなった第15回「足固めの儀式」の現場の雰囲気や、佐藤さんの演技はいかがでしたか?

あの日の現場はこれまで撮影をしてきた中でも、数本の指に入るくらいピリッとしているムードではあったと思います。ただ、自分も義時としてその現場にいてお芝居をしているので、目の前で浩市さんのあのような芝居を見たからということで、その時に「おぉー!」というような感覚はなかったです。撮り終わって出来上がったものを見た時に感じるものはありました。

自分としては、最後に義時の方を向いて、少し笑顔を残す上総介という人は、一体どういうメッセージを自分(義時)に送ったのだろうかということはとても悩みながら進んできた部分はあります。

――佐藤さんと撮影の際にお話されたりしましたか?

シーンについての会話は特になかったです。その時の演出が保坂慶太という監督だったので、かなり保坂さんと浩市さんが入念にお話されていました。自分(義時)からすると、何がどういうふうに起きていくのかわからない状態で見た方がいいと思っていたので、浩市さんや保坂さん、獅童さんたちが打ち合わせしているところは、なるべく聞かないようにしようと思っていました。

――以前、大河ドラマ「義経」(2005年)で梶原景季を演じていましたが、景季から見た義経と今回演じる義時から見た義経の違いはありますか?

義経のキャラクターもその時と今回で違ってくるので、なかなか平行線で考えるのが難しいです。今回の「鎌倉殿の13人」では、今後、義経が頼朝サイドからすると物凄く大きな問題になっていき、その中で、自分が演じる北条義時という人はどういう動きをしていたのかということが今後展開されていき、かなり大きな決断をしなければいけない瞬間が待っています。そこは第18回以降の一つの目玉になるのかなと思います。

北条義時役は“結構しんどい”も「現場はみんな楽しく撮影できている」

――苦渋の決断を迫られる義時を演じる中で、大変なことはありますか?

正直言ったら、結構しんどいです。自分が義時をやらせてもらっている中で感じることは、どのシーンにいても「次どうする、次どうする」ということを常に考えていなければいけなくて、それが最初の頃は楽しかったし、どんどん成長していく自分というものを愛せていた時期もあったと思います。でも、回を追うごとに、次どうする=誰かをはめなければいけない、誰かを落とさなければいけない、という選択肢になってきているのがしんどくはなってきています。その中で、現場はみんな楽しく撮影できているのでありがたいです。

――義時は涙するシーンが多いイメージですが。

そうですね。第20話くらいまでは現場でうるっとしたり、涙したりした場合には、それをそのまま出してやってきている部分はあるかもしれないです。ただ、いろんなことがこの先起きていく中で、義時の涙も枯れていくというか、涙なんか流している場合ではない状況にはなっていきます。第20話くらいまで義時は、20代前半なので、頭で考えるよりも感情が先走ってしまう部分はあるので、他のキャストさんや演出家からいただいたものをそのまま出していこうとしていた部分はあります。

――義時は何かを成し遂げるタイプではないと思うのですが、役作りで意識したことを教えてください。

実際、義時は自ら前に出る人ではなく、心の奥底では「早く伊豆に帰って米の勘定をしたい」と思っていて、僕としてはそれが一番面白いところだなと感じています。それが、みんなに「どうする、どうする」と言われてきた結果、自分が動かなければいけなくなってきて、いろんな人の間で右往左往しなければいけないという立場になっていったと思います。その部分においては、自分自身も、基本的に意見は持ち込まずに、周りのみんなのやること、やりたいお芝居を受けていくという作業が、蓄積すると自分(義時)というキャラクターができてくるのかなと思って撮影に臨んでいます。

今後の注目ポイントを明かす「決断していく姿は見ていただけたら」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第18回場面写真 / (C)NHK

――義時の今後の変化はありますか?

義時が自分で考えて行動を始めていく瞬間が増えていくので、変化は大きくあると思います。それこそ第15話で三浦義村に言われた「頼朝に似てきているぞ」というセリフなどが、改めて際立ってくるかなと思います。

――頼朝に対する思いの変化はいかがですか?

義時は、頼朝に付き従ってきている理由の一つに、「坂東武者の世を作って、その上に北条がいたい」という兄・宗時の思いを信じて動いてきた部分があると感じています。ただ、途中から兄の気持ちはもちろんありつつも、「この人(頼朝)を支えなけれないけない」という思いが強くなっていったと思います。そこが一番難しいところで、宗時の言葉を20年近く持ち続けながらも、そのモチベーションだけではなくて、その間に頼朝と過ごしてきた時間の中で、納得のいかないこともありつつ、それでも、いつになっても誰の事も信頼できないでいる頼朝という人を支えられるのは自分で、自分がこの人を裏切ったら、全てが崩れてしまうんじゃないかということを信じて、頼朝の死まで付き合うことにしたのだと思います。

――今後の義時はダークというよりかはシビアな人物になっていくのでしょうか?

そうですね。この「鎌倉殿の13人」の北条義時は、ダークヒーローのようなキャッチフレーズで始まったは始まりましたが、現在、自分が撮影しているところまでに至ってもダークというよりはシビアな決断を毎回迫られるような状況になってきています。その中で、北条が生き抜くにはどうするべきなのかというチョイスをした結果、やってきたことが残忍だったということだと思います。義時という人はどこまで迷い、どこから迷うことを辞めたのかということは、丁寧に作っている段階です。

――今後の義時の注目ポイントを教えてください。

今回の壇ノ浦が終わってからは、源氏の話にもなっていきます。また、頼朝という人がどういう形で鎌倉というものを作り上げていくのかということに付き従っていく中で、義時が段々と今までは振られてこなかった仕事を振られるようになっていきます。そこで決断していく姿は見ていただけたらと思います。

第18回は「非常にドラマチックな回になっています」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第18回場面写真 / (C)NHK

――第15回は神回と言われていますが、今回の第18回はどのような回になりますか?

義経を見つめる義時と頼朝というものにとても共感しましたし、最後にやっぱり義経というのはヒーロー、英雄なんだなと感動しました。ただの“アクションエンタメ回”ではなく、非常にドラマチックな回になっています。

第18回で描かれる源平合戦は「鎌倉殿の13人」の中の一つのクライマックスとして、たっぷりお楽しみいただきたいと思っています。この回に関しては、紀行の時間も本編に組み込んで、45分丸々本編という作り方にしています。

――第18回の注目ポイントを教えてください。

今回のドラマのスタンスでもあるんですけど、歴史学の最新の知見などを反映させながら作ると同時に、古典の物語として、日本人が長く愛してきた平家物語や源平合戦、源義経、源頼朝をきちんと取り入れていきたいと思っています。義経の八艘飛びは、壇ノ浦を描く上で欠かせない一つの重要なピースだと思っていますので、これぞ源平合戦の壇ノ浦という描き方にしております。ぜひ注目していただきたいと思います。

制作統括から見た菅田将暉のすごさ「目が離せない芝居を見事にされる方」

――清水さんが感じた菅田さんの魅力を教えてください。

菅田さんは素晴らしい俳優さんだなと感じました。「俺を見ろ」というような目が離せない芝居を見事にされる方だなという印象があります。三谷さんの描く義経と、菅田将暉という俳優が本当に素晴らしい出会いをしているなと思います。特に菅田さんが、今の歳で義経を演じるのが本当にぴったりだったと思いますし、三谷さんが描く「鎌倉殿の13人」という作品を作る時に、菅田さんが現れてくれたことは本当に幸運なことだったなと。これまでの歴代の皆さんが演じて来た義経と比べて、存在感を放つ義経になっています。

――三谷さんが描く義経というキャラクターの魅力はいかがですか?

僕は、最初の第8回の野武士と矢を飛ばす勝負をする振りをして、相手を射殺してしまうというシーンにはとても驚きましたし、三谷幸喜はすごいことを考えるなと感激しました。義経がただの残忍な魅力のない人間かというと決してそんなことはなくて、自分の欲求や衝動といったものに一直線に突き進んでいて、一つの新たな義経の姿になっていると思います。上総広常の粛清をきっかけに、ついに義経を先頭に源平合戦が始まるわけですが、その時に「絞られた矢が放たれたようだ」というセリフが出てきますが、彼が今まで溜めに溜めてきたエネルギーが一気に放出される姿は本当に見事ですし、本当に三谷さんの脚本は面白いと思います。

――義経の今後について教えてください。

義経は、味方でいる間は非常に頼りになるけど、それがそうではなくなったときに物凄く危険な刃になると思います。義経の持て余すエネルギーを利用する朝廷が現れ、奥州・藤原氏という義経を育んだ藤原秀衡という存在もいます。義経という強烈な人を巡る鎌倉と朝廷、奥州平泉という三角関係が展開されていきます。

善治(梶原善)にも言及「驚く今後を用意しております」

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第18回場面写真 / (C)NHK

――梶原善さん演じる善治の人気が話題になっていますが

善治が人気と言っていいのかどうかわからないですけど、これだけ皆さんに注目を集めるキャラクターになるとは思っていなかったです。それを狙ってやらないのが三谷さんのいいところだと思います。梶原さんが善治という役にあのような肉付けをされて、それがお客さんたちに注目されて楽しんでいただけてよかったなと思います。善治にも驚く今後を用意しておりますので、ぜひ楽しみにしていただければと思います。

――今後の「鎌倉殿の13人」もコミカルな部分を含めて作られていくのでしょうか?

今回狙っている部分としては、時代劇や大河ドラマを敬遠している人たちにも見てもらいたいということから、わかりやすさや現代風の言葉遣い、大河ドラマのお約束に安住しない展開を意識しています。ですので、急に重厚になって肩苦しい時代劇になるわけではありません。

ただ、義時が第15回で頼朝の恐ろしさ、頼朝の右腕であることの恐ろしさに気づいたと思います。もう逃げるに逃げれない状況や、プレッシャーと義時がどう格闘していくのかというのは一つの見どころになっています。今後、シビアなシーンにはなってきますが、「鎌倉殿の13人」のテイストというのは決してなくなりませんので、是非期待いただければと思います。

一つの象徴は坂口健太郎さんが演じる北条泰時だと思います

――新世代が入ってくる中で、今後の物語はどのように変化していきますか?

単純に「みんなで頑張って天下を取った、やったぜ」という話には決してしないというのが三谷さんの一つの進め方かなと思います。若い世代にどういう色どりを与えていくかと考えた時に、一つの象徴は坂口健太郎さんが演じる北条泰時だと思います。泰時が生まれた寿永2年は、源平合戦を前に厳しい粛清があった年です。その大粛清に図らずも加担してしまった義時が、自分の息子に何を教え、彼に何を期待して生きていくのかということが、今後の見どころになっていくかと思います。

――次のトリガーになる出来事を教えてください

頼朝が、それぞれ身勝手な御家人たちを自分の目標のためにどのように従えていくかという中で、一つの答えを出したのが第15回だと思います。上総広常の死は、鎌倉幕府の御家人たちに物凄い印象を残したはずで、平家という共通の敵を倒し終わった後、いつ自分が次の上総広常になるかわからないという状況の中、どうやって生き残っていくかというサバイバルレースになっていきます。源平合戦は、平家を滅ぼしたらそれで終わりではないので、現在、後白河法皇が君臨している朝廷とどう付き合っていくか、それは最終的には承久の乱につながっていく大きなテーマとなります。その鎌倉の内なる争いと、京都朝廷という強烈な壁との戦いという二つの軸が絡み合いながら進行していきます。










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