
ブロックチェーン導入で賃貸管理に変化も
近年はあらゆる産業において、情報のデジタル化が急速に進められており、情報管理の効率性により、事業の成否が決まる局面も増えています。さまざまなプレイヤーがかかわり、その間で多くの情報がやりとりされる不動産業においても、デジタル化された情報の管理は大きな課題となってきました。
そんな中、注目される技術にブロックチェーン技術があります。ビットコインに端を発する最新の技術を積水ハウス株式会社が導入すると発表しており、将来的には不動産情報管理のプラットフォームになるのではと指摘されています。
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積水ハウスが賃貸経営にブロックチェーン技術を導入
積水ハウスは2017年4月27日、データ管理の新しい技術、「ブロックチェーン」を利用した不動産情報管理システムを構築する計画を発表しました。新たなシステムはbitFlyer社が提供するプライベートブロックチェーン技術「miyabi」を活用するもの。
「miyabi」は情報を複数のデータベースで共有するブロックチェーン技術をさまざまなビジネスで活用できるよう開発されたプラットフォームです。すでに3大メガバンク(みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ)とデロイトトーマツグループによる実証実験の報告書が11月30日に公開されている、完成度の高いシステムですが、不動産情報管理システムとして活用するのは国内初の取り組みです。
ビットコインに端を発する新技術
ブロックチェーン技術はもともと仮想通貨である「ビットコイン」を管理運用するために構築されたシステムです。デジタルデータは従来、単独の中央管理者により、単一の中央データベースで集約的に管理されてきました。新たに発生した情報は中央管理者に送られて更新され、利用者はデータベースにアクセスすることで閲覧できるという仕組みです。
それに対してブロックチェーン技術では、複数のデータをまとめてブロック化したものを複数のデータベースで分散的に管理します。ある利用者が発信した情報は分散データベースに送られ、それぞれのデータベースで更新作業が行われ、管理されることになっています。
仮想通貨であるビットコインでは、この仕組みを利用することにより、誰がコインをいくら保有しているのか、利用者全員がリアルタイムで把握できるという大きな利点が生まれました。
データを安全かつ便利に共有できる
ブロックチェーン技術の利点は、安全かつ便利にデータを共有できることにあります。これまで利用されてきた中央管理型データベースでは、データの損壊や改ざんがあった場合、容易に修復することができません。定期的にバックアップをとっていても、最終バックアップから損壊までの間に更新されたデータは失われてしまいます。
一方、ブロックチェーン技術では、複数のデータベースに同じデータが分散されているので、一つのデータベースが損壊しても、他のデータベースが持っているデータを利用して修復することが可能です。改ざんに対しても、その他のデータベースが保有するデータから、「正しいデータはどちらなのか」を推測することができるので、対応が容易になります。
データの利用では、情報の発生と更新の間にタイムラグがほとんどないことがブロックチェーン技術の大きな利点です。安全性に加え、取引情報をデータ利用者がリアルタイムで共有できるという特性は、銀行や証券会社、カーシェアリングなどのシェアリングエコノミー、不動産登記など、多様な分野で利用できるものと考えられています。
賃貸経営におけるブロックチェーン技術の将来性
賃貸住宅市場におけるブロックチェーン技術の活用には大きな将来性が期待できます。アパート投資を含む不動産投資においては、多くの情報がやりとりされており、その管理や運用により成績が大きく影響されます。ブロックチェーン技術により、情報を安全かつ便利に共有できるようになれば、不動産投資の効率は飛躍的に高まるはずです。
仲介・デベロッパーとオーナーによる物件供給情報の共有。管理会社とオーナーの物件管理情報の共有。管理会社とオーナーの入居者管理情報の共有。仲介事業者、管理会社、オーナーとの募集、案内情報の共有。等々、不動産投資における情報の共有にはさまざまな局面があり得ます。
ブロックチェーン技術により情報共有を進めることで、物件見学→入居申込→契約→入居という流れを円滑化する総合的なサービス提供が可能になるものと考えられます。積水ハウスでも、将来的には不動産業界全体をリンクするプラットフォームにすることを目論んでおり、今後注目すべき技術導入の一つと言えます。
まとめ
不動産業は情報産業とも言われる一方、他業種にくらべ、情報化という面でまだまだ遅れている、としばしば指摘されます。積水ハウスの取り組みを機に、ブロックチェーン技術の導入が進めば、安全かつ利便性の高い情報共有により、賃貸事業をはじめとする不動産業全体が活性化することも大いに考えられます。
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