ビルを住宅にリフォームして住むことはできる？

ビルから住宅へリフォームするメリット

・鉄骨造が主流のため、一般住宅に比べて構造面で頑丈かつ耐久性にすぐれる
・階層ごとの天井が高い場合が多く、リフォームでも開放的な室内空間を作りやすい
・元の内装が簡素なため、好みのイメージ通りに改修しやすい
・壁などの移動がしやすく、間取り変更の自由度が高い

このように、ビルを住宅にリフォームする場合には改修の自由度が高い点が主要なメリットになります。「カフェ風の住まいを作りたい」「リビングを最上階にしたい」など、希望する要件が具体的に定まっているなら、大がかりで面倒な改修を伴わずに実現できる可能性が高まるでしょう。

一方、ビルのリフォームには以下のようなデメリットもいくつかあります。

ビルを住宅へリフォームするデメリット

・住宅に必要な浴室・キッチンなどの水回り設備がなく、配管などからの新設が必要
・住居にするには断熱・防音対策が不十分な場合もあり、その場合新たに工事が必要
・鉄骨造特有の外壁メンテナンスや防水対策が定期的に必要
・3階物建て以上の物件でエレベーターがない場合、日常の移動に不便

ビルリフォームには、一般住宅とは異なる工事が必要となる点がいくつかあります。とはいえ、住宅にはあってビルにはない設備などを追加する必要が出てくることに起因する場合が多くなります。リフォーム時にしっかり対策すれば、後々影響が残るものは少ないでしょう。

ビルから住居へのリフォームはこんな人におすすめ

改修工事やリフォーム後の暮らし方などに一般の住宅と異なる点も多くあるため、ビルから住宅へのリフォームは全ての人におすすめとはいえません。ただし、住まいに以下のような要望をお持ちなら、ビルをリフォームして住むことに向いているといえそうです。

・空間をできるだけ開放的に利用したい
・実現したい住まいのイメージが決まっている
・経営する店舗や事務所と住宅を併設したい
・一部を住宅に改装し、一部をテナントや賃貸住宅として賃貸経営をしたい

実際に、5階建てのビルを購入し、下層の階を経営する店舗として使い、上層階は住居としているなどのケースは多くあります。また、空きビルを賃貸マンションに改装したうえで、最上階などに自分たちが暮らすスペースを設けている事例もかなりの数見受けられます。

また、「SOHOオフィスやカフェのような雰囲気の、おしゃれな住まいを作りたい」などの要望が元々あるなら、ぴったりの条件がそろっているビルのリフォームはおすすめといえるでしょう。

ビルから住居へのリフォーム事例

次に、ビルを住宅へリフォームした事例を紹介しましょう。

事例　立地重視で中古ビルを購入。ビルならではの特徴を生かし、開放的な住まいに

好立地を求めて家探しをしていたところ、見つかった安価な中古オフィスビルを住宅にまるごとリフォームした例です。１室１室が広く、窓の少ないオフィスビルならではの特徴を生かしながら、いかに住みやすくリフォームするかを第一に考えて、まずはリフォーム会社とアイデアを出し合いました。

家族が集まるLDKには、3階の1フロア全てを広々と使えるようにすることに。窓の全くない壁面が１面だけありますが、そこには本棚などを設置して趣味のスペースにしています。和室のように使える畳敷きのスペースもリビングの一部に設け、座ってくつろげる空間を作りました。

1階が駐車スペースで、既存の状態では玄関がなかったため、前面に玄関ポーチを新設してそこから直接2階へ上れる階段を作りました。駐車場の奥にある既存の出入り口は、勝手口として活用しています。

断熱対策が既存では不十分だったため、床暖房なども活用して寒さ対策も万全にしました。内外装ともに、元がオフィスビルとは想像できないモダンで暖かみのあるイメージに。全てにかかった費用も2,000万円を切り、同立地のマンションよりもはるかに安く広い家を実現しました。

おわりに

ビルには一般の住宅とは違った特性があるため、リフォームで人が住める空間を作るにも専門的なノウハウが必要です。プランニングなども特徴的になりますから、ビルリフォームの実績が豊富なリフォーム会社に依頼すると無難でしょう。

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