老後のリフォーム費用。限られた予算を有効に使うには

老後のためのリフォームはマネープランが重要

60代でリフォームを行った人にその資金について尋ねた結果では、貯蓄や退職金の一部を充てたという回答が多く得られました。

現役世代のように高額の資金をローンで調達する方法は現実的ではありませんし、実際にリフォームにかけた金額も、300万円以内が大半と少額になる傾向でした。これは、40～50代のうちに老朽化対策などのリフォームを実施済みである点や、二世帯住宅などで自分たちが使うスペースに限ってバリアフリー化などの小～中規模リフォームをするケースが多いことが背景にあります。

また、マンションでは老朽化が始まる前に対策としてリフォームを行ってしまうケースも多くなります。老後になってからリフォームを考えなくて良いよう、補修などが少なく済む築10～15年、年代にして40代のうちに老後に備えたリフォームを済ませてしまうのです。その際にかけた費用も300～500万円ほどが中心と、さほど高額にはならない傾向にあります。

老後と呼ばれる年代になってリフォームを考えるとなれば、余裕を持った資金計画を立てることは難しくなるでしょう。老後のリフォームは、資金面でも「あらかじめ備えることが大切」といえそうです。

老後のためのリフォームで主に行われる改修とその費用

では、老後のためのリフォームでは具体的にどんな箇所が、どのくらいの費用をかけて改修されているのでしょうか。実際に行われているケースを参考にしながら、以下にご紹介しましょう。

1.断熱などの室温対策・省エネリフォーム…20～80万円

高齢になれば、室内の温度差が健康に与える影響も大きくなります。老後のためのリフォームでは、特定の箇所の暑さや寒さを低減するため、省エネ目的も兼ねて断熱や冷暖房設備の改修を行うケースが多くなっています。

費用でみると、浴室暖房の設置が20～60万円ほど、床暖房の設置が50～80万円ほど、二重サッシの取付が1箇所当たり4～10万円ほどが相場となります。

2.床の段差解消や手すりの取り付け…3～25万円

いわゆるバリアフリー化の代表的な工事といえるケースです。床の段差をなくす場合は6畳間の床上げ・床下げで15～25万円ほど、廊下や水回りに手すりを取り付ける場合は3～8万円ほどが相場です。

3.和式便器から洋式便器への交換…20～40万円

なんとなく和式便器を使いながら年を取ってしまい、使いにくさに気づくケースも少なくありません。老後に備えて洋式便器に替える場合、通常タイプで20～25万円、温水洗浄便座タイプで30～40万円ほどが相場となります。

費用を抑えたいなら、保険や補助金制度の活用も視野に入れよう

ここまで紹介したケースには、省エネ・バリアフリーリフォームに当てはまるため、各自治体が設ける補助金制度の対象となる改修も含まれています。また、要支援・要介護認定を受けているご家族がいる場合には、特定のバリアフリーリフォームに介護保険が適用されます。

老後のリフォームでは補助金制度や保険を利用しないケースが多いとのデータもありますが、事前に準備さえできていれば補助金・保険金による助成が受けられることも多くなります。資金をできるだけ抑えたい老後のリフォームですが、計画しだいで更にお得にできる可能性がありますから、あらかじめリフォーム会社などに相談しておくことが大切です。

おわりに

老後のリフォームは、実際に老後を迎える前から備える意味で少しずつでも始めておくことがおすすめです。模様替えなどでリフォームを考えている30～40代の方も、今後必要になると予測できるバリアフリー化や室温対策などのリフォームを取り入れておくことで、老後になってからの出費が抑えられるかもしれません。

老後に備えたリフォームを考えるなら、リフォーム会社のアドバイスも重要。長い目で見たリフォームプランも相談しやすいリフォーム会社を見つけましょう。一括見積サイトを利用すれば、1度に多くのリフォーム会社へ見積を申し込めますから、今まで知らなかった優良リフォーム会社と出会えるチャンスも広がります。

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