将来に向けて備えたい！バリアフリーリフォームのポイントをご紹介

バリアフリーリフォームは早めの実施がポイント

「年を取るのはまだまだ先だから、バリアフリーはすぐには必要ないかな」と思っている方も少なくないはずです。しかし、現在は高齢化や障がいなどに縁がないと思っていても、一寸先の話は分かりません。突然の事故や病気に見舞われるリスクは誰にでもあると考え、今から少しずつでもよいのでバリアフリー化の検討を始めることがおすすめです。

また、バリアフリーは高齢者や障がいを持つ人のためだけのものではありません。暮らしの中で障壁(バリア)になる要素を取り除く(フリー)ことが目的ですから、健常な人の住みやすさにもつながるでしょう。「同居する祖父母のために床の段差をなくして手すりを付けたら、家族全員が楽に移動できる住まいになった」という例も数多くあります。

必要に応じて気を付けたい、バリアフリーリフォームの注意点

「あらかじめバリアフリー化を行っておいたのに、実際には家族の暮らし方に合わない内容だった」と、バリアフリーリフォームのやり直しを検討するご家庭も少なくありません。

バリアフリーといっても、行うリフォームは多種多様です。もちろん将来何が必要になるかを具体的に予測はできませんが、今後家庭内でどんなお悩みが出てくるかをある程度は予想しながら、リフォームの計画を立てることは大切でしょう。

たとえば、視覚機能が衰えれば足元照明の設置などが有効になりますし、足の上下や屈伸がしにくくなれば手すりを設置したり、階段の勾配を緩くしたりすると楽です。また、体力がなくなって疲れやすくなれば、寝室からトイレへ行きやすい間取りや、部屋ごとの室温設定などを工夫する必要が出てきます。

そのほか、火器の取り扱いによる事故を防ぐため、IH調理器を設置することもバリアフリー化の一環です。また、物忘れによる暮らしにくさを予防するため、出し入れしやすい収納設備を設ける方法もバリアフリーリフォームに当てはまるでしょう。

バリアフリーリフォームの事例

次に、実際にバリアフリーリフォームを行った例を紹介していきましょう。

事例　退院後の自宅介護を踏まえ、自立サポートのできるバリアフリー住宅に

入院されていた同居のお母様がリハビリを終え退院されることを機に、バリアフリーリフォームを行った例です。築30年を超えるマンションのため、既存の状態では自宅介護にあまり向かない間取りや室内でした。思い切ってスケルトンリフォームを行い、介護する側もされる側も負担の少ない、自立サポートに配慮した住宅を目指しました。

まずは床の段差を解消し、車椅子移動しやすいように廊下や浴室、トイレ、洗面所は十分な広さを確保。お母様の寝室となる洋室には介護ベッドのほか、室内に専用の水洗トイレを設けています。浴室には介助者も使いやすいよう、浴槽の蓋がそのままベンチになる介護向けのシステムバスを採用しました。

間取りを変更したことにより、洗面所・浴室・トイレ間の動線がだいぶ改善されました。浴室とトイレにはしっかりした手すりを取り付け、洗面台も車椅子に座ったまま使えるタイプを選んでいます。お母様ご本人が暮らしやすくなることはもちろん、介助されるご家族の負担も少なくする自立サポートに配慮した住まいを実現しました。

おわりに

末永く安全に暮らすことを考えると、ご自宅のバリアフリー化は欠かせません。また、高齢者や障がい者ご本人のみならず、自宅で介護・介助するご家族にもやさしい家づくりを意識したリフォームを行うことが大切です。

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