【専門家監修】廊下の床に違和感……!廊下リフォームの費用や施工内容を紹介

日常生活で毎日歩くのが廊下。その床が歩くたびにきしんだり、たわんだりしたらたまりませんね。2階建ての一戸建てを例にとると、平均的に全面積の10%程度が廊下になります。そんな廊下に問題発生となればすぐにリフォームを検討すべきでしょう。リフォームの内容や費用について紹介します!

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廊下の床がたわむ、きしむなら、リフォームの必要あり!?


もし床が歩くたびに感じる、きしみやたわみを放置するとどうなるか?

建築後20年程度の家だと仮定すると、この段階で問題が発生するとここから10年もすれば床が抜け落ちても不思議ではありません。

「それはオーバーでしょ?」と言う声も聞こえてきそうですが、廊下の床に問題が発生している場合、シロアリ被害のケースも十分に考えられます。そう考えると、最悪のケースでは床が抜け落ちても決して不思議ではないのです。

廊下を歩いていつもと違う音がした、あるいはきしみを感じた、たわんだような気がしたら迷わずすぐに相談をしてください。

廊下の床リフォーム

施工内容

きしみなどの原因はもちろん床にあるのですが、その多くは経年劣化によるものです。根太(ねだ)といわれる木が床を支えているのですが、この木の耐性が弱くなればたわんできますよね。

また、床を支えている束(つか)というつっかえ棒のようなものにも着目しましょう。この棒状のものがゆがんだり、場合によっては基礎からすれて横倒しになっているかもしれません。

このように、根太と束の異常が問題を発生させている場合は、ここをリフォームすればいいのです。

工期ですが4日から2週間を見てください。意外と長くかかるのは、年数の経過した住宅の床下ほど予測できない場所はないからです。

費用

リフォーム費用もその幅がとても広くなります。

例えば根太などに問題がなく表面に貼ってあるフローリング材の劣化のみであれば、該当箇所を引きはがして新しいフローリングを貼れば終わりです。

しかし、根太の腐りがあったり、さらにその下の束に何らかの問題が発生していたら大事。費用は簡単に100万を超えていきます。

ポイント

床鳴りなどの問題は表面的な軽い問題なのか、患部が奥深く床下まで行っているのかが、専門家でも時間をかけなくてはわかりません。 

人間に置き換えてもらいたいのですが、もし胃痛が長らく続いたとしたらどうしますか?ただの胃痛かもしれませんが、深刻な病かもしれません。

こうした場合、私であれば迷わず医者に行って胃カメラを飲みますね。そこで何ともなければ良し。もし重病であったとしても、早期発見にてそれで良し。となるのが普通です。

あわせてしたい廊下リフォーム

壁材もあわせてリフォーム

●施工内容

床リフォームをせっかくしたのならば壁材も変えたいと欲が出てきて当然です。

簡単に済ますならば壁紙を変えるだけでもいいでしょう。壁紙の変更ならばさほど費用はかかりませんので、気分一新のためにもやってみてはいかがですか。

そして、通常のクロスでもいいのですが、もともとの壁材が土壁や塗り壁の類であるならば、そのテイストをそのまま生かして漆喰の壁にしたりここ数年来話題の珪藻土に変えるのもいいでしょう。

特に珪藻土は私のおすすめ。最近はバスマットとして珪藻土がホームセンターなどで普通に販売されています。我が家も珪藻土バスマットを使用していますが、驚異の吸水力には脱帽です。

その吸水力(調湿力)をもった珪藻土を廊下の壁に使用すると、明らかに体感湿度が適正化され、快適な生活空間を作り出します。

●費用

20mもあるような廊下は想定していませんが、玄関を入って見える範囲の一般的な面積を、珪藻土を使った壁にリフォームする場合を考えますと、おおよそ8万円~15万円でしょう。

●ポイント

玄関ホールだけではなく見えない部分や2階にも廊下はあると思います。しかし、1階廊下は来客の目にも触れますし、家族として毎日の帰宅すぐに目にする空間です。

この空間にある壁が珪藻土の壁に生まれ変わったら、見た目もそうですが体感としても実に爽やかな感じを受けるでしょう。また、廊下の床材だけを新調しても、古い壁材との同居となりますので、その違和感はどうしてもぬぐえません。

ここは、一念発起して床鳴りをこれ幸いとして、壁のリフォームまでもやりましょう。

手すりや灯りをつけてバリアフリー

●施工内容

手すりは廊下の長さ分をつけるのが基本的ですが、廊下幅がある玄関であれば、両側につけるのがおすすめ。実際に暮らしている方の意見を聞いても明らかなことです。

また、足元灯の設置を並行して工事すると、転倒の危険性を激減させますので、廊下のリフォーム時にはぜひ一緒に検討をしてほしい工事です。

足元灯と同じくらい重要なのが手元灯です。足元がふらついて転倒する危険性は理解できるのですが、実際には手すりの掴みそこないも隠れた転倒要因なのです。

ですから、手すりの位置を明確にする光源と、足元を照らす光源の2つを押さえるとよりよいでしょう!

●費用

8万円〜20万円でお考えください。ただ、昔と違って手すりにもさまざまな工夫を凝らした手すりが増えてきました。持ち手の滑り止めもいろいろ。ショウルームなどでの体感してみてください。

●ポイント

手すりと灯りはとても有効なバリアフリーリフォームの一つ。年を取ればわかるのですが、手元足元を照らす光があり、手すりが廊下の両側についている安心感は半端ないものがあります。

ただ、一番注意してほしいのがその高さ。身長はもちろんですが、利き腕も違いますよね。さらには、手すりの握り方によっては、痛くてしかたない体の部位があるかもしれません。

工事を発注する前に、廊下に実際に立ちどの高さが適切な手すり位置なのかをシミュレーションしてください。手すりで失敗しないコツは、現場でのシミュレーションがすべてです。

土間の一部を廊下に拡張

・施工内容

あなたの家には土間がありますか? 玄関も土間の一種です。ただ、一般的な家では【土間=玄関】となり、その他の部分で土間は見受けられません。

でも、この土間というのは考え方によっては実に使いやすい空間となります。

【土足で入れる収納】と私は位置づけていますが、たとえば大事な自転車をあなたが持っていたら、これをどこに置きますか?

雨ざらしにしたくないので室内に入れたいところですが、あいにく玄関に置くのはいくら何でも邪魔すぎます。

ではどうすればいいのか……答えは簡単です。廊下に余裕があることが条件とはなりますが、廊下の一部を玄関の土間にリフォームしてしまえばいいのです。つまり、廊下の面積を減らして玄関土間の面積を広げるのです。

こうすれば、大事な自転車を雨ざらしにすることもなく、盗難の可能性もなくなり、なおかつ劣化速度も落とすことができます。

●費用

3畳程度の広さを拡張するのであれば20万円〜30万円で済みます。

●ポイント

最近の新築住宅でも玄関土間を広くとったプランが顕著に目立ってきました。その使い勝手の良さが浸透してきた結果といえるでしょう。

中古住宅を購入したから、家は築40年の古い家だからあきらめるのではなく、専門家に是非相談してください。費用も安価で済みますので現実的なリフォームです。

廊下の修復だけではなく、雰囲気も一新してしまうのがおすすめです

廊下のきしみはついつい見て見ぬふりをする場所です。居室ではないので「まぁ、いいか」となりがちなのですが、それが思いもよらぬ大失敗につながるスタートかもしれません。

けっして甘く見ることなくリフォームを検討するとともに、どうせならば、土間の拡張や玄関収納の増設などいろいろと考えてはいかがでしょうか?

このアイデアの監修者

森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹

名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。

森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/

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