【専門家監修】断熱リフォームにかかる費用って?効果や助成金も解説
「断熱リフォームしたいけど、一体いくらかかるんだろう......」そんなお悩みの方に、断熱リフォームの費用相場を、窓や床下などの場所ごとに解説します。リフォームをすることで得られるメリットや効果、助成金についても合わせて解説するので、リフォームをしようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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断熱リフォームの効果やメリット
効果やメリット1.冷暖房効率の向上
当たり前のことですが、冷暖房効率が著しく上がるため、それだけ経済的なメリットが大きくなります。短期的には手元のお金が出てしまいますが、中長期で見れば明らかにお得なうえに、何と言っても住み心地が格段にアップします。
現在は昔に比べて、冷暖房機器の宣伝文句として【省エネ】をうたうケースが増えてきました。しかし、そのような商品をせっかく選んでも、断熱性能の乏しい住宅に住んでいれば効果半減です。
また、必要以上のパワーを機械が出そうとするので、負担がかかり寿命も短くなるでしょう。
住宅ローンを組む時には、現在の光熱費と家を購入した後の光熱費との差額も計算し、それも考慮して資金計画をする必要が実際にはあります。
効果やメリット2.家の寿命が長くなる
家の寿命が長くなることも断熱リフォームの大きなメリットといえます。
断熱リフォームをしていない家はどういう問題があるか、みなさんはわかりますか?
たとえば冬場をイメージしてほしいのですが、断熱性能の乏しい家は窓を中心に結露が発生しやすくなりますね。家にとって結露は最大の敵といってもよく、木を腐らせる原因にもなりダニやカビの温床にもなるわけです。
さらに怖いのは壁の中に結露が発生してしまう壁体内結露(へきたいないけつろ)。これが起きると壁の中にカビが生えてしまったりするため、大変厄介なことになります。
効果やメリット3.気温に起因するヒートショックや熱中症の対策に
ヒートショックという言葉が市民権を得てから随分と長い時間が経ちました。暖かく暖房の効いたリビングから廊下に出たらいきなり温度が低下して体に負担を与える、寒い時期に気をつけないといけない症状です。こういった気温の変化によって起こる症状は家の断熱効果をあげることが対策の1つになります。
また、夏場の暑い時期の場合は断熱効果が低い家だと室温が上がるため、熱中症になる可能性が高くなります。このような症状は生死にかかわることも往々にしてあるため「外からの暖気や冷気を室内に侵入させない」、「室内の暖気や冷気をそとに逃がさない」といった断熱をしっかりしておくことがとても大事なのです。
断熱リフォームの種類と費用
断熱が家にとって重要なことがわかったところで、ここからは実際に断熱にはどのような種類があるのかご紹介していきます。
窓の断熱リフォームとかかる費用
住宅の断熱を考えるにあたって窓は最重要ポイント。室内でいくら冷暖房をしても、窓の断熱性能がなければどこからどんどんと温めた空気は冷やされ、冷やした空気は温められてしまいます。
それを防ぐためにも窓断熱は真剣に考えてほしいのですが、おすすめの窓断熱工事は、既存の窓をLOW-E(ローイー)ガラスのサッシに変更することです。
これは、2枚重ねの窓になっていて、その間にアルゴンガスなどが充填されている商品のことを指します。新築住宅での採用率が70%を超えることがその性能の高さを証明しているといっていいでしょう。
その費用ですが、最も高いサッシの枠ごと交換するケースで計算すると、おおよそ15万円ほどです。腰高窓の幅1軒の場合ですので、足元まである掃き出し窓ではさらに値段は上がります。
床下の断熱リフォームとその費用
冬場しんしんと足元から冷気が伝わってくると、どれだけエアコンやストーブなどで部屋を温めても寒さを感じますよね。そんなときこそ床下断熱リフォームを検討しましょう。
床暖房までは予算がなくても、床下に断熱材を敷き詰めるだけでかなりの効果が見込めます。また、床材の張替えを行わないのであれば、比較的安価な負担でできるので検討を是非しましょう。
その目安となる費用ですが、20坪程度の床に対しておおよそ25万円~30万円でよいでしょう。ただ、床材の交換までやればもちろん値段はあがります。
天井の断熱リフォームとその費用
床と同様に天井をはがしたり大工事になることはなく施工が可能です。窓と床をしっかり断熱しても、天井を見落とすとその効果は半減です。
とくに夏場は屋根への強烈な日射が家族を襲うことになり、いくら冷房をしてもどんどんと冷気を奪われる羽目になってしまいます。
肝心の費用ですが、断熱材を敷き詰める工事となり、通常の戸建てであれば15万円〜30万円で済みます。ただ、屋根裏の状況によっては断熱材を敷き詰められないケースも出てきます。
稀なケースだとは想像しますが、この場合は充填剤などの吹き付け断熱材を使用しますので、費用は20%~30%増しとなります。
壁の断熱リフォームとその費用
そして最後に残ったのは壁。この壁まで断熱すれば、家を包括的に断熱リフォームしたことになるので安心ですね。
この壁断熱には「外断熱」と「内断熱」という2種類があります。とくに外断熱という言葉は大手のハウスメーカーなどがテレビで大々的に宣伝していることもあり、言葉だけは耳にしたこともあるのではないでしょうか。
そして壁のリフォームにおいてもこのどちらも採用可能となります。一般的には内断熱を採用するケースが多いようですが、詳細は業者さんにご相談ください。
施工面積を200㎡程度と仮定した場合ですが、その費用は120万円~300万円となります。価格に幅がありますが、これは水回りや電気回りをいじる場合に専門の職人を呼ぶ必要がでてくる場合が高くなってしまうためです。
断熱リフォームにかかる費用を抑えるポイント
費用を抑えるには……
1. 補助金の活用
2. 必要な場所を選択
の2点でしょう。1. の補助金は次の項目でご説明しますが、2. がなかなかの難問ですね。
お金がたくさんあれば全部を断熱リフォームすればよいのですが、さすがに大きな金額になってくるので躊躇してしまいます。
だから、家族にとっての優先はどこか? をじっくりと考えて書き出すことからしてください。たとえば、全く使っていない部屋があるのならば、その部屋までを断熱リフォーム工事をする必要があるのかといったことを検討し、予算に応じて取捨選択していきましょう。
断熱リフォームに補助金は出る?
断熱リフォームに出る補助金がありますので活用しましょう。個人が居住する住宅だけではなく、賃貸住宅の所有者もできる優れものです。
もらえる金額の上限は120万円(高性能建材による住宅断熱リフォームの場合)で、集合住宅では一戸当たり15万円となるのですが、補助される金額は全体工事費用の三分の一以内となります。
ですから、総額300万円の断熱工事の場合では、その三分の一までなので、補助金は100万円となるのでご注意を。
また、指定の高断熱パネルなどを使用した工事をすると、補助金も倍近くに上がるのですが、これはそもそもの工事代金がかなり上がりますので、よくご検討ください。
断熱リフォームで住宅を快適な空間に♪
部屋が寒い、エアコンなどの空調に対するコストが高いなど、少しくらいの我慢ならばいいとも思いますが、塵も積もれば山となる。体を壊してしまったり、トータルでみると結構な額の出費になってしまっていたりします。
高齢のご両親と同居している方はもちんですが、今は若くても年齢を重ねた時のことを考えれば今のうちに断熱リフォームを検討し始めるべきでしょう。
※賃貸物件の場合、退去の際に原状回復を行う義務があり、修繕費用が必要となる場合があります。必ず賃貸借契約書を確認の上で、家主や管理会社の許可を取ってから作業を行いましょう。
このアイデアの監修者
森住宅コンサルタント株式会社 代表取締役 森雅樹
名古屋生まれ。法政大学卒業後、大手ハウスメーカーに就職し戸建て住宅営業を経験。
退職後は都内の零細工務店において戸建て営業とリフォーム営業に従事。その後、森住
宅コンサルタント㈱を興して独立。現在は住宅会社と消費者向けの講演、執筆、コンサ
ルティング活動を行う。買う側、売る側双方の立場を熟知したうえでのアドバイスを行
っている。住宅購入者向け、住宅販売者向けの単行本20冊以上。
森住宅コンサルタント(株)
http://mori-consultant.com/
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