【LIMIA歳時記】9月は「長月」。秋が次第に深まっていきます

9月は陰暦で「長月」。由来には諸説ありますが、夜がだんだん長くなる「夜長月」から来ているという説が有力だとか。少しずつ肌寒くなってくる頃でもありますね。「LIMIA歳時記」では、季語と、それにまつわるストーリーを月に1回ご紹介しています。

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「夜長」に何をして過ごす?

このところめっきり日が暮れるのが早くなりましたね。なんとなくちょっともの悲しくなったりもして、秋だなあと感じています。

さて、実は秋には夜空に関する季語がとても多いのです。代表的なものが「月」。「月」というだけで秋の季語になんですよ。月のない、良く晴れた夜に満天に散らばる星の光が月夜のように明るいことを「星月夜」といいますが、これも秋の季語です。

そんな夜空に横たわる大きな星の川。みなさんご存知の「天の川」ですが、これもそうです。さらに眺めていると、すうっと星が横切りました。慌ててお願い事をしている人もいるようです。そう、「流れ星」、これも秋の季語なのですね。

このように、秋に夜空に関する季語が多いのは、夜が長くなってきたから。というわけで、「夜長」は秋の代表的な季語でもあります。

実際に夜の時間が一番長くなるのは冬、それも冬至の頃なのですが、なぜ「夜長」は冬の季語ではなく秋の季語なでしょうか? それは、夏が終わって、すっかり夜が長くなったなあ、としみじみと感じるのが秋だから。

日本人の感性って、ステキですね。さて、秋の夜長、みなさんは何をして過ごしますか?

【今月の一句】
さよならの後に始まる夜長かな 如月美樹

●文 如月サラ(きさらぎさら)
エディター、俳人。(株)マガジンハウスで『anan』『Hanako』などの編集者を経て独立。現在、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程にて女性のエンパワーメントについて研究中。

●イラスト アネタイヨシコ

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