
太陽光発電のシミュレーションには要注意?正確に発電量を知るための方法
自宅での発電や売電など、太陽光発電ではさまざまな恩恵を受けることができます。しかし実際に設置した場合、どれくらい発電できるのかは、事前にしっかり調べておく必要があります。そのためにおこなわれるのが発電量のシミュレーションです。ただし正確な発電量を把握するには「正しいシミュレーション」が大切です。今回は太陽光発電の正しいシミュレーションについて学んでみましょう。
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太陽光発電のシミュレーションでわかることって?
実際にシミュレーションで知ることができる内容は以下のようなものです。
・年間推定発電量
・光熱費の節約金額
※現在の光熱費からの差額で換算
・売電収入
・二酸化炭素の削減量
シミュレーションが重要視される理由はおもに2つあります。
【理由1:設置条件によって発電量が変化する】
どんなに変換効率が高い太陽光モジュールであっても、適した条件下でなければ力を発揮することができません。あらかじめ充分な発電量が見込めて、早いタイミングで初期費用の回収ができると確認できれば、それだけ設置する価値も高くなります。
【理由2:製品によって設置可能面積が異なる】
太陽光モジュールはメーカーによって大きさも重さもまちまちです。そのため実際にどれくらいの容量を屋根に乗せられるのかが異なります。どれを選べば自宅でもっとも発電できるのかは、単純に製品スペックだけでは比較できません。太陽光モジュールは価格が高く、気軽に導入できるものでもないため、事前のシミュレーションが重要視されるのです。
WEBでは、各種メーカーサイトで簡易的な太陽光発電システム導入時のシミュレーションができます。業者にシミュレーションを依頼する前に、ネット上の無料サービスを利用してイメージを掴んでおくのも良いでしょう。
日射量から算出するシミュレーションには注意!
太陽光発電のシミュレーションでは、日射量で算出するものに気を付けましょう。なぜなら太陽光発電は「日射量の多さ=発電量」ではないためです。
日射量とは太陽の放射エネルギーを指す言葉で、太陽の高度が高ければ高いほど大きくなります。日射量は1日の南中の時間帯や、1年では夏至の頃が多いです。
年間発電量は「年間発電量(kWh/年)=年間日射量×太陽光発電システム容量×損失係数÷標準日射強度」という計算式を基準にして計算されるため、日射量はとても重要な要素です。
しかし、日射量は地域ごとの特性によって大きく変化します。季節ごとの降水量はもちろん、住んでいる地域が日本海側か太平洋側か、周辺に大きな山や建物で太陽が陰らないかなど、細かな地形の条件を考慮する必要があります。また傾斜角によっても実際に受けられる日射量は異なりますし、太陽は季節や時間帯によって差し込む角度が違うため、最適な傾斜角も毎月変わっていきます。
これらの要素を踏まえたうえでなければ、正しいシミュレーション結果は導き出せません。日射量だけで発電量を判断するのは禁物です。
太陽光発電の正しいシミュレーション方法とは?
前述したように、正確な発電量を知るには、家ごとの細かな条件を踏まえて試算する必要があります。以下にシミュレーションに必要な要素や条件をまとめてみました。
【シミュレーションに必要な要素】
・日射量
発電量はおもに日射量をもとに計算されます。
・太陽光発電システムの性能
汚れや劣化などによっても発電効率は落ちるため、その分の損失を正確に把握する必要があります。
・方角
設置する屋根の方角によって日射量が変動します。南向きがもっとも日射量が多いため発電量も多くなり、北向きの設置は発電ロスが多くなります。
・温度
ソーラーパネルは温度が上昇しすぎてもロスが発生するため、月ごとの温度上昇による発電効率の損失をシミュレートする必要があります。日照時間が長く日射量も多い夏場がもっとも発電に適しているように思いますが、温度によるロスを考慮すると、かえって発電量が少なくなる場合もあります。
・傾斜角
屋根の角度は実際に受けられる日射量に大きく左右します。
・屋根の形状
切妻屋根、片流れ屋根、寄棟屋根、陸屋根など、屋根の形状によって設置できるパネル枚数や設置する方角、日射量も変わります。設置できる部分が2面ある切妻屋根や、同じ方角1面に設置できる片流れ屋根であれば、設置容量も多くなるため、必然的に発電量も多くなるでしょう。
WEBの無料シミュレーションサービスも地域や屋根の形状、方角などを記入して算出するのがおもですが、それだけでは本当にその数字が正しいのかはわかりません。必ず業者に見積もりとともにシミュレーションを出してもらい、その数値から費用対効果を判断するようにしましょう。
まとめ
太陽光発電システムは1度設置したら、設置のし直しや機器の変更などを安易におこなえません。そのため「本当にちゃんと発電するのかな?」という疑問は誰しも抱くものです。安心して太陽光発電を導入できるようにするためにも、事前の見積もりに加え、しっかりシミュレートしてくれる業者を選びましょう。
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