太陽光発電の見積もりには図面が必要?用意すべき図面と注意点を紹介!

太陽光発電システムを家庭に導入するためには、工事に先立って施工業者に工事費の見積もりを出してもらう現地調査が必要です。この現地調査に際しては、あらかじめ住宅の図面を用意しておくことが望ましいとされています。この記事では、住宅の図面を用意しておくべき理由、そして用意すべき図面の種類について紹介していきます。

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おおよその見積もりを出すには図面が必要

そもそもなぜ太陽光発電の設置に図面が必要なのでしょうか? それはおおよその見積もりを出すためです。図面を用意することで、現地調査の作業を円滑にすすめることが可能になるため、結果的に調査時間の短縮に貢献します。

現地調査において業者は、そもそもソーラーパネルが設置可能なのか、また太陽光発電システムに不可欠な「パワーコンディショナー」や「太陽光ブレーカー」といった装置をどこの場所に設置するかを検討します。このため業者は屋根の強度や構造、そして材質を確認するほか、屋内にも立ち入り、電気配線の状況について調査するのです。

こうした作業を通じて、ソーラーパネルの固定方法やパネルの設置枚数、配置などを決定します。そのうえで、はじめて見積書を作成することになるのです。そのため現地調査にはそれなりに多くの時間がかかります。さらに1社だけでなく複数の業者に見積もり作成を依頼した場合、より多くの時間と手間を費やさなくてはなりません。

しかし、あらかじめ自宅の図面を用意しておいて現地調査時に業者に渡すことができれば、実際に測定しなくても屋根のおおよその寸法を把握することが可能になります。また配線状況を調べるために、屋内の配線板や屋根裏を詳しく調査する必要もなくなります。

図面はあらかじめ業者にメールや郵送で送付しておけば、現地調査をおこなわずとも概算の見積もりを出してくれます。このため複数の企業間で見積もりを比較検討する場合にも、わざわざ複数の業者を家に呼ぶ必要がありません。

用意すべき3種の図面

現地調査に必要となる図面は、大きく分けて3種類あります。「屋根の図面」「屋内の図面」「電気関連設備の図面」です。

【屋根の図面】
「屋根の図面」には、建物を東西南北からそれぞれ見た姿図である「立面図」、屋根の正確な寸法が記載された「建築面積求積図」、住宅各部に使われている壁材の種類や厚みなどを書いた「仕上表」があります。これらの図面は、ソーラーパネルの固定工法やパネルの設置枚数を決定するために活用されます。

【屋内の図面】
「屋内の図面」には、各階の間取り図を示した「平面図」、住宅を縦に切り取った「断面図」、断面図の拡大版である「矩計図(くけいず)」などが含まれています。屋内の図面は、ソーラーパネルを支える架台やパワーコンディショナーの取り付け場所を検討する際に必要です。

【電気関連設備の図面】
「電気関連設備の図面」には、電気配線の配線状況を表した「電気設備図」、エアコンや換気扇の位置を記載した「空調換気設備図」があります。これらの図面は太陽光発電システムの配線や、パワーコンディショナーの設置場所を検討するうえで重要な資料となります。

また太陽光発電の導入に伴い、住宅をオール電化にする工事も予定している場合、上記の図面とは別に、ガス機器の設置箇所を示す「ガス設備図」も必要となります。

自分の予定している設置工事計画に対して、どのような図面が必要となるのか、あらかじめ施工業者に確認しておくと良いでしょう。

正確な見積もりには現地調査が結局必要

前述したように、図面を用意することによって現地調査の負担を軽減することができますが、一方で図面からでは読み取れない情報もあります。

【読み取れない情報1:屋根の劣化状況】
図面から読み取れない情報の1つ目は、屋根の劣化状況です。

当然のことではありますが、図面には屋根の寸法や構造、材質などが詳細に記載されています。しかし屋根の現在の状況を把握することはできません。経年によって屋根は劣化するため、場合によっては雨漏りが発生している可能性もあります。屋根が劣化した場合には、太陽光発電システムを設置する前に、屋根のリフォーム工事を済ませなければなりません。

【読み取れない情報2:実際の寸法】
図面から読み取れない情報の2つ目は、住宅の実際の寸法です。

多くの場合、設計図面に記載された寸法は、実際に建てられた住宅の寸法と一致しています。しかし図面上の寸法は、あくまで設計段階に設定された数値でしかありません。そのため、実際に家を建築する際に、建築業者の現場判断などで図面とは異なる寸法が採用される可能性も十分に考えられます。

したがって図面を用意しても、最終的には現地調査をおこない、住宅の現在の状況を正確に把握する必要があります。図面は現地調査の省力化に貢献するものの、現地調査を全く不要にするというわけではありません。

まとめ

現地調査に先立ち、あらかじめ屋根や屋内などの図面を用意して施工業者に渡すことができれば、設置工事の見積もりを簡単に算出してもらえるようになります。より正確な見積もりを出すためには業者による現地調査の結果を待たなければなりませんが、図面をあらかじめ用意しておけば、調査作業を素早く済ませることが可能です。

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